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【統一地方選挙2023】候補多すぎて、選ぶのムズすぎ問題。

こんばんは、師子若丸です。

いよいよ4月になり、統一地方選挙が本格化しましたね。

地方選前半となる4月9日の投票日までは、あと数日。

僕の住んでいる地域は4月23日が投票日なんですが、2月くらいから毎朝のように駅前で、いろんな政党のいろんな候補が立ち、思い思いに演説を行っています。

多いところでは、何十人もの立候補者がいる地方選挙。

ふと思ったのは、これ「候補者多すぎて、1人に選ぶの無理ゲーじゃない?」と。


はじめに断っておくと、僕自身は公明党の支持者で、自分の地域に根ざした公明党議員のこともよく知っているので、正直、選択肢はほぼ一択です。

ですが一応、駅前に立っている他の候補の政策や主張は、ひと通り知る努力をしようと思っています。

ただ普通は、そうじゃないですよね?
身の周りの20、30代で特定の政党の支持を表明している人もほとんどいないし、地域の議員と日常的に交流があるなんてこともほとんどないと思う。

「みんな、どうやって決めてるんだろ。」

仲のいい大学時代の友達に
「ね、普段どうやって投票先決めてんの?」と聞いたら

「え、また選挙あるの?わかってるよ、公明党だよね」と。

いやそれはそれで嬉しいんだけど、今日の話題はそうじゃないんだよなぁ。
この友人にはまた後程、登場してもらうことにします。笑


きっと、駅立ちする本人の人柄で決めたり、選挙公報読んで決めたり、選挙看板のポスターみて決めたり、知人・友人に頼まれたりとかとか、いろんな決め方があるとは思うんですけど、今回は「ネットならでは」の方法の話をしようと思います。

投票マッチング(選挙ドットコム版)

真っ先に浮かぶのが、「投票マッチング」サービスです。

大手新聞各社も広く提供していますが、SNSやネット上で最もよく見かけるのは「選挙ドットコム」が作成、運営しているものですね。

20代〜40代が主な利用層とのことですが、このnoteを読んでいるような方なら、年代問わず一度は利用したことがあるんじゃないでしょうか?

選挙毎に少しずつ仕様が変わっている気がしますが、今回のマッチングでは、20のテーマ(設問)に対して「賛成」「やや賛成」「中立」「やや反対」「反対」の5段階評価を選択したあと、特に重視する3つのテーマを選ぶことで、各党の公約とのマッチング度合い(パーセンテージ)が機械的に表示されます。

20の設問は、各党の公約や世論調査による有権者の関心などをもとに選んでいるそうです。

ためしに僕もやってみましたが、
公明党が1位で81%、次いで国民民主党が77%、維新の会が75%になりました。まあ、そりゃそうか。

僕のマッチング結果

でも、毎回思うんですけど、結構僅差なんですよね、2番手、3番手と。

Twitterのタイムラインなんかをみてると、支持政党を明確にしている人であっても、必ずしも支持している政党が1位にならないという人もたまに見かけます。

これってどうなってるんでしょう。

でも、その前に。

ボートマッチの歴史

こうした、投票マッチング(vote match)の取り組みは、1980年代後半にオランダで開発され、98年にはじめてインターネットでの活用が始まりました。

日本でも2007年頃から、大手新聞社などを中心に行われていたようですが、やはりSNSの普及などインターネットが身近な存在になった近年、認知度が急激に増したように感じます。

1330万人の有権者のうち、80%前後の高投票率を維持しているオランダでは、前回の国政選挙の際に780万回ものボートマッチサービスの利用があったそうです。
選挙ドットコムのサービスも、2021年の衆議院選で350万回の利用があったそうですが、日本の有権者数を考えれば普及率は「まだまだこれから」といった感じでしょうか。

日本では公選法に抵触する恐れなどから、現在では民間主体のサービスに限られているそうですが、個人的には、若い世代の投票意識の向上や、棄権防止のためにも、さらなる普及や改善・進化が望まれるところです。

各党の回答状況まとめ

さきほど僕個人のマッチング状況も紹介しましたが、せっかくなので選挙ドットコムが公表している情報をもとに、各党の回答状況をまとめてみました。(タップで拡大できます)

各党の回答状況まとめ

こうして一覧にしてみると、賛成が多い政党、反対が多い政党など、各党の傾向が見えてきます。

【各党別の回答状況】

一番わかりやすいのは、「日本維新の会」の回答状況で、反対を表明したテーマはなんと驚異のゼロです。「赤字路線廃止」の1項目にのみ反対を示した「国民民主党」も個人的には意外でした(野党という意味で)。

逆に、20の設問中、過半となる11項目に反対を表明した日本共産党、半数の10項目に反対した社民党も、政党のスタンスがよく表れていると思います。

また、与党の自民党、公明党は賛成や中立が多いからこそ、反対しているテーマに着目してみることで、それぞれの党の特色が浮かび上がるように感じます。

公明党の支持者として、党の政策や考えを学んだり取得する機会が多い僕のマッチング結果が、公明党の賛否状況に近づくことは当たり前だとしても、国民民主や維新が僅差で迫っていた理由も、一覧にしてみたことでよく理解できました。

【質問別の回答状況】

次に、質問別の回答状況を見てみると、「給食費無償化」や「インクルーシブ教育の推進」「都市部人口集中の是正」などでは、多くの政党の意見が一致(賛成)している一方で、「原子力発電」「同性婚」「マイナンバー・保険証一体利用」などの項目で各党の意見(賛否)が分かれていることがわかります。

自分の考えとマッチする政党を効率的に選ぶ上では、「意見が分かれている項目」を重点的に確認することが有効かもしれません。


ちなみに、上記の簡略な一覧のみでは、各党の考えを正確に表すには不適切だと思いましたので、各党の回答全文についても一覧表にまとめてみました。

ほぼ苦行みたいな文字の小ささになってしまいましたが笑、興味のある方は以下のPDFを読んでみてください。

(Googleドライブの外部リンクが開きますが、何か個人情報が抜かれたり、ウイルスに感染したりすることはありませんのでご安心ください。念のため笑)

▼PDFはこちら(https://onl.la/WBTm9i6)


投票マッチングだけでは候補者は決まらない


さて、ここまでボートマッチサービスに絞って紹介をしてみましたが、僕個人としては「ボートマッチサービスは政党の絞り込みには役に立つが、投票先を一人に絞り込む決定打にはならない」と、考えています。

実際にサービスを利用してみてわかるのは、必ずしもマッチング1位の政党が最善の投票先とは限らないからです。

むしろ75パーセントを超えるような政党が複数あるような場合には、どれも投票先の候補となる気もします。
あと、そもそも選択肢が主要政党に絞られるボートマッチだけでは、無所属の立候補者とのマッチング率は測定できません。(これについては選挙ドットコムなども、今後改善する予定だとしています)

さらに、投票後のミスマッチ(投票した政党の考えが、自分の考えと違うことに後から気づくこと)を予防したり、投票行為を後押しする意味でボートマッチは非常に有効ですが、残念ながら実現可能性を軽視し、耳にだけ聞こえの良い言葉で票を得ようとする政党があれば、ボートマッチの本来の目的が十分に達成されるとは言えません。

だからこそ僕は、そうした複数の選択肢(政党)から、投票先(候補)を絞り込むには、“プラスアルファ”の判断材料が必要だと思っています。

候補のSNSを見てもいいし、政党のマニュフェストを読み込んでもいいし、選挙ポスターの印象で選ぶことも立派な判断材料です。
最後は、ひとりひとりの有権者が合理的な判断のもとに選択することと思います。

今こそ薦めたい“箱推し”

さて、ここからは余談なのですが、最初に登場した大学の友人とのエピソードは続きがあります。

この友人の誘いで人生で初めてアイドルのライブイベントに参加した時のことです。それも、つい先日のこと。

アイドルが登場する前にイベントの司会が、「●●ちゃん推しの人ー?」「じゃあ△△ちゃん推しの人ー?」と、挙手での推しアンケートを実施して盛り上げてくれていました。

僕はまだ名前と顔が一致していなかったので笑、特に手を上げずにいたら「今、誰にも手を挙げなかった人は“箱推し”ってことね!」とフォローを入れてくれたのです。

そうそう、「箱推し」。

「箱推し」とは、(アイドルグループなどで)お気に入りの存在「推し」としてグループ内の特定の一人を応援するのではなく、そのグループ全体を応援すること。アイドルやグループなどの特定の一人のファン「単推し」の対義語としての表現である。
シマウマ用語集

司会者の箱推し発言を聞いて、「あ、僕が公明を推すのもまさに“箱推し”なんだよな」と。(注:今さっきnote書いてて思い出しただけです、その会場で思いだすほど選挙オタクじゃありません笑)

公明の箱推しについては、数年前に別の方のnoteで読んだことがあったので、「あ、このことなのか」とはじめて体感的に理解できました。

つまり、ボートマッチサービスによって、ある程度自分の考えに近い政党がいくつかに絞られた上で、最終的な投票先を絞るためには「箱推し」「単推し」が非常に有効ではないかと思うのです。

「何をいまさらそんな当たり前なことを」と思われるかもしれませんが、やはり特定の政党を支持することへの否定的なイメージ(考えが偏りたくない、選択肢を奪われたくない等)は根強くありますし、(特に若い世代を中心に)無党派層が急増した90年代以降の傾向を考えれば、あらためて強調したい部分だな、と思った次第です。

それに、特定の支持政党があるからといって毎回その「政党に投票しなければいけない」わけでは決してありません。

気に食わない出来事があったり、候補がいれば、その都度ほかの人に投票をすればよいと思います。

たとえそうであったとしても、箱推し(支持政党を持つこと)になることで、膨大な選択肢を最初からある程度絞り込むことができるので、各候補の人柄や政策などを吟味することに、貴重な時間を費やすことができます

「あーもう、どうせだれに入れても同じでしょ」とのイライラも軽減されるかもしれません。それだけでも、投票棄権の割合はぐっと下がるのではないかと思います。

余談の余談

余談の余談になりますが笑、最初に書いた通り僕自身は、公明党を推しています。

特に、勝ち負けのある政治の世界で何かを一生懸命に応援するというのは、「大変だな」と感じることが多いのも事実ですが、そこにはやっぱり充実も楽しさもあります。
そして何より、推しが当選した時の喜びはひとしおです。

少子高齢化に直面する日本で、選挙のあり方は変化していくでしょうし、公明党の支持母体である創価学会が取り組むべき時代変化への適応など、課題は数多くある。ていうか、マジで色々変わるべきだと思います。

また、SNS上では、公明支持者に対して「他党の実績を学んでいない」「公明党がでない選挙には興味もないくせに」などの批判を目にすることもあります。今回のnoteもそうした批判に応えるべく、ボートマッチを通して「選挙全般への意識啓発」につながればと思って書いたつもりです。

もちろん、批判のような傾向があるなら向き合う必要があると思うけど、僕個人の意見としては「本来政治に無関心な人びと」をも政治の世界に巻き込んだ公明党の役割には大きなものがあったと考えています。

かつて政治の片隅に追いやられていた「福祉」の分野を政策のど真ん中に掲げた公明党は、昨年末「子育て応援トータルプラン」を発表。先月末には今後3年間を少子化対策の「集中取組期間」とすることを提言しました。

今回の地方選で、多くの政党の公約に子育て政策が追加されている事実も、「どの政党がいいか」という議論を超えて、まずは喜ばしいことだと思っています。正直、もっともっとグイグイ進めて欲しいくらいです。

だからこそ今後、公明党がそうした議論をリードしていくことを望むとともに、僕自身も一人の有権者として、堂々と「公明推し」を続けていくつもりです。


アイドルイベントに参加した後、友人との帰り道。
僕たちは、ある共通の結論に達しました。

「“何かを推さない人生”なんて、それほど寂しいものはない」

うん、これがこのnoteの結論かもしれません。笑

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


※参考にした記事

▶︎選挙ドットコム: 投票マッチングに関するお問い合わせについて

▶︎時事通信社: 政策比較に投票マッチング=選管主体には「待った」―統一地方選

▶︎選挙ドットコム: 投票率80%のオランダに学ぶ(2)780万回使われる「ボートマッチ」 発祥の地オランダで広まった理由

▶世論調査でよく聞く「無党派層」ってどんな人のこと?

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