ラインズ 平行線
心は近づいたと思ったら離れ、離れたと思ったら近づくこともあります。その不安定な距離は、まるで宇宙人と初対面した時のようでもあり、しかし、土から共に根を張って地上に飛び出した、双葉のように感じられるときもあります。
決して交わるはずのなかった二本の平行線が、何かのはずみで、小さく角度を変え、ほんの一瞬だけお互いをわかり合う刹那。しかしそれ以降もう二度と、二本の線が交わることはないのかもしれません。
その奇跡の一瞬を歓ぶことができるのか、その瞬間を通り過ぎたとき、もう二度と戻らない時間に後悔と寂念を抱くのか。
一瞬他者と心が通じ合う歓びと、それがいつかは終わってしまう哀しみと。
孤独であることに正面から向き合う勇気を持つことなどできるのでしょうか。
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