見出し画像

おかえりSATC!And Just Like That...

※この記事には「And Just Like That…」のネタバレがあります。※


あのレジェンドシリーズ「Sex and the city(以下SATC)」の続編「And Just Like That…(以下AJLT)」が遂に12/9 HBOmaxにて配信が開始された。
日本ではU-NEXTで今冬視聴できるそうだが、日程は未定。
私は現在国外に住んでいて視聴可能なので、高まる気持ちを抑えながらゆっくりひとり時間に見始めた。


結論から述べると、

正直、見なければよかった。。。

大好きなシリーズに対して、こんなネガティブな事を書いてブログに残すなんて本望じゃない。だけどこれだけは言わせてほしい。私はSATCをこよなく愛しているのだ。で、そんな人ほどこの感想が出てくるのではないかと思う。

どうしたって辛いサマンサの不在

映画SATC2の後、再集結する噂が幾度となく報道された。
しかし何度も浮上する続編への噂は実現には及ばず、2010年のSATC2公開から11年が経った。理由はサマンサ役のキム・キャトラルが出演を拒否してきたからだ。
SATCではメインキャラクター4人の女性のそれぞれの恋愛、人生模様を赤裸々に、リアルに描かれてきた。人々は彼女たちに共感し、自分と照らし合わせ、そして憧れる。彼女たち4人は、それぞれが人生の転機を迎えた時も一番近くで励まし合い支えあってきた(それはもう嫉妬するほど親友以上の親友であり続けるのだ)。

©︎GETTYIMAGES

中でもサマンサは、SEXに奔放な自己肯定力の強い堂々とした女性。周りは反対しても彼女だけは好きにしなさいと背中を押してくれたり、いざという時にとても頼りになる姉御肌。サマンサのすごい所は、相手を否定せず、でも間違っていることはハッキリと伝え、その全てに愛を感じられるのだ。

他の3人に対しては、あ〜あるある、グサグサっという痛みも伴う共感を覚えるが、サマンサに対してのそれはほぼ皆無、あるのは憧れである。

そんなサマンサを抜いての続編が決定し(キムが出演を拒否した詳細はここでは割愛する)、当初は「寂しいけどその後の世界が見られるだけで恩の字!楽しみ!」だった気持ちが、様々な記事(主にキムと、キャリーを演じるサラの確執について)が上がるたびに、こんなのを知った後で果たして新作を楽しむことができるのだろうか?という疑問に変わり、蓋を開けてみれば見たことを少し後悔することになってしまった。

何故かというと、現実世界で確執があった(とされる)2人の関係性が、物語の中でも同じ設定になってしまっていたのだ。

ep1の冒頭で、食事をする為集まった3人(キャリー、ミランダ、シャーロット)と偶然会った友人が、「サマンサは?」と聞く。彼女は仕事でロンドンに移住した。と3人。この設定は、実は見る前に知っていた。なので特に驚きはしなかったが、食事後キャリーとミランダが、キャリーとサマンサが喧嘩したことでサマンサがNYと3人の元を離れたという事実を話すのだ。
これにとにかくびっくりした。
だって、あくまでも物語の中では単純にサマンサ不在を流すためにロンドンに移住した設定にするんだと思っていたから。昨日電話したけど元気だったよとか、相変わらず楽しんでるみたいだよとか。そんな風に、サマンサの存在を消すことはなく深入りもしないストーリー設定だと思っていたから。。
そして何より、サマンサがキャリーを許せないことがあったとして、それは一体なんなのか、私には全く想像できなかった。一体何を言ったりしてしまったら離れるんだ?これまでもサマンサと真逆のシャーロットが真面目発言してサマンサをディスったりしたことはあったが、自己肯定力が高いサマンサ故、心外だわと言って見せていても、わかればいいのよハニー。と言って丸く収まって来たのだ。そんなサマンサが・・・?
なのでこの時点で私は、あ、これは現実世界における、サラ側が正しいということを含め、美談にしたいんだ?という意図をふわっと感じ取ってしまった。


なんと1話目でビッグが死ぬ。

これにはマジで度肝を抜かれた。
シーズン1から登場し、キャリーとくっついたり離れたりを繰り返し、無事に婚姻するものの、結婚式直前で問題が起こり破棄寸前まで行ったビッグ。その後晴れて夫婦になり、映画2作目では夫婦の在り方を証明してくれたのに。
SATCにおいて、4人の次に欠かせない存在が、いきなり死ぬのだ。サマンサとビッグのいないダブルパンチ。誰が想像しただろう?
(ちなみにお葬式シーンがあることは知っていた。とはいえ・・)
この時点で、一体製作陣は何をしたいのか疑心暗鬼になった。


さらに私にショックを与えたのが、ep2で執り行われるビッグのお葬式にて。当日、キャリーが式場に行くと、オーダーしていないお花が棺桶の上に飾られている。花は飾らないでと言ったのに、とスタッフに注意するキャリーに、こんなに素晴らしいお花が贈られてきたので飾るべきと。その送り主がサマンサなのだ。
スタッフから渡されたメッセージカードには、「Love, Samantha」の文字。それを見て納得し、そのままにしてと伝えるキャリー。
そして花を見ながらミランダとシャーロットが「going well(いい兆候だね的なニュアンスで)」うるうるしているシーンも続く。

もうなんなのさこれ??
これ私がキムだったら怒るよ?だってキムはサラとの確執は基、もう私はサマンサを演じきったからこれ以上はないとハッキリとメディアで発言しているのだ。それはいくら確執があったとはいえどリスペクトするべきではないのだろうか。なのに物語の中では、キムがサラを許す(ような)設定になっているのだ。(そりゃ現実世界でも関係が修復されることを望むけれど、あそこまでの深い亀裂はもう戻さなくてもいいんだと思う)


とはいえやはりワクワクはある

SATCの醍醐味といえばなんたってファッション。
特に主人公キャリーのスタイリングは、なかなか私達が普段するには勇気がいるような組み合わせや小物使いも素敵に着こなしてしまうのだから。

中年になった彼女達はシルバーヘアもオシャレに、コーディネートの一部。今ままでに登場しなかったキャラも含めてしっかりチェックしたい。
それから過去に登場した脇役もちらほら登場している。今後誰が登場してくるのか、何かサプライズがあるのか気になる所。(ビッグの死が最大のサプライズだったけど…)


毎週1話配信なので、現時点で見たのはep2まで。
果たしてビッグ亡き後のキャリーは、どうなってしまうのか。今を生きる彼女達それぞれの人生はどのように描かれるのか。不安と期待と、複雑だけど楽しみな気持ちと。最後まで見届けたいと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?