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【西武ライオンズ 今日の見どころ 数えてみた編】無死1塁からは送る? 打たせる? バントは初球で?  

間もなく23年シーズンのキャンプイン…ではありますが、プロ野球ファンなら誰もが一度は気になったことがある、さまざまな「通説」「格言」を、22年シーズンのライオンズを題材に検証してみました。長かったオフシーズンの締め括りに、お楽しみください。

●無死1塁からの「送りバント」と「ヒッティング」。どちらが有効なのか?

無死1塁で送りバントをしないと、いまだ批判的な中継をする解説者や実況アナウンサーが多いが、統計学の専門家などの分析により「バントで走者を2塁に送ったときのほうが、得点の期待値はむしろ低くなる」ことは、すでに再三指摘されている。では実際、昨シーズンのライオンズでは、どうだったのか。

22シーズンの143試合で、無死1塁になったライオンズの攻撃が283回あり、そこから得点が入ったケースは104回。割合にすると36.7%だった。

そこで、無死1塁から打席に入った283打者のパターンを
①送りバント成功
②送りバント失敗(飛球や二塁封殺)
③バントの失敗(ファールや空振り)があって、打席途中で強行策に変更
④ヒッティング(盗塁失敗、エンドランなども含む)
この4種類に分類して、それぞれ得点の入ったケースが何度あったのかを、数えてみた。

次打者のパターン別 無死1塁から得点につながった割合

やはりヒッティングしたときのほうが、バントで走者を進めたときより、得点につながったパーセンテージは高かった。バントを失敗したときと合わせると(①+②)、得点につながる割合はさらに低くなる。この現実を踏まえると、無死1塁からの送りバントは。けっして「手堅い作戦」ではない。

23シーズンのライオンズは森友哉のFA移籍により、得点力のさらなる低下が懸念されるが、だからといって、送りバントを多用するぐらいで、解決できる話ではなさそうだ。

●バントを一発で決めると、得点の確率が高くなる?

「送りバントを一発で決めると、攻撃のリズムが良くなる」。これも解説者やアナウンサーの定番フレーズ。では実際に、送りバントを成功させたときの「カウント」によって、得点につながったケースがそれぞれ何度あったのか。無死1塁のシチュエーション限定ながら、昨シーズンのライオンズで数えてみた。

無死1塁から送りバント成功   カウント別 得点につながった回数① 

無死1塁からの送りバントが得点につながった全20回のうち、初球でバントを成功させていたケースが、じつに13回を占めた。

それに対して、バントは成功させたものの、1ストライク、2ストライクを獲られたあとからだと、得点につながったことは3回しかなかったのだ。

ボールが先行したあと、ファーストストライクでバントを成功させたケースも含めると、得点につながった割合は38.6%になり、ヒッティングで点になったときの38.0%と、遜色がなくなる。

無死1塁から送りバント成功 カウント別 得点につながった回数②

「送りバントは一発で決めるべし」。この「格言」は、あながち間違ってはいないようだ。

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