【西武ライオンズ 今日の見どころ】中村剛也がチーム本塁打王である功罪 ノーヒットノーランのリベンジなるか
●40代のチーム本塁打王なら 球団56年ぶり2人目
【1日◇ライオンズ‐ホークス19回戦(ベルーナ)18:00】
前日に逆転サヨナラ負けした記憶がよみがえる、3点のリードを一気にひっくり返されるゲーム展開。5連敗が濃厚となった沈鬱なムードを、中村剛也がまさに一振りで覆してくれた。
チームを救った同点ソロは、中村の今シーズン13号の本塁打。右肩痛で抹消中のマキノンを抜いて、チームトップの本塁打数となった。
これまでに日本のプロ野球界で、チームの本塁打王になった40歳以上の選手は、全部で9人(11度)いる。もし、中村剛也がこのままシーズン終了まで、チーム最多の本塁打をキープすることになれば、2009年のタフィ・ローズ(バファローズ)、金本知憲(タイガース)以来。ライオンズでは1967年のロイ以来、56年ぶり2人目となる。
ただ、40歳の中村がチームで最も多くのホームランを打っているのは、若手選手や外国籍選手の不甲斐なさの裏返しでもある。
●このまま20本塁打する選手がいなければ 球団24年ぶり
ライオンズのチーム本塁打王のなかで、最もホームラン数が少なかったのが、1999年松井稼頭央・垣内哲也の15本。年間20本以上のホームランを打つ選手が、チームにひとりもいなかったのは、このシーズンが最後となっている。
また、中村剛也の13号ソロが出るまで、チームは7試合本塁打がなかった。現在のチーム本塁打数は、パ・リーグ最少の72本。昨シーズンがリーグ最多の118本塁打だっただけに、落差は大きい。山川穂高の不在がまともに響いている。
シーズンは残り27試合。いまのペースで計算すると、シーズン88.7本塁打となる。年間の試合数が140試合以上あったシーズンで、ライオンズのチーム本塁打が90本に届かなかったのは、1959年、2012年、13年の過去3度。
このままだと、中村剛也が左ヒザの手術や左肩痛のため、わずか26試合の出場だった13年以来、10年ぶりの80本台で終わってしまう。この先の山川の動向とは関係なく、長距離打者の育成は急務の課題だ。
●ノーヒットノーランのリベンジをできた相手は西崎だけ
きょうの先発は、平良海馬と石川柊太。ちょうど2週間前に、PayPayドームでノーヒットノーランをやられたときと、同じ顔合わせとなった。
昨年ノーヒットノーランをされた東浜巨(ホークス)とは、1週間後に沖縄で再戦。7回無得点に抑えられた。山本由伸(バファローズ)とは1ヶ月半後に対戦して、6回で1点しか獲れなかったが、降板後の救援陣を攻略して、試合にはなんとか勝利した。
ライオンズ相手にノーヒットノーランを達成した山本までの7人の投手のうち、直後の対戦でライオンズがリベンジに成功したのは、1995年の西崎幸広(ファイターズ)だけ。じつは多くの投手に返り討ちに遭っている。
前回、石川に苦杯を嘗めさせられた各打者たち、そして自身ワーストの7失点、先発転向後最短となる4回でK・Oされた平良にとって、雪辱の一戦にすることができるだろうか。