SM小説「路上の恋文」⑥尋問
正しい土下座
翌朝、敦司がまた革靴を鳴らしてやってきた。
カツ、カツ、カツ・・・ガチャッ
ドアが開いたそのすぐ前で、麻美は冷たい床に正座をして頭を垂れていた。
昨夜、気を失うように眠った麻美だったが、熟睡は長くは続かなかった。4時間ほど寝ると目が覚めてしまったのだ。
まず、最初に感じたのは胸の筋肉痛のような鈍痛と裂傷部の鋭い痛みだった。それらの痛みが一気に麻美の眠気を払い除けた。胸だけがボロボロになっていて、ミミズ腫れだけでなく、皮膚が裂けたところに血が滲んでいる。