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Linksys Velop WRT Pro 7 日本語セットアップガイド WiFi関連設定編

はじめに


Linksys Velop WRT Pro 7はOpenWrtを搭載した世界初のホーム&ビジネス向けプロフェッショナル WiFi 7 ルーターです。
一般的な市販WiFiルーター同等の操作感はそのままに、オープンソースならではの拡張性とメンテナンス性で末永くご利用いただけます。世界各国のISP事業者にWiFiルーターを供給するLinksys製品なので耐久性も抜群です。
工場出荷時点で通電チェックをしたのち初期設定済みだから、多くのインターネットサービスでは通電するだけですぐに使えます。ここでは追加設定が必要な場合に備えて詳しく解説していきます。


工場出荷時の設定について


Velop WRT Pro 7は工場出荷時点でOSインストールとハードウェアへの最適化、初期設定を行った上で動作確認をしています。(※OpenWrtでは本来これらの設定はすべて自分で行う必要があったため、設定が難しいとOpenWrtが敬遠される原因になっていました。)
WiFiのSSIDとパスワード、本体のログイン名とパスワードもそれぞれのユニット毎に固有のものを設定済みです。初期IPアドレスは192.168.1.1です。

ルーター本体をリセットボタン長押しで初期化した場合も、工場出荷時の設定に戻ります。

工場出荷時の設定内容は、ルーター本体底面のラベルで確認できます。

Velop WRT Pro 7 本体底面ラベル

SSIDの変更方法


① WEB管理画面にログインします。初期IPアドレスは192.168.1.1です。

WiFi接続経由でもSSIDの変更はできますが、変更直後でつながらなくなるため不慣れな場合は有線LANケーブルでの接続をおすすめします。

② 上部メニューの Network > Wireless へ進みます

③ 変更したい周波数帯のSSIDを選び、Editをクリックします

wifi0は2.4GHz帯です

wifi1は5GHz帯です

wifi2は6GHz帯です(iPhone16など6GHz帯を利用できるデバイスが必要です)

④ 新しいSSIDを設定してSAVEをクリックして変更を保存します

⑤ Wireless SecurityのタブでKey(パスワード)を変更します。暗号化方式もここで変更可能です。最後にSAVEをクリックして保存します

⑥ ワイヤレスインターフェースの全体画面に戻ると、"Interface has 4 pending changes"のように変更内容が適用待ちの状態になっているので、Save & Applyをクリックして確定適用します

⑦ WiFi関連サービスが再起動するまで2~3分かかります、その間WiFiはつながりません。再起動が完了すると新しいSSIDがデバイス側から検索可能になるので繋いでください。

 WiFI引越サービスではありませんが、ルーター買い替え前に利用していたSSIDとパスワードに変更すると、ほとんどのデバイスはそのままつながります。また、周波数帯別にSSIDを変更することでIoTデバイスのみ2.4GHzを利用、そのほかを5GHz & 6GHzだけで使うといった分け方も可能です。

WDS接続の設定方法


OpenWrtのWDS(Wireless Distribution System)は、複数の無線ネットワークデバイス間で通信を可能にする機能です。これにより、ルーターやアクセスポイントを無線で接続し、物理的なネットワークケーブルを使用せずにネットワークを拡張できます。WDSを使用することで、家やオフィスの広い範囲にわたってシームレスにWiFiを拡張し、クライアントデバイスが複数のアクセスポイント間をスムーズに移動できるようになります。メッシュWiFiを組む場合と違ってWDSの設定はとてもシンプルなのも特徴です。パフォーマンス的にWDSとメッシュWiFiでは多くの環境で明確な差は出ないかもしれません。

Velop WRT Pro 7専用のWDS接続設定スクリプトを用意しました。同モデル複数台をつなぐためのものです。ターミナルで「子機」に接続してスクリプトを実行してください。設定後、子機はブリッジモード (dumb AP)になります。設定したIPアドレスで管理画面ログイン、SSH接続は可能にしてあります。元に戻したい場合は初期化してください。
※WDS接続にあたり、親機側では特に追加で必要な設定項目はありません。

① ターミナルでSSH接続します、初期IPアドレスの場合はroot@192.168.1.1です

② rootパスワードを入力します、初期値はルーター本体底面のラベルを確認してください

③ ログイン画面が表示されます

④ root@OpenWrt:と表示されてコマンドが入力可能になったら、下記のWDS子機設定スクリプトを貼り付けてエンターキーを押してください

※Velop WRT Pro 7専用 WDS子機設定スクリプト(これをコピペして実行)

curl -sS -o /tmp/wds_setup.sh https://raw.githubusercontent.com/ikm-san/openwrt/main/wds/wds_setup.sh && sh /tmp/wds_setup.sh -v

⑤ 親機のSSID、パスワード、IPアドレス、子機のIPアドレスの入力をしてください、子機のIPアドレスは親機のサブネットに収まるように、末尾192.168.1.1のグループに属する192.168.1.2にするなどしてください、入力した値を確認して間違いなければ"y"を入力して確定します

⑥ WDS自動設定スクリプトが子機の設定を行い、再起動の確認メッセージが表示されます、"y"を押して再起動したら完了です

⑦ これでWiFiネットワークが複数台に広がりました、子機のLANポートに有線接続して使うことも可能です

WDS接続スクリプトは6GHz帯をバックホールとして利用しています。デバイス接続用のSSIDは親機と子機で同じになるため、ユーザーは特に意識して接続先を切り替える必要もなく自動的に切り替わります。ご家庭や事業所、学校、カフェといった用途にぴったりです。

メッシュWiFiの設定方法


現在LinksysではMXシリーズ互換のメッシュWiFi機能を鋭意開発中ですので、それまでWDSを利用してください。※ファームウェアには開発者向けにメッシュWiFi実装関連のサービスが含まれています、これらを利用することでeasymesh有効化も可能だと思います、ご興味ある方挑戦お願いします。

WWAN接続(WiFiにWiFiする)設定方法


OpenWrtならではというか、一般的なWiFiルーターでは意外とできないワイヤレスWAN接続です。既存のWiFi環境をインターネット回線のWAN接続先として設定し、新たにSSIDを作って提供する方法です。元々のWiFi環境をさわることが出来ない場合や、設定変更したくない場合、ゲスト用など一時的にguest WiFiを立ち上げるためにVelop WRT Pro 7を設置したい場合などに有効です。ビジネス用途で結構需要がありますし、家庭でも既存のWiFi環境(例:NTTひかり電話ホームゲートウェイのWiFi機能)はそのままで上階やすこし離れたところにOpenWrtルーターを設置してWiFi電波を拾って拡張するといった使い方ができます。

① WEBブラウザでLuci管理画面に入り、Network > Wirelessを選びます

② 接続したい周波数帯のScanを選んでクリックします

③ 接続先のSSIDが表示されたら、Join Networkをクリックします

④ SSIDのパスワードを入力します、firewal-zoneはwanに指定します、最後にSubmitをクリックします(他の項目はチェック不要です)

⑤ Saveして設定変更を保存します

⑥ 選んだSSIDがClientモードで追加されていることを確認し、Save & Applyをクリックして実際に反映します

⑦ Network > Interfaceの画面でwwanが追加されていることを確認しておわりです。

複数WANが有効になっていると上手く通信できない場合があるため、必要ないものは削除するか停止させてください。mwan3を使って複数のWAN回線を生かしつつ冗長化することも可能ですが設定難易度が上がります。

本体の初期化(工場出荷時の設定に戻す)方法


■ リセットボタンを利用した物理的な初期化する方法

  1. 通電中に本体底面にあるリセットボタンを10秒程度長押ししてください。

  2. 本体上部のLEDインジケーターが赤色点灯を経て青色点滅に切り替われば、初期化を経てリブートが始まっています。

  3. LEDインジケーターの青色点滅が収まり、白色・赤色・青色いずれかの点灯になれば、再起動終了です。

■ ターミナルからCLIコマンドで初期化する方法
ターミナルでSSH接続して、以下のCLIコマンドを実行します

firstboot && reboot now

■ WEB管理画面からブラウザ操作で初期化する方法
Luciにログインした後、System > Backup / Flash Firmwareへと進み、Perform Reset (赤色ボタン)をクリックします

このメニューでは、Backup > Generate archiveを選ぶと現在の設定を保存可能です。また、復元はRestore > Upload archiveで復元できます。追加でインストールしたopkgパッケージは含まれません。

本体のスペック詳細


Linksys Velop WRT Pro 7の主な特徴、ハードウェア仕様です。詳細な情報はLinksys公式サイトより取得してください。

主な特徴

  • Wi-Fi 7 802.11be トライバンド / 2x2x2空間ストリーム

  • Qualcomm IPQ9554 1.5 GHzクアッドコアプロセッサ搭載

  • メモリ1GB DDR4

  • IPoE IPv4 over IPv6 接続は専用スクリプトで動作確認済
    (v6プラス、OCNバーチャルコネクト、BIGLOBE IPv6オプション等)

  • OpenWrt 19.07 QSDK仕様 Linux Kernel 5.4※1 インストール済み

  • 工場出荷設定で、ログインPW、SSID等の初期設定済み

  • LuciおよびSSH利用可能、各種拡張機能インストール可能

  • OpenVPN、Dynamic DNS、UPnP、MLO等実装済み

  • Bashスクリプトにより素早いキッティング作業が可能

  • GPL 2対応 ソースコード公開済

ハードウェア仕様

  • WLAN Qualcomm® QCN6274 and Qualcomm® IPQ9554 トライバンド
    2.4GHz b/g/n/ax - 1K QAM OFDMA
    5.0GHz a/n/ac/ax/be - 4K QAM OFDMA
    6.0GHz ax/be - 4K-QAM OFDMA

  • VLAN:対応

  • サイズ:9.51 cm x 9.51 cm x 21.79 cm(長さ x 幅 x 高さ)

  • 重量:950.24 グラム

  • ポート:
      1 × 2.5 Gbpsインターネットポート
      4 × 1 Gbpsイーサネットポート
      電源ポート 12V 2.5A

  • ボタンとスイッチ:
      リセットボタン
      ラベルなしボタン(予約/未設定)
      スライド式電源スイッチ

  • 製品開発(米国)、製造(ベトナム)

  • 製品名称:Velop WRT PRO 7

  • 製品型番:LN6001-JP

  • 技適認証、国内法令適合済み※2

  • 製品保証:3年間

※1QSDKとはQualcomm SDK仕様のことでOpenWrtをベースにQualcommチップセットの性能を最大限引き出すハードウェア アクセラレーションが効くようにチューニングされています。QSDK 19.07はLinux Kernelはver 5.4とOpenWrt 21.02相当まで引き上げられています。

※2当商品は国内法に適合するために無線電波出力等の仕様を一部調整したモデルです。日本国内専用のため海外ではお使いいただけません。また、電波出力の調整や地域コードの変更はできません。

法人様お問い合わせフォーム


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Linksys Velop WRT Pro 7 関連リンク集


Linksys Velop WRT Pro 7 日本語セットアップガイド 初期設定編

Linksys Velop WRT Pro 7 日本語セットアップガイド WiFi関連設定編

Linksysグローバル公式サイト(サイト下部に言語切り替え有)

Linksys公式サポートページ Velop WRT Pro 7(サイト上部に言語切り替え有)

Linksys日本公式ストア製品紹介ページ




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