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【西武ライオンズ 今日の見どころ】杉山遥希 高卒新人プロ初登板初勝利なら 横浜高の先輩 松坂大輔以来

●高卒新人の1軍登板は 髙橋光成以来9年ぶり

【12日◇ライオンズ-イーグルス24回戦(ベルーナ)18:00】
横浜高出身のドラフト3位ルーキー杉山遥希が、プロ初登板初先発。おそらくは渡邉勇太朗の右足腓骨骨折が判明してから、急遽決まった1軍デビューと思われる。

こうしたちょっとした巡り合わせで手にしたチャンスで、自分の居場所をつかみ獲った選手だけが生き残れるのが、プロの世界だ。この機会を逃す手はない。

福岡時代の稲尾和久、池永正明、東尾修。埼玉に移転してからは、工藤公康、渡辺久信、松坂大輔、涌井秀章と、1年目から1軍で活躍した高卒新人が多い印象のあるライオンズだが、高卒ルーキーの1軍登板は2015年の髙橋光成以来、じつに9年ぶりになる。高校から入団して1年目に1軍で勝利をあげた投手も、髙橋光成が最後となっている。

また稲尾や東尾、渡辺、工藤らのプロ初登板は、いずれもリリーフ。1軍初登板が先発だった高卒ルーキーはライオンズに8人しかおらず、杉山で9人目となる。

思い返せば、9年前の髙橋光成の1軍初登板もチームの11連敗中だった。救援陣の不調により、先発をしていた牧田和久を抑えに配置転換。そのために空いたローテーションの一角に、当時2軍でも目立った結果は残していなかった髙橋を、イースタンの登板から中4日で急遽先発起用したものだった。

杉山に関しては、8月21日イースタンの千葉ロッテマリーンズ戦で先発して、7回無失点。今月4日のファーム交流戦、くふうハヤテ戦でも2イニングを1安打に抑えて、現在9イニング連続無失点と、ファームでの好投を続けているなか、今回の抜擢となった。

今シーズンこれまでに1軍デビューした高卒新人には、内野手の横山聖哉(オリックスバファローズ/上田西高)、捕手の鈴木叶(東京ヤクルトスワローズ/常葉大附菊川高)のふたりがいる。投手では杉山が1軍デビュー一番乗り。勝てば、もちろんこの世代で最初の勝利投手になる。

●高卒新人の初登板初勝利は 81年小野、99年松坂だけ

今年4月3日に武内夏暉が、ライオンズのルーキーで10人目となるプロ初登板初勝利をあげているが、高卒新人でのプロ初登板初勝利となると、1981年の小野和幸、1999年松坂大輔。このふたりしか達成していない。

もし、きょう杉山が初登板初勝利をすれば、ライオンズでは松坂以来、25年ぶり3人目となる。横浜高の大先輩に続く快挙となれば、おそらく大きな注目を集めるはずだ。

ちなみに、相手の東北楽天ゴールデンイーグルスには、横浜高の先輩の渡邊佳明や、同じ「横浜の背番号1」を着けていた藤平尚真がいる。対戦や投げ合いの実現も楽しみだ。

球団ワーストタイとなるシーズン84敗、2試合連続でやはり球団ワーストタイとなるシーズン13度のサヨナラ負けと、もはや怒りを越えて、呆れるような話題ばかりのなか、ライオンズファンがせめて希望を感じられるような投球を、杉山遥希には期待したい。


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