「摂取したビタミンは腸の免疫反応やバリア機能を調節する」 今週の新着論文(2021.12.6~12.10)
年末に向け、人の動きもどんどん活発になってきているように感じます。打ち合わせや面談もWEBだけでなくリアルに行う機会も増えてきました。やはり直接会ってお話することで刺激になりますし、自分の頭の中も整理できて楽しいですね。手がけてきたいくつかの商品も年内に納品が無事に完了できそうで、ひと段落できそうです。
本日は今週アップした論文のなかから、食事で摂取したビタミンは腸の免疫反応やバリア機能を調節してくれている、という情報をお送りいたします。
◆2021年12月10日
【Review】摂取したビタミンは腸の免疫反応やバリア機能を調節する(スイス)
▶論文情報
Vitamins, the gut microbiome and gastrointestinal health in humans
Nutr Res. 2021 Oct 21;95:35-53.
発行日:2021年10月21日
◆概要◆
一部のビタミンは大量に摂取した場合や大腸に到達した場合、常在菌の増加(ビタミンA、B2、D、E、β-カロチン)、微生物の多様性の増加または維持(ビタミンA、B2、B3、C、K)および豊かさの増加(ビタミンD)、短鎖脂肪酸の産生量の増加(ビタミンC)、または短鎖脂肪酸産生者の増加(ビタミンB2、E)など、腸内細菌叢を有益に調節することが示されている。
また、ビタミンAやDのように、腸の免疫反応やバリア機能を調節し、胃腸の健康やマイクロバイオームに間接的に影響を与えるものもある。
◆Pickup Point◆
食事として摂取したビタミンが腸にどのような作用を及ぼすかを詳細にまとめた論文で大変参考になります。
論文のなかで、ビタミンB群について以下のように記載されています。
ビタミンB6の推奨一日摂取量(RDA)の86%、ビタミンB9(葉酸)の推奨一日摂取量(RDA)の37%、ビタミンB12の推奨一日摂取量(RDA)の31%、ビタミンB3(ナイアシン)の推奨一日摂取量(RDA)の27%が、ヒト腸内細菌叢によって供給されると推定している。ビタミンB2については腸内細菌叢から得られると推定されたのはRDAの3%のみであった。
ということは、
微生物によるビタミンの産生は、宿主の健康状態に応じて変化することが最近明らかになった。IBD、栄養失調、および2型糖尿病などの代謝障害のある患者では、内在的な産生の低下が認められた。
ということで、腸内細菌が作り出しているビタミンB群は、宿主にとってかなり重要な供給源であると言えそうです。
腸内細菌は、短鎖脂肪酸だけでなく、このようにビタミンも産生し、自分の身体に栄養を与えてくれている、と思いながら食事を摂ってみてください。
そのほか今週アップした論文は以下の通りです。
参考にしていただけると嬉しいです。
◆2021年 12月10日 【腸機能】
【Review】摂取したビタミンは腸の免疫反応やバリア機能を調節する
◆2021年 12月 9日 【メタボリックシンドローム】
【コホート研究】EPA+DHAと魚類の摂取量が多いとCHD死亡リスクは低下する
◆2021年 12月 8日 【妊婦・産後】
【Review】妊娠中のセレン、亜鉛、銅などの微量元素と出生体重とは関連している
◆2021年 12月7日 【脳機能】
【in vivo】全身性エリテマトーデスの抑うつ症状に細胞老化が関与
◆2021年 12月 6日 【歯科】
糖尿病と診断されたオーストラリアの成人は歯周病の影響についての知識が少ない
12月7日に取り上げた論文は、札幌医大からの発表ですが、近ごろ、「細胞老化」や「老化細胞」、「Senescent Cell」と言ったワードが見られるようになってきており、鬱だけでなく、脳機能障害はこの細胞老化が原因の一つであるといわれ始めています。
アメリカでは、この老化細胞を除去する薬「Senolytics」の開発が進められているとのこと。
Senolyticsについては、また改めて詳しくご紹介したいと思います。
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これまでの経験を踏まえ、できる範囲でお応えしたいと思いますので、コメントいただければと思います。