武闘派マスオが生まれた日
もふもふライオン(@mofumofu_LION)です、こんにちは。
嫁の家業である建設業・産業廃棄物中間処理業に入って四苦八苦。
その様子はTwitterで吐き出してますが、家業に入る経緯を聞かれることも多く、新生活4月を迎えるにあたり、ここで自分の頭の整理も含めて棚卸をしつつ、初心に返りたいと思いnoteに吐き出します。(そういえば👇なツイートもしてましたわwww)
文才ゼロ、かつ酒の勢い投稿なので、あまり期待しないで読んでね(改行とかめちゃくちゃだけど許して)
配偶者が家業をしていて、結婚したら強制入社!でメンタルやられる方も多いので、そんな方は是非DMくださいまし!(安心してください。私も同じです笑)
全ての始まりは婚活からだった
家業に入る前の私はぬくぬくサラリーマンライフを送ってました。
大学院を卒業した後、JTCの通信キャリアで、研究開発系の仕事をして、ベンダー機器の検証したり、設計したり、社内外の調整に追われていた日々を過ごしてました。コミュ障だったこともあり、人との調整仕事よりも機械とお喋りしてる時間が大好きで、かつベンダー系の資格を取るとお金が入ってくることもあり「この仕事、天職かよ!」と思ってました。
そんなぬくぬくサラリーマンライフを過ごしてた28歳の夏、ふと頭をよぎったのが…
「あれ?周りの人たち、皆、結婚してるやないか?大学、会社含め、嫁はおろか、彼女いないの、ワイだけやないか!!?(焦)」
「機械とお喋りして、資格で金入っても、友人の結婚式でプラマイゼロやないか!!(むしろ、マイナス泣)」
JTCあるあるかもしれませんが、20代後半で同期は「結婚」というステージを終える人が多く、同期で集まると独身者はちょいちょい仲間外れ感を抱きます。(別に比べる必要もないのですが、無駄に焦った記憶があります。)
そこからは怒涛の婚活戦争に突入するのですが、当時の童貞臭薫る私は次のような条件で合コンからマッチングアプリまで片っ端からこなしていきました。(なぜ当条件かは直接会った時に聞いてください。深い理由ないけど…)
ハーフ顔
言葉遣いが丁寧
親から自立した生活を送ってる
インドア派でも許してくれる
財布は別管理派
胃腸が弱い人の気持ちがわかる
振り返ると、週5くらい飲んだり、デートしてた気がしてて、財布は常に空っぽでした泣
そして、4カ月の激闘の中、出会ったのが現在の嫁でした。家業持ちだと知ったのは、付き合いだしてから。
そんな嫁と付き合って1年が経過する頃、結婚の話も出てき始め、義両親とご飯を食べる機会(実質、結婚前の顔合わせ的なやつ)を設けました。
そこでは、楽しくワイワイと自己紹介したり、家業の状況を聞いたりしてたんですが、最後に重い一撃が来ました。
義父「君は現在の会社にいる限り、全国転勤かもしれないけど、(嫁の名前)ちゃんは一緒には移動できない。だって、跡継ぎだから。一緒に会社を継いで支えてくれると嬉しいな!そこんとこ踏まえて、早く結婚してね(ニコッ」
その一言を聞いた瞬間に、脳内で「えっ、暗に会社に入れってこと?んー、ここで別れて、また婚活するのはないな...まぁ、JTC辞めて家業に入ったとしても自分の活躍するフィールドはあるだろう。まぁ、悩んでてもしょうがないしな!」という結論になり、軽い気持ちで
私「そうですね。結婚して、一緒に会社を支えていきます!」
と言った記憶があります。これが人生の岐路とは知らず...
その他言われたことは👇の通り(無惨様補正有)
会社の闇を垣間見て、修行へGO
その後、無事結婚。
JTCで引継ぎをしつつ、家業に入る準備をするため、事前に会社見学しにいきました。結婚前に社長(義父)が「この地域ではそれなりに名が通ってるし、安定してるよ」とも言ってて、楽な仕事なのか、と思ってましたが、その甘い考えはすぐに消えました。
弊社はビルや公共施設などを重機で壊す解体業と解体工事で発生したコンクリートゴミを破砕する産業廃棄物中間処理を生業としてる中小企業ですが、昔ながらの成熟してる産業であるためか、発注者からの下請け叩きが激しく、儲けが薄く、理不尽上等の世紀末な世界でした。(👇のようなこともザラにあるよ。)
また、会社の中にたまたまいた従業員が酒を飲みながら「この会社で頑張っても未来がない!」「酒!飲まずにはいられないッ!」と話してたのが印象的で義父と言ってることが180度違う地獄のような組織でした。
そんな状況を見て「ゆっくり時間をかけて職人作業を覚えても財務的に、このままじゃもたないぞ」「発注者から叩かれるビジネス、いつまでも続けると、しんどいな」としか思えず、その日は四六時中頭を抱えてました。
その後、「なんとか現在の収入以外で他の活路を見出さなければいけない」という安易な考えに行き着き、嫁や義父に相談しました。
私「家業にフルコミットする前にうまく軌道に乗ってる会社の勉強したいんだけど、どう思います?」
嫁「んー、いいと思うけど、実務覚えて欲しいし、副業でもいいから事務やって」
義父「本当は職人業務を一から十までやって欲しいけど、君の言ってることもわかる。まぁ資格取ったりしながら、ゆっくり家業入ったら?」
そんな感じでOKサインが出ました。(正直、反発されると思ってました。)
…と修行する期間を設けるところまでOKをもらったわけですが、肝心の「軌道に乗ってる会社ってどこよ?」というところは何も決まってなく、そこから修行先を探すことに。単に同業種で業績良いところだけを探すより、
会社経営の経験が養われる
成長著しい会社の経営者と直接お会いして生々しい話が聴ける
同じような立場(家業の次期後継者、跡継ぎ)が多い
みたいなところにスコープを広げ、情報を調べる中、ネットで「私たちは家業のリソースを活用してイノベーションを起こす成長著しい後継者(以下、「アトツギ」)を支援してる団体です(ドヤッ」という記事を見かけたのです。
詳しくは👇。
最初胡散臭さを感じたものの、実際にイベントに参加。一般社団法人ベンチャー型事業承継 代表理事の山野千枝さん(@jill1000nenji1)に連絡後、即座に「君に決めた」と思い、修行がスタートしたのです。
当団体の説明は割愛しますが(詳しくは👆のHP見てね)、当時の業務としては北は北海道、南は沖縄まで日本全国で売上・利益ともに数十倍~数百倍まで成長させたアトツギ経営者とお会いして、若かりし当時に何をしてきたのかを当事者目線で聞き、記事やイベントで発信することで、これから自分がぶつかるであろう壁を事前に学べる最高の環境でした。
今でも、相談乗ってもらえてますし、本当にかけがえのない方々とお会いできました。当時関わっていただいた皆様、本当に感謝です。
しかも、入社した時は5名の組織、かつ設立してホヤホヤだったので、MVVの整理、ビジネスモデルの立ち上げ、財務…etcまで経営の中核に入って、色々経験させてもらいました。
当団体でのことは別記事でまとめようかと思いますが、今を生きる現役アトツギ限定のコミュニティ『アトツギファースト』で仲間作りやアイデア出しができるので、アトツギなら是非チェックいただければ、と思います。
そして、当団体で過ごすこと1年。私が修行中の間、家業で事件が起こったのです。
毎日泣いて帰ってくる嫁を救うべく、家業フルコミット
その事件は突然起きました。そう、中小企業あるある”社員の集団退職”です。
前々から、中核社員が営業の一環で賄賂を受け取っていたようで、社長(義父)にバレて大喧嘩に…当たり前ですが、その中核社員は辞めることになりました。
そして、その中核社員の思想を強く受けていた社員一斉に辞めることになり、取引先案件も減ることになり、社内はカオスな状況になりました。
「この会社、もう潰れるに違いない...」
「給与払われなくなるんじゃないか...」
「社長、何やってんの…もっとうまくまとめられたんじゃないの...」
など。社内から不満が爆発してた記憶があります。
そして、その暗黒面を一身に受け止めたのが嫁でした。
敗戦処理と思しき事務処理をこなし、社員の不平不満を受けて、毎日朝早くから夜遅くまで仕事して、泣いて帰ってくる。
そんな毎日で嫁は憔悴しきってました。
そんなある日、とうとう嫁も限界が来たのか、
嫁「たすけてぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇえぇぇぇえぇぇぇぇ」
と声にならない声で泣き崩れました。その一言を聞いて頭の中で怒りのスイッチが入った私は社長(義父)に怒鳴り込みに行こうと思いました。
「うちの嫁に雑務押し付けて、何平気な顔してるんですか?(怒)」と。
...とは言え、私はまだ修行で外に出てる身。まだ中に完全に入ってない状態。その状態で社長(義父)に批評家っぽいこと言っても
義父「まだ中に入ってもないのに、何を偉そうなことを!」
と言われるのが関の山。
どっちにしろ、家業に入ることは決めていた&修行で一定の成果を出し色んな情報も吸収してきた、ということで家業にフルコミットする時期なのか、と思い、社長(義父)に啖呵を切りに行きました。
私「社長、このままだと嫁、精神的にやられて死にます。外から見ても異常な状況なので、色々と整理させてください。嫁の仕事量を減らせるよう、私手伝います。もちろん、この業界のこと無知の状態なので、しっかり勉強します。」
当たり前ですが、すぐにOKサインが出るわけもなく…。「乗っ取りだ」「婿の分際で」みたいな感情的なことを言われ、殴り合いになるかと思いましたが、社長(義父)からも最後は「言う通りにします。お願いします」という一言で幕を閉じました。
そして、とうとう家業にどっぷり浸かることになったのです。
悪者(ヒール)になってでも変えなきゃいけない
家業にフルコミットしても、社内の雰囲気は相変わらずどんよりとしてて、
「会社がこんなヤバい状況で、また身内来たよ。しかも婿とか...(苦笑)」
「畑違いの業界から何しに来てんだ、嫁のヒモ入社か...(笑)」
「何だ、アイツ!?俺は信用しないぞ!」
という陰口が聞こえてきました(👇な感じのこと言われたこともあるよ)。まぁ社員からしたら、もっともだと思いますが...
そんな中、私が一番最初に手を付けたのは”現場をひたすら回ること”。職人と同じレベルになるまでには10年単位で現場にいる必要がありますが、少しでも職人の気持ちを理解するために、言いたいことを言語化するために朝5時~夜8時まで現場に通い続けました。
週4ペースで社員と飲みに行ったり、1on1での面談もしましたね。
そんな生活を3か月も続けると、課題感が見えてくるもので、私が一番気になったのは社員の誰一人として「決める」という行いを明言しないこと。
現場で打ち合わせをしても、事務所で会議をしても誰がボールを持ってるかわからず、うやむやになる。
うやむやな状態で作業して、ミスしたら、責任を押し付ける。そして、責任の押し付け合いが愚痴の言い合いになる。
その結果、会社の雰囲気が悪くなり、現場での事故が増え、若手が採用しにくくなり、営業も取りにくくなる。
負のフィードバックに陥る。
これが会社の中で当たり前になってて、気持ち悪さを感じました。
「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」「どうやって」という5W1Hを決めるだけで、責任の押し付け合いが減って、愚痴が減る。
それだけで、会社の雰囲気は変わり、現場事故は減り、人材採用はしやすくなるし、営業もしやすくなる。
そんなことも踏まえつつ、
課題を言語化する(管理表に記載する)→お願いする(最終責任決定者「社長」から責任者を指名する)→進捗確認する→改善点を探す→課題を言語化する→…(繰り返し)
という古の妙技PDCAサイクルを使い、現在、徐々にではありますが、愚痴も減り、会社の雰囲気も良い方向に回りつつあります。
しかし、良く回るほど、今までの濁った水にいる方が心地よかった人からすると居心地が悪くなるため、意味もなく恫喝されたり、靴を隠されたりもしました(小学生かよ笑)
変わることは労力を伴う、だから誰もしたくない、それはわかるけど、しょうがないよね。
だって、このままじゃ現場事故は増えるし、こんな会社に若い人は入ってこない、営業だって取れないんだから。
誰かが、悪者(ヒール)になってでも変えなきゃいけない。この会社を安定させて、もう二度と嫁が憔悴させないためにも、やるべきことはやらなきゃいけないのです。
さらに最近は家業のリソースを使って、解体事業、産業廃棄物中間処理、それに次ぐ第3の柱も育成中です。その話はまた別記事で書きます。。。
終わりに
ここまでのエピソードを他の人に話すと「武闘派だね」「思い切ったことするね」と言われます。
そりゃそうだ。こちとら、直系のアトツギと違って、幼い頃からの家業に対する思い入れがないわけで、世間一般的に無駄だと思うことは無駄って言ってしまう。
創業してから数十年経つような家業って、今どきの会社からしたら無駄の塊だらけ。
ただ、今でこそ無駄な部分と思えるけど、昔は必要不可欠だったのだろう。必要不可欠だった過去があるからこそ、大切に残しておきたいという感情はわからなくもない。
でも、VUCAな時代と言われる現代、我々の業界(解体業界、産業廃棄物処理業界)では無駄な部分を残してる会社は廃業を余儀なくされ、生き残れなくなってきている(と思う)。
だからこそ、世間一般的に正しい意見を言える人は貴重だと思うし、それができるのは子供の頃から家業に対する思い入れがない直系アトツギの配偶者ではないかと思ってます。
私の周りにも直系アトツギの配偶者(特に婿、マスオ)が多くいますが、武闘派、過激派ばかりです(👇のような記事もありました)。
ただ、逆に直系アトツギの配偶者って結構辛い思いすることも多い気がするんですよね…自分が育った環境とあまりに違うせいか義両親や古参社員と価値観が合わなかったり、酷い扱いを受けたりもするでしょう。
光が見えないトンネルを走ってる気分になることもあるでしょう。でも、いつかは「そんなこともあったな」と笑って過ごせるはず。
あまり肩肘張らず、切磋琢磨して、やっていきましょ。
辛い時はDMください。ラーメンでも食べにいきましょー(終わり方、雑)
※普段、Twitterを徘徊してます。よろしければフォローしてみて下さい
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