【西武ライオンズ 今日の見どころ】武内 ライオンズ新人左腕最多の8勝目なるか
●ライオンズ新人勝利 左腕では7が最多
【11日◇ファイターズ-ライオンズ16回戦(エスコン)13:00】
1956年に球団の新人最多となる21勝をあげた稲尾和久を筆頭に、過去ライオンズには二桁勝利をしたルーキーが8人いる。ただ、この8人はすべて右投げの投手。
左投手のルーキーでは、1956年畑隆幸、60年近藤光郎、81年杉本正、93年杉山賢人の4人があげた7勝が過去最多。現在チームトップの7勝をしている武内夏暉は、すでにこの4人に並んでいる。
きょうの北海道日本ハムファイターズ戦に勝利して、8勝目をあげると、ライオンズの新人左腕の最多勝利記録を、29年ぶりに更新することになる。
もちろん武内には、8勝は通過点にしてもらいたい。残り試合の数からすれば、ライオンズの新人では07年岸孝之(現東北楽天ゴールデンイーグルス)以来となる二桁勝利が、充分手の届く位置にあるからだ。
●球団では稲尾以来2人目の 新人で最優秀防御率の可能性も
また武内の投球回は、いま93イニング。シーズンの規定投球回数である143イニングまで、あと50イニングとなっており、こちらは到達できるかどうか、ギリギリといったところか。
シーズン規定投球回を投げたライオンズの新人も、07年の岸が最後。到達すれば、こちらも17年ぶりになるのだが、武内の場合、最優秀防御率のタイトルが懸かってくる。
現在パ・リーグ投手ランキング1位のモイネロ(福岡ソフトバンクホークス)の防御率が1.54。武内が1.55だから、規定投球回に届けば、充分こちらも獲得の可能性がある。
2リーグ制後、最優秀防御率の栄誉を手にしたルーキーは12人。99年の上原浩治(読売ジャイアンツ)が最後になる。ライオンズでは、あの“鉄腕”稲尾和久が獲得したのが、唯一の例だ。
球史に名を残すレジェンドと、68年ぶりに肩を並べる可能性のある武内だが、2週続けてチームが5連敗している状況で、マウンドに向かうことになった。
チームはオールスター明けの13試合で、わずか2勝。この2勝はいずれも武内によるもので、武内が投げる試合でしか勝てていない。
しかも、打線はここ3試合で打ったヒットの数が、4、3、2。きょうのファイターズ先発の伊藤大海には、2週間前の対戦で源田壮亮のヒット2本だけに抑えられ、わずか94球で楽々と完封されたばかりだ。
拙攻・拙守で、自分の評価を落とすのは勝手だが、前途有望なルーキーの足を引っ張るような真似は、勘弁してもらいたい。