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オケヨという女・皇嗣家から嫁もらうまで、59年目の人生⑥~転校で感じたオケヨの戸惑い

第六話 藤沢・鵠沼への引っ越し

昭和50年、オケヨが小学校4年生になった頃、オケヨはピンク・レディーの踊りを覚えることに夢中になっていた。

「ペッパ〜警部〜〜🎶」

テレビの前で一生懸命に踊りながら、友達と振り付けを真似するのが何よりの楽しみだった。「渚のシンドバッド」「UFO」と、ピンク・レディーは次々と新曲を出し、クラスの女子たちはみんな熱中していた。

また、友達から毎号借りている少女漫画雑誌「なかよし」も楽しみのひとつだった。「キャンディ・キャンディ」を読みふけり、テリーが登場するシーンにときめく毎日。

昭和50年のキャンディキャンディはテリーが登場し始めたころ。単行本第三巻あたり。


ほとんどのクラスメートたちが持っているパティ&ジミーやスヌーピーの文房具・ハンカチ・マスコットなどを持つことはできなかったし、ピアノを習うこともできなかった。けれど、オケヨにとって横浜での小学校生活は、その後の人生の中ではまだ心穏やかな方だったのだ。

しかし、そんな日常は突然終わりを告げることになる。

電話帳を確認すると昭和45年からオケヨ宅では電話を設置していたよう。オケヨクラスの家としては電話導入が早い方だと思う。信仰の連絡やヤソの病気のために必要だったのか?


ある日、ウメコが深刻な顔で話し出した。

「社員寮が取り壊しになるんだってさ、全く急な話しでこまったね」

ウメコが勤務していた社員寮が解体されることになり、一家揃って住む場所を失ってしまったのだ。そこでヤソはネズの会に相談することにした。

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