トラウマ級の恐怖体験②
逃げるように 外出した私達は
あの恐怖の部屋での一夜を どう乗り切るか、を話し合いながら ホテルの外湯を巡りました
「あぁ…この宿で泊まれたら
どれほど幸せだろうか…」と もはや 恨めしい気持ちでいっぱいです
しかし私の中では
今夜の対策は すでに決まっていました
それは 「お酒で酔っ払って 気絶する」です
さすがに あの得体の知れないものと
まともに対峙できるとは 到底 考えられません
やはり 人は
「正体が分からないもの」
「全容がみえないもの」には とてつもなく恐れを感じます
立ち寄れる酒屋をチェックした後
何気なく 側にあった船着き場に行ってみると
海面には「豆アジ」の大群が湧いていました
私達は 即 簡易釣竿を購入し
大興奮で 入れ喰い状態の さびき釣りを楽しんだのです🐟️
台風前の なんとも 生ぬるい風のなか
まるで現実逃避するかのように
じゃんじゃん釣りあげていきました
大漁のアジは 近くの居酒屋に 持って行き
交渉の結果 引き取って頂き 調理してくれる事になりました
豆アジは唐揚げにして貰い
幸せな時間が 流れます🎵
タイムリミットまでの
有限を感じながらの楽しさは
なんだか 格別なのです✨️
美味しい酒とツマミ
ワイワイガヤガヤ たくさんの笑い声😆
しかし 無情にも あっという間に
HAPPY タイムの終了がやってきました
すでに外は雨が降っていました
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ビールやウイスキーを大量に買い占めて
戻ってきた「民宿D」
あの お婆さんの姿は ありませんでした
階段を上がり 部屋へと到着
昼間は ほとんど部屋の内情を把握せず
飛び出してしまいましたが
おそらく8~10畳位のスペースで
ベランダは無く、TVを付けた記憶も無い
あとは、まさに 映画「リング」に出てくる
貞子が使っていたのと 同じ感じの鏡台が置いてあり
「これは…見れない」とゾッとしたのを覚えています
宿泊しているのは確実に私達のみ
宿 全体が静まりかえっていて
あまりの静けさに 頑張って会話をするも
まるで覆い被さるように
静けさが打ち消していきます
隣の一室は襖一枚で繋がっていた為
彼氏が少し開けて覗きましたが
「真っ暗で分からん」と言って
ピシャッと閉めました
そして まるで調査をするかのように
今度は押し入れの天窓を開けました
「あっ、なんかある!」と手に取ると
なんと
それは
布でぐるぐるに巻いた出刃包丁だったのです
魔除け、というには 理解しがたく💧
かなり古そうで 布も赤茶色に汚れていました
その瞬間 私は遂に
究極の現実逃避アイテムである ビールの缶を開け グイグイ飲み出しました
そしてビールでは事足らず
I・Wハーパーを一気飲みするかのように
ボトルごと飲み始めたのです
もちろん その後の記憶は一切ございません🙇
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翌朝 私はパチリと自然に目が開きました
まず「良かった~!助かった!何も起きなかった~!」という嬉しさでいっぱいになりました
そして まさかの二日酔いも無く
ぐっすり熟睡した時の
あの爽快感の中での 目覚めだったのです🍀
私はガバッと起き上がり「おはよう😃」
と元気いっぱいで彼氏を見ると
すでに起き上がっていた彼氏の顔は
なんと今までに見た事が無いほど
げっそりと疲れきった顔をしていたのです
思わず息をのみました
「あっ…タダならぬ事が起きたんだ!」
と私が悟った瞬間
「もう荷物まとめてあるから早く出よ」
という彼氏の言葉に
何か異常に切羽詰まるものを感じて
そのまま荷物を抱えると
叫び声をあげそうになる感覚を我慢して
階段を降り、一直線に玄関から飛び出しました
「あっ!傘 置いてきた!」と言うと
「もう傘はいい!戻ったら最後 殺される!
絶対 振り返るなよ!」と言われ
民宿Dを後にしたのです
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あの夜 何が起こったのか?
彼氏によると
まるで私が眠るのをまっていたかのように
それは起こり出したそうです
先ず 襖一枚隣の部屋から複数の男女の声が
聞こえ出し、普通にボソボソと喋っているんですって😱
無視していると 今度は
私達の部屋の電気が激しく点滅し出したそうです
ちなみに私なら この時点で確実に
失神すると思われます💦
そして更に夜も更け 怪奇現象はヒートアップ
今度は隣の部屋から襖をドンドン叩かれ
ついに怒った彼は「うるさ~い!」と言って
なんと襖を開けたそうです
当然 誰も居ません
すると話し声はピタッと止み
嘘のように静まり返ったかと思うと
今度は その部屋の電気が点滅を繰り返したそうです😱
しかし彼は 全く私を起こそうとせず
よく一人で耐え抜いてくれたな~と
心底 感嘆に尽きます。
その後も現象はエスカレートし
遂には廊下側の襖もバシャンバシャンと
勝手に開いたり閉じたり
トイレに行った時には扉を開けると
中からグイッと引っ張られたりと
一晩中 強烈なポルターガイストの嵐で
気が狂いそうになったそうです
その一部始終を身の毛もよだちながら
聞いた私は「でも…それくらいの事は平気で起こりそうな空間ではあったな…」と
妙に納得したのでした
帰路に着き 霊感の強い妹に話すと
「お姉ちゃん、有り得ない程の熟睡やったんちゃう?」と言われ
「そうなんよ~異常な位 気持ち良かった」
と答えると
「それ、よっぱらったからじゃないよ。
お姉ちゃんがターゲットじゃ無かったから
途中で起きないように あえて されてたよ」
と言われました
恐怖の宿「民宿D」
30年振りに思い起こしてみましたが
もう存在していない事を切に願います
次回は心霊談では無く、ビックリ話😲
【チェーンスモーカーだった私が
一瞬にして煙草を辞めた話】です🚬