カウントダウン「LEGEND GAME 2024」#56 髙橋朋己編
髙橋 朋己(たかはし・ともみ)
投手 左投げ・左打ち 1988年11月16日生まれ
ライオンズ在籍:2013~20年
通算成績:160試合 6勝5敗 52セーブ 40ホールド 防御率2.74
背番号:43(13~18年)、123(19~20年)
当日所属:TEAM LIONS
静岡の加藤学園高では控え投手。3年夏の県大会は3回戦で、5回コールド負け。大量リードされた試合の終わりに、少し投げただけだった。当時は最速129㎞/hだったが、夏の大会のあとも、薪割りや丸太切りトレーニングを続けたところ、腕力、腹筋、背筋と全身の筋力が強化され、岐阜聖徳学園大に進学してすぐに、球速135㎞/hを計測。2年の秋には145㎞/hまでアップしていた。
本人は真上から投げているつもりだったが、自然とスリークォーターに。一時はコントロールを矯正するためサイドスローで投げていたこともあった。大学3年春には、東海地区大学野球リーグの最優秀投手に輝いた一方で、寮の近くのコンビニでアルバイトもしていたそうだ。
西濃運輸に入社後、ストレート質が向上。空振りをとれるようになると、1年目の都市対抗予選では、計3イニングを投げて、アウトすべてを三振で奪う。翌年、王子製紙(現・王子)の補強選手として出場した都市対抗本選では、前年優勝チームのJR東日本相手に、4 2/3イニングを投げて2安打無失点に抑えている。この年の9月に左肩を痛めてしまうのだが、ライオンズからドラフト4位で指名される。
入団してしばらくは、痛めた左肩のリハビリに専念していたが、イースタンで初登板してからは、3試合で計7アウトのうち6つを三振で奪ってみせる。すぐさま1軍合流すると、デビューから4試合連続失点したものの、徐々に本領発揮。9月以降は18試合に登板して、失点したのは1試合だけ。シーズンラストの8連勝のうち6試合に登板、最終戦ではプロ初勝利をあげて、大逆転でのクライマックスシリーズ出場に貢献する。
プロ2年目は4月下旬からクローザーに定着すると、チームトップの63試合に登板して29セーブ。7月には自身最速の152㎞/hをマークするなど、真っ直ぐとスライダー、ほぼ2つの球種だけで80三振を奪い、奪三振率は11.49を記録した。
この年の交流戦で打席に立った村田修一(当時読売シャイアンツ)は「球の出どころが見えづらいから前に飛ばない。体感だったら(キューバ代表の)チャップマンより、髙橋のほうが速い」と、侍ジャパンで対戦経験のある世界最速左腕の名前を引き合いに出して、そのスピードを表現した。
翌15年シーズンは、同期入団で同年齢の増田達至がセットアッパー、髙橋がクローザーを務めてスタート。開幕から4試合続けて、8回増田、9回髙橋が抑えて勝利して、増田が開幕4戦連続ホールド、髙橋が開幕4戦連続セーブのプロ野球最長記録を、そろって達成している。
そのまま順調にセーブを積み重ねていくのだが、7月にオールスターを挟んで3試合続けてセーブ失敗。その後クローザーは、牧田和久、そして増田が務めるようになった。
16年は8回が高橋、9回は増田の形でスタートしたが、4月19日の北海道日本ハムファイターズ戦に3番手でマウンドにあがった高橋は、8球連続のボール。打者2人に四球を与えただけで降板すると、翌日に左ヒジの張りを訴え登録抹消。そのまま7月にはトミー・ジョン手術(内側側副靭帯再建手術)を受けることになる。
手術とリハビリの甲斐があって、翌17年10月に1軍復帰。復帰初戦では151㎞/hをマークして、完全復活を予感させた。が、続く18年シーズンの開幕2戦目、3月31日ファイターズ戦の8回裏からマウンドにあがると、近藤健介を四球で歩かせ、中田翔に二塁打を打たれたところで「左肩がバコンと外れて、激痛が走って」降板を申し入れる。いまになってみると、これが最後の1軍登板だった。
翌年からは育成契約を結んで、肩の治療にあたり、トレーニング方法や食生活を見直して回復を目指したが、その願いはかなわず。20年シーズン限りでの引退を決意する。
10月30日、花道に用意されたイースタンのジャイアンツ戦。その夜、メットライフドームで行われる1軍の試合開始が迫るなか、同期入団の増田や金子侑司、弟分の平良海馬ら、多くのチームメイトがCAR3219フィールドに足を運んだ。
9回表の先頭打者イスラエル・モタを、1球でショートフライにうち獲ったストレートは、球速106㎞/hと表示された。
今回の「LEGEND GAME 2024」では、久々に登場曲E-girlsの「Follow Me」が、ベルーナドームに鳴り響くことになりそうだ。
主なタイトルなど
オールスター出場 (15年)
「LIONS CHRONICLE 西武ライオンズ LEGEND GAME 2024」
3月16日(土)12:00開場/14:00試合開始
会場:ベルーナドーム
配信:パーソル パ・リーグTV
放送:BS朝日(翌日録画放送)