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SIVGA Que 1DD,ベリリウム振動膜

【カテゴリー】イヤホン


国内では01Diverseさんが代理店となるSIVGAから、1DD、ベリリウムメッキ振動膜で駆動される「Que」が2024年8月2日の今日、発売された。
今回はeイヤホンさんで予約購入したが、ちゃんと発売日の午前中に届いた。こういうオペレーションは大変ありがたい。
俺にとって初めてのSIVGAだ。

さてこのQue(クエ / 鵲 [かささぎ])だが…… 只者ではない。

販売リンク

(リンクはAmazonアソシエイト。小遣いくれー)

価格

Amazonでの初出の価格は12,980円。国内販売店はみなこの価格のようだ。
1万円をちょっと超えたあたりの超激戦区にSIGVAは殴り込んできた。学生さんには少し勇気のいる価格だが、社会人なら手を出し難いという事も金額的に購入に躊躇するという事にもなりにくいだろう。お小遣い制に泣くサラリーマンだとしても好きならなんとかできるであろう範囲だ。だからこそこの価格帯は魑魅魍魎が跋扈する。俺?もうじいさんだよ?喘ぎながら買ってるに決まってんだろ!察しろ!

価格帯随一のベストバランス。俺が決めた。

今や星の数ほどある中華イヤホンだが、それ故に全てのイヤホンを聴き比べたり、購入したりする事は困難だ。メーカーから多数の提供を受けているレビュアーでさえそれらを網羅出来るとは思えない。

であるからして、単なるユーザーである俺はその中でも極々限られたモデルしか所有する事は叶わず、次々と新発売されるイヤホンの中から時には試聴(あまり役に立たない)して買うか買わざるかで悩み、そしてある時には見た目とドライバ構成等だけを見て音さえ聴かずに突貫する。

端的に言って馬鹿じゃないのと思うのだが、それでもこういう馬鹿を繰り返していると不思議と勘が働く様になり、大外しする事なく気に入るものを購入出来る様になる。とは言え傾倒するブランドや印象の良いメーカーのものの中から選びがちではあり、初めてのブランドに手を出すのは些か以上に躊躇したりするものだ。

そんな中、このSIVGA Queはピピっと来た。俺の妖怪アンテナが激しく反応した。何故だ。そもそも俺はこういうガジェットに木を使ったデザインは嫌いだ。何故人は皆こういう木材を組み込んだものに心動かされるのか。木材は家建てる時だけ使ってりゃいいんだよ。<大工棟梁の息子

とにかく不思議なほどに購入に躊躇がなかった。カメラシステム刷新するためにお金使っちゃ駄目なのに。嗚呼ダメなのに。(どっちみち使う)
で、無事に本日入手したのだが、夜まで待てずに昼休みにちょっと聴いてみた。これも不思議なのだが、いつもなら箱から出しもしないケーブルを出し、いつもなら全く使わずお蔵入りの付属イヤピのままいつもの楽曲を鳴らした。

「おいおい……マジかよ…… 何この音……」

3点リーダーを多用してしまうくらい呆気にとられた。めっちゃバランス良い。俺はバランスの良いイヤホンが好きだ。1点突破の特徴的なものも決して悪くはないが、やはり聴き心地が良く調和のある音が好きだ。なのでLETSHUOER Cadenza4は大変好きなイヤホンで愛用しているのだが、このQueは数分の1の価格でありながらそれに似た大変良いバランスで鳴る。

各音域のキャラクターは少々違うが全体として受ける印象が非常に近い。突出した帯域がなくお手本の様なバランスだ。アタックはあるがスピードで聴かせる類のものではない。やや柔らかく纏められているががベリリウム振動膜のレスポンスの良さ、特に収束方向の素早さは感じる。今日届いてから夜聴くまで6時間ほど鳴らしておいたのだが、それでもまだ少しの堅さは感じる。手持ちのベリリウムコートのイヤホンは皆、150時間くらいを過ぎると完全に堅さが取れて良い塩梅になっている。これもそうなるだろう予感はある。

ホワイトメイプルのフェイスプレートは見慣れると実に良い感じ

さすがベリリウムコートのドライバだけあって、高域の伸びと解像感は非常に高い。高域は音に微細なエッジが立っていてハイハットが小さく鳴るミックスの楽曲でも聴き逃しがない。さらにその上でスムーズだ。荒れた感じは全くない。なにこれイカス。音の輪郭が若干強調されるかの様で、しっかりと高域成分を持つ楽器ははっきりくっきりと聴こえるので気持ち良い。これが刺さる人は相当に高域に敏感な人だけではなかろうか。

それは低域にも当てはまる。フィンガーピッキングで深く鳴るベースでさえ輪郭はあやふやではなく、コピーのために聴く時などは1音1音の音階も非常に取りやすい。スラップで弾くベースは弦がフレットに激突した際に発生する高次倍音がパーンと響いて非常に印象的。ただし量感は十分あれどサブベースが轟轟と響く様な音ではなくもっとスッキリしているので、好みによっては物足りなく感じるかもしれない。尤も、サブベースが強いイヤホンはバランス型と言い難いためこれはこれで問題ない筈だ。

そして中域だが、ここはややレベルが低めの調整だ。ボーカルが強く前に出て聴こえるという感じではない。筈なのだが全体で聴くと足りない感じは全くしない。これちょっと不思議なところだ。曲とパートによっては意外な程にボーカルが主張する。恐らくだがレベルの話ではなく、中域も出ていない訳でなく十分出ているのだろうが高域と低域の印象が大変良いためが中域が聴いた印象として引っ掛かり難いのだろう。そのため各楽器が手を止めボーカルだけが歌うパートではボーカルに非常に良い艶感が乗っているのが分かる。

そしてそれらの調和だ。混然一体となる、というには解像感も分離感も高いがとにかく楽曲として聴いた時の心地良さが半端ない。なにこれすごい。もうこれ一等賞でいいんじゃないの?1万3千円なのに?そう、そうなのにだ。

付属ケーブル、これもかなり合ってるんじゃないか?今回は珍しくまだリケーブルしていないが、現状でもケーブル要因で質が落ちている感じはあまりしない。

音も見た目もかなり良い付属ケーブル

俺は何十万もするハイエンドイヤホンは所有していない。だが上記のコメントはあたかもハイエンドイヤホンに対する感想を述べている様なものになってしまった。仕方ないじゃん、そう感じたんだから。弱点とか弱いところを挙げろ?気になるところがないんだよ。仕方ないじゃん。ていうかこれで文句言う奴はどこが気になるんだよー。俺にはわからんぞ。1DDだからネットワーク回路の不自然さも皆無だし音場も十分に広い。強いて、強いて言えばまだ堅さがあるという事くらいか?でもこれもっと馴染むよね?他のベリリウムコートはみんな馴染んだんだぞ?これだけ例外とかないだろ。わからないけどww

実は同じSIVGAのP2 Proというヘッドホンにもアンテナがビンビン反応してたんだよな。お値段的にほいほい買えないから手を出していないけど。でもQueへの直感が当たっていたので、P2 Proも当たってそう…どうする俺…


とまぁ、とにかく聴いてみろって。店頭試聴はマジ当てにならないので買ってくれ。近所に試聴できる場所がないと嘆いている君、どうせそこで聴いてもよくわかんねぇよ。だから嘆く必要ない。買う。それしか手がないw
あれなんで店頭で聴いた時と自宅で聴いた時にあんなに差があるんだろうな。よく店頭の試聴でレビューしてる人がいるけど割とマジで尊敬するわ。どんな良い耳持ってんだよ。俺は自宅でじっくり聴かないと分からないぞ。あ、そんな事言うとポタオデの意義が崩れてしまう。今の無しwww

鵲は「かささぎ」と読む。パッケージが非常に綺麗。優勝。


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