【西武ライオンズ 今日の見どころ】渡部健人 想い出のハマスタで 今季1号出るか
●大学時代の最初と最後 渡部は横浜スタジアムで本塁打
【5日◇ベイスターズ‐ライオンズ3回戦(横浜)18:00】
タイガース戦での12カードぶりの勝ち越しなど、まるで無かったかのような2連敗。「GET THE FLAG!」のスローガンのもと、日本一になった1998年にまつわるイベントを開催しているベイスターズの、完全な引き立て役に甘んじている。
今シーズンすでに、5度の3連敗を喫しているライオンズなのだが、同一カード3連敗は5月9~11日のマリーンズ3連戦の1度だけしかない。さらには交流戦の各チームとの対戦が3試合制になった2015年から、ベイスターズ相手に3連戦3連敗したこともない。
そもそも9連戦のスタートで3連敗するワケにはいかない。どんな形であれ、きょうの試合で一矢報いるしかない。
現在のライオンズのメンバーのなかで、横浜スタジアムと最も縁が深いのは渡部健人だろう。
ライオンズ入団前は、この球場をメイン会場のひとつにする神奈川大学連盟の桐蔭横浜大に在籍。1年春のリーグ戦から4番に座ると、開幕戦の神奈川大戦で、いきなりのホームラン。鮮烈なデビューを果たしたのが、横浜スタジアムだった。
桐蔭横浜大では、1年春、3年春、4年秋と、3度のリーグ優勝。なかでも4年秋にはリーグ戦10試合で打率.436、歴代最多タイの8本塁打、リーグ新記録の23打点と、あと一歩で三冠王となる大活躍でMVPに輝いている。
さらにリーグ戦後、関東各地区の代表10校によって、横浜スタジアムで争われる「関東地区大学野球選手権」の中央学院大戦でも、先発の古田島成龍(現・日本通運)からレフトスタンド上段に届くホームラン。勢いそのままに、7年ぶりの2度目の優勝へと駆け上がった。
渡部は大学生活の最初と最後を、横浜スタジアムでのホームランで飾っていたのだ。
●中村剛也は25歳シーズンに46本塁打で初タイトル
プロ入り後、横浜スタジアムでプレーするのは、今回が初めて。この2試合で3安打、プロ初盗塁もマークした渡部だが、打点はなし。相手のベイスターズの4番打者は、1998年生まれの同学年で、同じプロ3年目の牧秀悟が務めている。セ・リーグ打点トップを走り、侍ジャパンの主力にまで成長した牧の存在を、意識していなければ嘘だろう。
渡部は今年12月で25歳。よく比較される中村剛也が25歳だった2008年は、46本塁打して初のタイトルを獲得。チームの日本一に大きく貢献した。同じく山川穂高は25歳シーズンの16年、49試合に出場して14本塁打。1軍定着の足掛かりにしたプロ3年目だった。
山川の去就に関わらず、渡部の成長を待つ時間の猶予は残り少ない。中村剛也が復帰するまでの「代役」ではなく、このまま死物狂いで4番を奪い切るくらいの気概が求められる。まずは想い出詰まった横浜スタジアムで、チームの連敗を止める4番初アーチを期待したい。