【西武ライオンズ 今日の見どころ】エンス7勝すれば 来日1年目左腕70年ぶり
●先発で活躍した外国籍左腕は ほぼ皆無のライオンズ
【20日◇マリーンズ‐ライオンズ15回戦(ZOZOマリン)18:00】
よもやの逆転負けで「1日天下」となってしまったライオンズ。得点力が不足している以上、不用意なミスは許されないことを、あらためて思い知らされた。
仕切り直しとなる一戦の先発は、現在6勝の左腕エンス。きょう勝つと、與座海人と並び、チームトップタイの7勝目となる。
入国制限などもあり、シーズンの開幕には2週間ほど間に合わなかったエンスだが、4月10日のホークス戦で来日初登板初勝利をあげると、ほぼ欠けることなく先発ローテーションに定着。13試合の先発は、高橋光成の16試合に次いで、チームで2番目に多く、貢献度は高い。
●来日1年目で7勝すれば 1952年オニール以来
ライオンズの外国人投手のなかで、来日1年目に最も多く勝利したのは、2019年ニールの12勝になるのだが、左投手では、西鉄時代の1952年オニールの7勝が最多。きょうエンスが勝つと、このオニールにじつに70年ぶりに並ぶことになる。
グラマン、ウィリアムスのようにリリーフでは活躍した外国人サウスポーは、ライオンズにもいたのだが、これが先発投手となると、まったく名前があがらない。
ルブラン、バンヘッケン、ノリン、ダーモティと、1~2勝しかできずに1年で帰国する投手ばかりで、ローテーションに定着してコンスタントに勝利しているエンスは、ひじょうに稀有な存在と言えるのだ。
●二桁勝利した外国籍左腕は ひとりだけ
来日1年目に限らなくても、ライオンズの外国人左腕では、オニールが入団2年目の1953年にあげた10勝が最多で、これが唯一の二桁勝利となる。
ちなみに、このオニールは在日米軍に所属しており、兵役の休日に登板する“アルバイト投手”だったそうで、10勝をあげながらも、本国からの帰国指示が出たため、53年のシーズン限りで退団している。
エンスにはこのまま勝ち続けて、7勝と言わずに、オニール以来の69年ぶりとなる二桁勝利。さらにその先、ライオンズの外国人左腕で最多となる11勝以上をあげて、球団の歴史に名前を刻んでもらいたい。