
【西武ライオンズ 今日の見どころ】今季10人目の1番打者ルーキー蛭間 隅田の登板試合で全7打点
●ルーキーの1番スタメンは球団2年ぶり26人目
【9日◇ファイターズ‐ライオンズ16回戦(エスコン)18:00】
前カードのバファローズ戦は3試合で計4得点と、打線のつながりを欠いていたが、きのうは(8日)1回表に、いきなり5安打を集中しての3得点。その突破口を開いたのは、初めて打順1番で起用されたルーキーの蛭間拓哉だ。
秋山翔吾(現カープ)が移籍してから、2020年が7人、21年は11人、そして昨年は13人もの選手が、1番で起用されてきたが、誰ひとりチャンスをつかむことはできないまま。今シーズンも開幕戦のペイトンに始まり、蛭間で10人目の1番打者となった。

ルーキーが1番スタメンを任されるのは、ライオンズでは21年の若林楽人以来、2年ぶり26人目。これまでに最も多く1番起用されたルーキーは、西鉄時代の1971年の高橋二三男で72試合。埼玉移転後では、1996年に大友進が45試合に出場したのが最多となっている。

のちに球界を代表するリードオフマンへと成長することになる石毛宏典でも、プロ1年目の1番起用は14試合。片岡易之が7試合。秋山翔吾はルーキーイヤーだった11年に、1番打者を任されることは1試合もなかった。それほど荷が重く、新人選手が簡単に務まるようなポジションではないのだろう。
この先、蛭間が1番に定着していくのかは不明だが、シーズン残り47試合。大友の試合数に、どこまで蛭間が迫れるのか。楽しみに見守りたい。
●隅田登板試合でプロ初本塁打 本拠地初安打
その蛭間だが、不思議と隅田知一郎が先発する試合で、印象に残る活躍をくり返している。まずは早稲田大学の先輩である早川隆久からプロ1号本塁打した6月25日のイーグルス戦。この試合で隅田は5回無失点にまとめて、今シーズン3勝目をあげている。
続いて7月17日ファイターズ戦。本拠地ベルーナドームで初めてヒットを打った蛭間は、勝利投手になった隅田と、そろって試合後のお立ち台に上がっている。
そして前回登板の7月30日、隅田の降板したあとだったが、一時同点に追いつくタイムリーを放ち、蛭間が隅田の負けを消している。

シーズン打率は.250だが、隅田の登板時に限ると、17打数5安打で.294。特筆すべきは、ここまで蛭間のあげた7打点すべてが、隅田が先発した試合でのモノなのだ。
1年違いのドラフト1位。ふたりの若獅子が投打それぞれの中心となって、チームに新たな時代を呼び込んでくれることを、ライオンズファンは待ち望んでいる。