『ヨハネの黙示録』現時点での私の訴求ポイント:構成と内容(2)6章~ 3セットの7シリーズ(全体として)

前回(1)は、2-3章で挙げられる手紙の目的と続く幻の関係、そして冒頭4-5章の天の幻まで。今回(2)は、続く6章以降のポイントへ! 

  • (4-5章の幻も含め)ヨハネに示された幻の描写は直線的ではない。複数の伏線が、時差と幕間(挿入)をもって、絡み合うように展開(また消滅)する。喩えて言うなら、中世の教会の鐘の音になろうか。複数の旋律が徐々に、織り重なるような、時に畳みかけるような展開。交響曲のように、楽章という明確な区切りはない。実のところ、私たちの日常生活により沿った展開かもしれない。でも、抽象化された思考、またそんな文書に慣れた私たちには、追い難いこともままあり。それでも、丁寧に見ていくと、構成や流れがあり、関連づけのヒントが随所に置かれている。

  • 最も分かりやすいのは、6-16章で展開される3セットの7シリーズになる。6章から8章にかけて封印、8章から11章にかけてラッパ、15・16章の鉢である。そしてこれらのシリーズの間(特に最終部分)には長い挿入! 第7の封印(8:1)の前の7章、第7のラッパ(11:15)の前の10:1-11:13/14、そして、第7のラッパの後、7つの鉢がもたらされる前の第12-14章。一見すると、これらの挿入により連続性が損なわれているよう。でも、脈絡のないものではない。これら「幕間」にこそ、続くシリーズ展開を前に、敢えて流れを止めて提示されるべき教会への重要なメッセージが秘められている。挿入部を飛ばして流れを追うならば、それこそ秘められたメッセージを聞き逃すことに! 1,2,3・・・と順番を追うことが大切だった自分自身を振り返る。)

  • これら封印、ラッパ、鉢の3セットは、それぞれが独立、完結しているのではない。先の7つ目が、続く7シリーズの幕明けとなり、また抱合する。第7の封印が解かれると7つのラッパを持つ7人の天使が登場し(8:1, 6)、第7のラッパ(11:15)によって大きなしるし(12:1, 3; 15:1)をともない7つの鉢を持つ7人の天使が登場する(15:1, 5-8; 16:1)。そもそも巻物の封印が全部開かれてこそ、その内容を見ることができるもの・・・ と改めて。本題はそれから! ただし、本題の前を踏まえないと、本題の重み、そもそもの意味、必要性が分からない! ってことは多い。いや、大概のことはそんな気がする。(テストする意味、その学習内容の意義や背景を知らず、ただただテストで点数を稼ぐことに必死になるようなもの?)

  • シリーズ毎に被害の及ぶ範囲は拡大:1/4(封印)→1/3(ラッパ)→全部(鉢)。そして、人々の神様への心はどんどん頑なになり、悔い改めないだけでなく、呪うまでになっていくよう。(不思議? でもないかな・・・ こんなことを許す神様って!? という声はあふれてる。ひょっとしたら、神様は警告や助言を発してたけど、スルーしたかもしれない・・・ とはなかなか考えられないものだろう、私自身!) ちなみに、ラッパと鉢の間で、ちょっと触れられる7つの雷(10:4)は、1/2の被害をもたらすものだったと考えられる。でも、それについては秘めておけとのこと。実際に起こらないことなのか、あるいは、知ったところでどうしようもない、どうにもならないから放っておけということなのか。その前のラッパに伴う災禍ですでに明らかなように、どんなに災禍がもたらされようと、人々は変わらないから・・・ ということだろう。それより、ヨハネも教会も別のことに目を向けなさいと示される・・・ これは、後述するとして、次回は第1シリーズへ!

≪修正メモ≫
*2022/6/2 「てにをは」等の微修正、一部太字に変更
*2022/6/10 タイトル微修正
*2022/6/20 文章修正(要旨変更なし)

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