【西武ライオンズ 今日の見どころ】與座海人 プロ5年目 ドラフト5位からの二桁勝利なるか
●ドラフト5位以下投手の二桁勝利なら 後藤光貴以来
【20日◇ライオンズ‐バファローズ20回戦(ベルーナ)17:00】
【ライオンズ球団通算5,000勝まで、あと4勝】
1位ライオンズから4位イーグルスまでが、3ゲーム差にひしめき合う大混戦。連敗は許されないなか、現在リーグ2位の9勝をあげている與座海人が先発する。
岐阜経済大から2017年ドラフト5位で、ライオンズに入団。プロ1年目に右ヒジのトミー・ジョン手術を受けて、育成契約になったこともあったが、プロ5年目となる今シーズンは、5月から先発ローテーション入り。自身初の二桁勝利まで、あと1勝となった。
1965年にドラフト制度が導入されてから、ライオンズに入団して二桁勝利をあげたピッチャーは31人いる(他球団から移籍してきた投手、移籍先で二桁勝利した投手、外国籍投手は除く)。じつはそのほとんどが、ドラフト3位以上で指名された投手たちだ。
ドラフト5位以下の順位で指名されて二桁勝利をあげたのは、ドラフト外で入団した投手を含めても、加藤初、松沼博久、松沼雅之、工藤公康、後藤光貴の5人しかいない。
與座が二桁勝利をあげれば、入団4年目の2003年に10勝をあげた後藤光貴以来、19年ぶりになる。
ただ、加藤、松沼兄弟、工藤については、入団の経緯によって下位指名やドラフト外になっただけで、もっと高い順位で指名されていても、おかしくない実績を持っていた。低い評価を覆して這い上がった点では、後藤と與座が双璧と言えるかもしれない。
ちなみに、後藤光貴は現在ライオンズの関西地域のスカウトを担当。この夏の甲子園に出場した兵庫県代表の社高のキャプテン・後藤剣士朗二塁手の父親とあって、その名前がここ数日、多くの紙面に掲載されていた。
また入団5年目で初の二桁勝利となると、ライオンズでは入団7年目にして12勝した菊池雄星に次ぐ、遅咲きでの達成となる。
●規定投球回は難しくとも 最多勝&最高勝率の可能性
現在、與座の防御率は2.14。今後の投球次第で、パ・リーグトップの防御率1.71の山本由伸を追い抜けるかもしれないのだが、與座の投球回が88 1/3イニング。ライオンズの残り試合が31だから、與座が先発するのは5~6試合。シーズン規定投球回の143イニングに到達するのは難しいだろう。
ただ、最多勝と最高勝率のタイトルは、規定投球回に達していなくとも獲得できる。勝利数は11勝の山本由伸と、2差に位置している。シーズン13勝以上が条件の最高勝率も、現在3敗の與座なら充分可能性がある。
プロ5年目、ドラフト5位からのタイトル獲得で、ライオンズに下位指名で入団した投手たちや、伊藤翔や上間永遠といったトミー・ジョン手術からの復活を目指す投手たちに、ぜひ希望や刺激を与えて欲しい。
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