【LAiR's Artist】岡田真由美
岡田真由美
1997 東京都生まれ
2021 金沢美術工芸大学彫刻専攻 在籍
ー個展ー
2020 「真夜中の楽園で」 アートベース石引
ーグループー
2018 「触れてみる彫刻展」石川県立盲学校
「oterart金澤 2018」常松寺
2019 「 アキヤ」荒間毛糸店横空き家
2020 「かなまちAIR」金澤町家
作品紹介
レジデンス期間中は、ちょうど梅雨の季節だったように思います。あまり雨の印象はありませんでしたが、急に降ったり止んだり、金沢らしかったです。
私は、かなざわの雨をモチーフに、生活に溶け込んでいくような、在ることが当たり前になるような作品をつくることを目指しました。
かなざわにとって、雨はいつもあるものだという認識と、そこにもきっと何かが隠れていてそれをふとした瞬間に見つける事ができたらいいと思っています。
特別なものではなくて、日常のふとした瞬間、些細なことによって生み出されるというヒュッゲにつながるように制作しました。
この作品の、小さな光の変化の心地よさや、土という素材からくるあたたかさがわたしたちの生活の中でのヒュッゲを感じさせてくれるようになればと思います。
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(以外、詳しいコンセプト背景や制作に至るまでなど)
金沢の地にいること、住んでいるひとがいることは、そこに何かがあるからで、その中のヒュッゲを、まず見つけようと思っていました。
しかし、過ごしていく中でやはりこの地域の特性とここにいることにつながりを感じ、また他のアーティストの方とお話しする中で、金沢という地にあるイメージを知ることができました。そこで、やはり雨が多いことなどが挙げられ、雨は心地よく無いと思われるけれども、この地の特性であり、きっとそれだけでは無いし、そこにヒュッゲを見出すことを制作の基にしました。
雨を自身なりに捉えて、作品にすることで金沢の気候(今回の場合は、実は雨と雪など)をイメージできたらいいなと思いました。
この地にいること自体に心地よさを感じてほしいし、きっともっと、自分が、自分たちがここにいること、いる土地のことを考えることは、何かを大事にすることにつながるのだと思います。
人は地に足をつけて、その場所を意図的に、無意識的に選び、立っています。きっと、今自分がここにいることにも何か意味があるはずだと思っています。
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《素材について》
作品には、透光性磁器土と、アーティストの原口みなみさんと訪れた画材屋さんで出会った額縁を使用しています。
光を通す特性のある土でつくったいくつかの陶板は、光によって様々な風景を窓のような額縁からみせてくれるとおもいます。
また、今までは絵画のものだと思っていた額縁はとても奥行きがあり、まるで窓の外に広がる風景のように私たちに無限の景色をみせてくれるものだと思いました。
レジデンスに参加して、他のアーティストの方との交流があったから額縁に出会えたと思っています。
LINNASアーティストインレジデンス企画【LAiR】について
LINNASは「街の中のちいさな複合施設」として、その地域の中の人、外の人、様々な人が行き交うHUBにしていきたいと考えております。そのためにアーティストの方々が訪れる機会を創り、多様性を生み出していきたいと考えています。
また、ホテルとしてのコンセプトは「ヒュッゲ」を掲げています。ヒュッゲとはデンマーク語で「居心地の良い空間・時間」を意味する言葉です。宿泊されるゲストには、そんな豊かさを感じるひと時を提供します。そしてこの感情を、日常にも持ち帰っていただけたらと思います。
豊かな日常を分解していくと様々な要素があるかと思いますが、LINNASが提供したい「豊かな日常」の一つに「アートのある日常」があります。
家で過ごす時間が長くなった今、家の中にアートがあることで気持ちが明るくなったり、癒されたりするはずです。
LINNASではアーティストインレジデンスで滞在してくださったアーティストの作品をお部屋や共用部に飾っていくことで、宿泊する人たちに「アートのある日常を試着」していただきたいと考えています。