vol.1 【townsfolk coffee】香りと空間に思いを馳せて。コーヒーバッグから始まる1日
「HYGGE」には、暮らしをより楽しめるような、幸せになれるヒントがたくさん詰まっています。ホッとくつろげる心地よい時間とともに、自然と生まれる幸福感や充実感。心が満ち足りたその時、まだ味わったことがない感情に出会えるかもしれません。
「HYGGE Magazine」では、そんな日々の暮らしをより豊かにするヒントとともに、心がポッと温まる物語を旅人目線でお届け中。
vol.1は、毎日頑張っている自分へのご褒美に買ったコーヒーバッグにまつわる物語をお届けします。
日常からちょっと離れたくて訪れた金沢。ふと思い立ち、新幹線のチケットを取ってしまった。
金沢は雨が多いと聞いていたけれど、今日はポカポカ陽気が気持ちよい。こんな日は、あてもなくぷらっと金沢をお散歩しちゃおう。
そう思い立った私は、せせらぎ通りを歩いてみた。さらさらと流れる川の音が心地よい。
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しばらく歩いていくと、公園の横にポツンと建っているコーヒーショップ「townsfolk coffee(タウンズフォークコーヒー)」を見つけた。
お散歩のひと休みはここに決定。
ドアを開けた瞬間、コーヒーの芳ばしい香りがふわっと漂ってきた。
「この場所がすき」
お店に入ってすぐにそう感じた。
大きな窓のそばに腰掛けながら、注文したハンドドリップコーヒーをゆっくりと味う。
「コーヒーってこんなにも綺麗な色をしていたっけ……」
濁りのない、キラキラと透き通ったコーヒーが美しい。
目の前の交差点を通る自転車や公園をぼんやり眺めながら、美味しいコーヒーをいただく。そんな時間がなんとも愛しい。
旅に出ていながら、金沢の日常に溶け込めた気がしてなんだか嬉しかった。
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ホテルに戻り、今日あった出来事をスタッフさんに話す。
嬉しそうに話す私に差し出してくれたのは、「townsfolk coffee」のコーヒーバッグだった。コラボレーションして、オリジナルロゴ入りを販売しているんだそう。
コーヒーバッグならば、忙しい朝でもお湯に浸すだけで簡単にコーヒーを淹れられる。あの心地よい時間を思い出すにはピッタリのアイテムだ。自分へのお土産に、いくつか買って行こう。
翌朝、ホテルのシェアキッチンで昨日購入したコーヒーバッグを試してみた。
「いい香り……」
シェアキッチンにふわりと漂う香りに引き寄せられるように、宿泊しているゲストが集まってきた。コーヒーを話題の種にしながら、どんどん話が膨らんでいく。
「なんて温かい朝なんだろう」
幸せの連鎖ってきっとこんな感じだ。心がぽかぽかした朝だった。
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自宅に戻ってからは、忙しい日々が続いた。
そんな時にふと、金沢で買った「townsfolk coffee」のコーヒーバックの存在を思い出す。
「あの素敵な時間を思い出したい」
気づいた時には、コーヒーバッグを手に取り、お湯を沸かしていた。
「いい香り……」
コーヒーの香りが部屋を満たしていくなかで、金沢で過ごした温かい記憶が一気に蘇る。
「忙しい朝だからこそ、ホッと落ち着くこの時間を大切にしないとなあ」金沢に思いを馳せながらそんなことを思った。
今日も一日頑張れそうだ。