vol.2 【Kuumus】サウナで「整う」を体感しに。金沢での楽しみ方を見つけた夜。
「HYGGE」には、暮らしをより楽しめるような、幸せになれるヒントがたくさん詰まっています。ホッとくつろげる心地よい時間とともに、自然と生まれる幸福感や充実感。心が満ち足りたその時、まだ味わったことがない感情に出会えるかもしれません。
「HYGGE Magazine」では、そんな日々の暮らしをより豊かにするヒントとともに、心がポッと温まる物語を旅人目線でお届けしています。
vol.2は、金沢在住のサウナ初心者が、プライベートサウナ「Kuumus(クームス)」でサウナを楽しみながらすっきり気分で過ごす休日の物語をお届けします。
金沢に住んでいながら、金沢のホテルに泊まるのは今回が初めて。
すべては東京に住んでいる友人の一言から始まった。
「金沢にプライベートサウナを楽しめるホテルができたらしいじゃん!今度、金沢に遊びに行くからそこに一緒に泊まろうぜ」
どうやら、近江町市場の近くに最近オープンした「LINNAS Kanazawa(以下、LINNAS)」という複合施設のことを言っているらしい。
フィンランド式サウナ入浴法である「ロウリュウ」を楽しめる宿泊者専用のプライベートサウナだということで、サウナ好きの間で話題になっているとのことだった。
今までサウナには無縁だった僕。せっかくの機会なので、サウナ好きにの友人に便乗してみることにした。
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金沢旅行の日がやってきた。男3人旅の幕開けだ。
まずはチェックイン。金沢のホテルで宿泊するのは、なんだかドキドキする。
サウナの時間までは「LINNAS」の周辺を観光した。近江町市場で海鮮丼を食べるという体験も初めてだった。
「金沢には、自分がまだまだ知らない景色があるんだなあ……」
東京から来た友人と一緒にまわっているからだろうか。金沢にいるはずなのに、どこか遠くに旅行に来たようでわくわくが止まらなかった。
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「LINNAS」に戻り、楽しみにしていたサウナの時間がきた。
「LINNAS」のプライベートサウナ「Kuumus」では、サウナ、ジャグジー、テラス席を2時間貸し切りで楽しめるらしい。
裸になった僕たちは、早々とサウナの扉の向こう側へ足を運んだ。
地元の棒茶を使ったロウリュウ用エキスをサウナストーンにかけると、「ジュワッ」という音とともに、棒茶の香ばしい香りがふんわりと広がっていく。
同時に、サウナ内の温度も一気に上がった。
「暑い……。この空間耐えられないかも……」
ムワッとまとわりつく空気に、すぐに心が折れそうになる。
でも、サウナの醍醐味はここからだ。
サウナでは、「サウナ」→「水風呂」→「外気浴」を3~5セット繰り返すと整ってくるらしい。
これを耐えれば、きっと味わったことのない気持ちよさに出会えるはず……。
サウナに入って10分が経った。
次は水風呂だ。
「うわっ。冷たい……」
一気に水風呂に入った僕は、びっくりしすぎて思わず声が出てしまった。
一気に冷えたからだろうか。体中に血が駆け巡っていくのがわかった。
最初は慣れなかった水風呂も、3回目には冷たさを感じなくなり、なんとも言えない快感に変わっていく。
肌の表面に”ぬるい膜”ができたような不思議な感覚だった。
そして1番好きだった時間が外気浴。
夜風にふかれながらボーっとする時間があまりにも気持ちよくて……。
「夜風が肌を優しく撫でている」
そんな表現が自然と出てきてしまう自分にびっくりしてしまった。
だんだんと、すべての感覚が研ぎ澄まされて、思考がクリアになっていく。いつもより五感が敏感になっている気がする。
「ジー……」
初夏に鳴くこの虫の音ってこんなにも安らぐ音だったっけ。夏の夜の匂いを感じながらそんなことを思った。
天にも昇るようなふわっとした感覚があまりにも気持ちよく、無言になる3人。そこに言葉はなかったけれど、さらに絆が深まった気がしてうれしかった。
ほどよい疲労感と充実感を感じながら、僕たちはサウナをあとにしたのだった。
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部屋に戻り、最近は仕事ばかりしていたことに気が付く。疲れているときこそ、サウナでのリフレッシュが必要なのかもしれない。
またひとつ、金沢での新しい楽しみを見つけてしまった。ソロサウナもできるらしいから、今度はひとりでもゆっくりサウナを楽しみにきたい。地元の友人を誘って泊まりくるのもいいな。
「きっと、あいつもハマるだろうなあ」
ニヤニヤしながらそんなことを思った夜だった。
▽「LINNAS Kanazawa」のサウナ【Kuumus】の詳細はこちらから
https://www.linnashotels.com/sauna
text:土屋香奈