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【西武ライオンズ 今日の見どころ 数えてみた編】先頭打者の四球は得点になる? 無死満塁は最初の打者次第?  

間もなく23年シーズンのキャンプイン…ではありますが、プロ野球ファンなら誰もが一度は気になったことがある、さまざまな「通説」「格言」を、22年シーズンのライオンズを題材に検証してみました。長かったオフシーズンの締め括りに、お楽しみください。

●ノーアウトからの四球は、点につながる確率が高い?

先頭打者のフォアボールは、点につながりやすい―。野球中継でおなじみのフレーズだが、実際はどうなのか。昨シーズンのライオンズで、数えてみた。

前回も紹介したが、22シーズン143試合のライオンズの攻撃で、イニングの先頭打者が1塁に出塁して、無死1塁になったケースが283回。そのうち得点の入ったケースは104回あった。

先頭打者が出塁した理由を、安打・四球・そのほか(死球、敵失など)の3つに区分して、それぞれの得点につながった割合を数えてみたところ、先頭打者のフォアボールが得点につながった割合が29.7%と、最も低かったのだ。

先頭打者の出塁別 無死1塁から得点につながる割合

ただ、見方を変えれば、相手投手が四球でプレゼントしてくれた先頭打者の出塁を、うまく活かせなかったために、昨シーズンのライオンズはリーグ5位の464得点に終わったとも言える。

過去のデータや報道を見ても、先頭打者の1塁出塁が得点になる割合は40%前後で、四球で出塁したときに限って、特別に点が入っていた例は見当たらない。

また、イニングの先頭が四球だと、大量点になりやすいとも言われるが、先頭打者の出塁理由別に、そのイニングで何得点入ったかを比較しても、そうした傾向は見られなかった。

先頭打者の出塁別 無死1塁からのイニング得点
先頭打者の出塁別 無死1塁からのイニング得点の傾向

「先頭打者を歩かせると、失点になりやすい」とか「先頭打者を四球で歩かせるくらいなら、単打を打たれたほうがマシ」との説に、確たる根拠や裏付けはなさそうだ。

●無死満塁は、最初の打者が打たないと、得点にならない?

絶好の得点機でしかないノーアウト満塁だが、そこで迎えた最初の打者が凡退してしまうと「次の打者、その次の打者に、圧し掛かるプレッシャーが大きくなって、得点にならない」と、よく言われる。

22シーズン、ライオンズの打者が満塁で打席に入ったことは121回あったが、そのうちノーアウトだったのはわずか8回。ノーアウト満塁のチャンスができた直後に打席がまわってきたケースは4回だけだった(残る4回は、前の打者がランナー1人を還して、引き続いたノーアウト満塁での打席)。

このなかで、最初の打者が凡退に終わったのは、8月2日オリックス16回戦の1回裏、山川穂高がセカンドフライに倒れた1度だけ。続く呉念庭、川越誠司も倒れて、この回の攻撃は無得点で終わっていた。

残る3度は、最初の打者が走者を還すことに成功。後続のバッターもチャンスを活かして、いずれも複数得点をあげている。

無死満塁 最初の打者の成績と 以降の得点

サンプル数があまりに少なく、結論めいたことは言えないが、昨シーズンのライオンズは「無死満塁のチャンスは、最初の打者次第」との球界の「定説」が、しっかり当てはまっていた。

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