【LAiR's Artist】吉見 紫彩
吉見 紫彩
抽象画家、アートプロジェクトユニットYOMAFIG. 1990年 大阪生まれ、神戸大学大学院人間環境学研究科修了。
時間とともに作品の表象が変化する「熟成する絵画」シリーズや、 動物の寝息を集めた7インチレコード「peaceful sleep」等、抽象 と具象、有機と無機、自然と人工、意識と無意識を行き来する作品 を制作。
茶や塩、スパイス、化粧品、寝息、運といった一見不思議 な素材を使用し、不可知なものの集積や可視化を試みる。
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作品紹介
Title 「ritual」2021
Material Pastel, Sea Salt
Size (H100×W100×D20 mm) *5pieces
本作は、儀式(ritual)を「連続した時空間の流れを区切って結晶化したもの」 と捉え、儀式の作業・振る舞いを絵画上で表現したものです。
まずは複数のパネルを並べて「連続した流れ」を描き、その後それらを区切り、 画面を塩で結晶化させ、並べて描いていたパネルを切り離します。
今回、金沢での滞在制作を通して発見した金沢の特徴的な色彩(雨の多い風土での夕焼け色や日本海の霞んだ空と海の境の色、イソヒヨドリの体色等)をグラデーションで描き、その表面を珠洲地方で取れた「揚げ浜式」の海水天日塩で結晶化しました。
作品表面の塩の結晶が、時間や環境とともに再結晶・白化・膜化・剥離等、徐々にそ の姿を変化していくことも特徴です。
「絵画は作者の手を離れたらもう変化しないもの」という考え方もございますが、 本作では作者の手を離れても意図しないところで絵画が変化し続けます。
作品の性質上経年変化致しますので、お楽しみ頂けますと幸いです。
LINNASアーティストインレジデンス企画【LAiR】について
LINNASは「街の中のちいさな複合施設」として、その地域の中の人、外の人、様々な人が行き交うHUBにしていきたいと考えております。そのためにアーティストの方々が訪れる機会を創り、多様性を生み出していきたいと考えています。
また、ホテルとしてのコンセプトは「ヒュッゲ」を掲げています。ヒュッゲとはデンマーク語で「居心地の良い空間・時間」を意味する言葉です。宿泊されるゲストには、そんな豊かさを感じるひと時を提供します。そしてこの感情を、日常にも持ち帰っていただけたらと思います。
豊かな日常を分解していくと様々な要素があるかと思いますが、LINNASが提供したい「豊かな日常」の一つに「アートのある日常」があります。
家で過ごす時間が長くなった今、家の中にアートがあることで気持ちが明るくなったり、癒されたりするはずです。
LINNASではアーティストインレジデンスで滞在してくださったアーティストの作品をお部屋や共用部に飾っていくことで、宿泊する人たちに「アートのある日常を試着」していただきたいと考えています。