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~小児がん患者のカコとイマ/白血病経験を経て伝えたいコト~

2022年8月11日(木) 13時〜15時30分開催🌸


【コミュニティ概要】

「医療学生が患者さんやご家族の想いを未来へ繋ぎ、笑顔の花を咲かせる」をコンセプトに活動。患者さんとご家族のリアルな声を医療学生が届けること。を軸にイベントを開催。ターゲットは主にがんと難治性疾患の患者と患者家族。コミュニティ内では、イベントで携わった疾患テーマをもとに「クリニカルラーニング」という勉強会も実施。

↓ 詳細はコチラの記事にて🌼


【ゲスト名】

◆入江真依さん (まいさん)
◆中平瑛子さん (ようこさん)

【ゲストプロフィール】

◉入江真依 (いりえ まい)
京都出身・名古屋在住。趣味はカメラを持って散歩すること。医療ソーシャルワーカー。小学校6年生の時に急性リンパ性白血病に罹患。その後、中学校3年生で特発性大腿骨骨頭壊死症、高校3年生でバセドウ病にも罹患する。

◉中平瑛子 (なかひら ようこ)
愛媛出身・広島在住。薬学部5年生。極度の激辛料理好き。小学校5年生の時に急性リンパ性白血病に罹患。現在は、患者さん、患者家族、医療学生、医療従事者の繋がりをつくれる場を作るべく、医療学生団体Links-milを立ち上げる。自分を一言で表すと「猪突猛進」。


【イベント要約】

今回は《小児がん》をテーマとして取り上げ、
以下の5つの項目ごとにモデレーターとゲストによる対談形式で実施。
自己紹介 発症・闘病時の体験談 今のわたしと未来のわたし 伝えたいこと

➀自己紹介

真依さん:小学校6年生の時に急性リンパ性白血病に罹患した。趣味はカメラをもって散歩すること。以前は看護師として働いていたが、小児がん治療が終わっても合併症などで苦しむ人の力になりたいと思い、現在は医療ソーシャルワーカーとして医療に携わっている。
ようこさん:小学校5年生の時に風邪のような初期症状が続き、病院を受診したところ白血病が発覚した。現在は薬学部に通い、がん患者さんに対して、医療者としてひとりの人間として出来ることをしたい

➁発症・闘病時の体験談

お二方とも、小学生で白血病に罹患してから人との縁や繋がりの大切さを感じたという。
真依さんは、宿泊学習や球技大会などみんなと同じことをやりたいという思いに対して、友達や先生が協力してくださったという。 
ようこさんは、副作用に悩まされたが、周りのサポートがあって自分のやりたいことをできるだけさせてくれたという。

➂今のわたしと未来のわたし

真依さんは、当たり前のことが当たり前にできなかったからこそ、小児がん、AYAがんと闘うみんなの居場所を作ってあげたいと考えているという。
ようこさんは、病院外でも医療従事者、患者さん、患者家族繋が繋がって、社会支援も合わせてアプローチ・フォローできたらいいなと、できることを模索しているという。

➃伝えたいこと

・小児がんのこと、小児がんサバイバーの「今」をたくさんの方に知ってもらいたい。闘病中のことはよく取り上げられるが、その後の合併症や副作用などの問題も抱えながら過ごしていることを伝えたい。情報としてもあまりないからこそ、目を向けて欲しい。
・「当たり前の事を大切にすること」。いつもできていたことができなくなったからこそ、当たり前について身に染みた。そんなに幸せって思わないかもしれないが、自分としてはこういう機会でないと感じることができないと思う。一度みなさんが振り返る機会になれば嬉しい。


【対談内容】

①自己紹介

【入江さん】
まい「小学校6年生の時に罹患しました。京都府出身で現在は名古屋在住、医療ソーシャルワーカーとして働いています。京都では看護師としても働いていました。小学校6年生で急性リンパ性白血病(ALL)に罹患、中学校3年生で特発性大腿骨壊死症、高校3年生でバセドウ病に罹患し、甲状腺の全摘しています。趣味はカメラを持って写真を撮ることです。」
かっちゃん「コロナが増えてきて、趣味の写真もなかなか楽しめないですよね。」
まい「今は基本家での生活ですが、落ち着いたらまたいろんな写真を撮りに行きたいです。」
かっちゃん「コロナが落ち着いたら行きたいところはありますか?」
まい「北海道や沖縄には行きたいです。」

かっちゃん「ALLの他にも、中学、高校と違う疾患にも罹患していたんですね。」
まい「バセドウ病は違うんですけれど、ALLのステロイド治療の満期合併症による特発性大腿骨壊死症でした。」
かっちゃん「股関節が壊死してしまうんですよね?」
まい「股関節の形は丸いはずなんですが、いびつな形で壊死してしまうので、そのまま足を使っていると関節がすり減ってしまって、人工関節に入れ替えています。今は経過観察中です。」
かっちゃん「バセドウ病の発病については、前兆はあったんですか?」
まい「バセドウ病について、私は自覚はなかったんですが、母の知り合いで同じような症状の方がいて、その方の症状と似ていたので小児科で甲状腺を調べたらすぐ診断が出ました。お茶をたくさん飲んだり、汗かきな感じはあったけれど、バセドウ病の症状とは思っていなかったです。しんどさの認識はあまりなかったですね。」

かっちゃん「ALLについてはどのようにして分かったのですか?」
まい「頭と左耳の後ろにできものができて、近くの皮膚科を受診したところ大学病院で検査をすることになりました。病理検査をして、1週間後に抜糸のために通院したらそのまま小児科へ紹介され1週間後検査入院することになって、さらに病院で骨髄検査で診断を受けることになりました。この時体調が悪いと言った症状はなく、できものをとっただけでした。採血では分からなかったのですが、骨髄検査の結果すぐに分かって、検査が遅れていたら症状が出ていたかもしれなかったです。」

 【ようこさん】
ようこ「出身は愛媛県。薬局実習が終わったところ。激辛料理と体を動かすことが趣味。新しい世界を知れた時が好き。」
いっちゃん「実習に行ってみてどうでしたか?」
ようこ「私も行ったところは患者さんが多いところ。日々いろんな疾患を勉強し、充実していた。薬局外での薬剤師の可能性を教わった。」


②発症・闘病時の体験談

【入江さん】
 
かっちゃん「副作用はそんなに感じなかったと伺っています。僕の実習での患者さんとのやりとりを振り返ると、副作用が出ている方が多かった気がしますが、まいさんは副作用はそんなになかったんでしょうか?」
まい「そんなになかった訳ではないんです。抗がん剤で吐き気や食欲不振のイメージがあると思いますが、私は腰痛や足の痛みが強かったです。痛みが強く出ていたので、よくさすってもらっていました。寛解導入療法の時に抗がん剤を使って治療をしたのですが、投与量にしては元気だったみたいです。先生からもそう言われました。体力があったから耐えられたのかなあ。一般的な副作用よりは痛みがあったかなと思います。」
かっちゃん「副作用に関して、ドキュメンタリーでは吐き気が強かったり、実習先では手が荒れたりと言った症状も聞きましたが、一番辛かった副作用はなんですか?」
まい「手が荒れた経験や気持ち悪さはなかったですが、何となくだるい、倦怠感と痛みがつらかったです。何かができている痛みではなく関節の痛みがあったのを覚えています。」
かっちゃん「痛み止めを投与してもとれない痛みもあると聞いたことがあります。」
まい「痛みの原因がなんなのか分からなかったので、気を紛らわせるしか方法がなかったですね。」
かっちゃん「患者さんがいかに痛みを感じずに治療していけるかが課題なので、医療従事者として考えるべき部分ですね。」

かっちゃん「いい友達といい先生方との出会いが印象に残ったと伺っていますが、特に宿泊学習での思い出が印象的でした。」
まい「小学校6年生から中学2年の秋まで治療をしていたんです。3月には元の小学校に戻って卒業、地元の中学へ進学しました。友達に入院することは伝えていたので、皆んなからたくさん励ましてもらいました。小学校の時は卒業アルバムの写真を入院前に写真を撮ってくれました。みんなは秋に取るからといって秋用の服を持って撮ってもらったことを覚えています。中学1年生での宿泊学習もいい思い出です。白血球の値も低い時期で、感染症にかかるリスクも高い時期でした。『本人が行きたいなら連れて行きます。』と、先生が医師に相談してくれて、感染対策について聞いてくれました。移動中のことや食事についてもいろいろと考慮してくださいました。移動は校長先生の車で行くなどしていただき、参加できることはさせてもらいました。友達と一緒の部屋で寝ることもできました。その後は治療しながら通学し、点滴の針は置いたまま授業受けて、また病院に戻ったりして過ごしました。」
かっちゃん「抗がん剤の治療中は病院から出られない印象でしたが、みんなと同じ事ができるのは幸せなんだなと感じました。」
まい「周りの皆さんの配慮が素晴らしかったおかげですね。」
まい「12歳の誕生日は病院で迎えました。誕生日の朝に、医師や看護師がバースデーソングを歌いながら、フォトブックをプレゼントしてくれました。24時間サポートして下さっていたから余計嬉しかったです。」
かっちゃん「まいさんの幼少期の体験、周りの方の人の良さ、看護師さんの良さが、この後まいさんが医療従事者になるというところで重要だったんだな、と感じます。」

【ようこさん】
いっちゃん「ALLのきっかけは?」
ようこ「毎日の発熱が二週間あった。熱は朝は下がり、夕方に上がる感じ。冬の時期でインフルエンザは陰性だった。地元で検査入院したところ、白血球数の異常から大学病院で診断して発覚した。」
いっちゃん「発色する輸液に興味をもつとは?」
ようこ「私は副作用に悩まされた。吐き気や脱毛、骨粗鬆症に小学生でもなりかけた。眼圧が下がったり、肝機能のダメージも大きかったりした。病気のことを気にしながら学校生活を送らなければいけなかった。抗がん剤治療中、輸液は透明なイメージだったが発色する輸液があり、興味を持った。母も医療従事者であるため、教えてもらいながら治療していた。」
いっちゃん「副作用で口内炎もひどかったりする?」
ようこ「口内炎がひどいとご飯も食べられないし水分をとるのも難しい。氷を口に入れて常に冷やしておくと口の開きも違うし、口内炎の出来具合も違った。」
いっちゃん「中学まで外来がん治療で当たり前のことができないとは?」
ようこ「思春期のこともあって、周りの友達の理解もいろいろ。スポーツが好きだが体育が出来ない。掃除もみんなと違う。免疫機能が落ちているので学校生活で感染しうることがあるので当たり前にできないこともあった。」
いっちゃん「小児病棟はどうでしたか?」
ようこ「小児病棟で出会って今も連絡を取っている人もいる。『あなたががんになっているのは、あなたしか乗り越えられないから与えられているんだよ』この言葉をきっかけに辛いことがあっても気持ちの面で助けられている。小児病棟ではやりたいことをできるだけさせてくれた。七夕などのイベントも開催してくれたりした。」
いっちゃん「今でも連絡を取り合っている友達は一生ものですね。」
ようこ「薬学や美容系に行った人も。病気を分かるからこその絆もある。」

③《今》の私

【入江さん】
かっちゃん「闘病を経て『当たり前の日常が当たり前ではない。』と感じるということでしたが、今のまいさんは、日々の生活でどんなことを感じていますか?」
まい「入院すると家族と過ごせない、食べたい物が食べられない。当たり前に朝起きて、家族が居て、仕事に行って、という当たり前が当たり前でなくなったからこそ、何気ない日々に幸せを常に感じます。仕事に行きたくないと感じることもありますが、元気に仕事が行けるのは当たり前ではないんだな、とふと思うことがあります。」
かっちゃん「繰り返されると、気づけなくなってしまう自分がいるなと思います。患者さんと関わっていく職業につく学生だからこそ大切にしたいです。」
かっちゃん「まいさんの今の活動はどんな講演をされているのですか?」
まい「大学時代に、赤十字社の献血バスが来てくれたことがあります。友達の献血の付き添いで行ったのですが、自分は献血ができないということをスタッフの方とお話ししていたところ、『ありがとうメッセージを書いてみてくれない?』と誘われて赤十字社とイベントをすることになりました。講演会に行ったことがきっかけでドキュメンタリー映画への出演などもしました。学校の道徳や保健の授業でがん教育への参画も行っています。小児科の病気の子供達のキャンプにもボランティアとして参加しました。AYA世代の啓発ウィークに参加したりもしています。」
かっちゃん「活動していると、いろんな年齢層とのふれ合いもあると思いますが、言われて嬉しかった言葉はありますか?」
まい「自分が経験してきたことを人に話すことはなかなかありません。自分が経験したことを話すことで、少しでも何かを感じてくださったり、頂いた学生さんの感想文とかからも温かい言葉をいただくことがあります。印象的な言葉はたくさんあってその一つ一つが全部大切なものです。自分がやってきたことを認めて、肯定してくれる、家族との時間を大切にしようと感じてもらえたとき、自分が生きてきたことが役立つことが嬉しいです。」
かっちゃん「関わった方が、まいさんが家族を大切にしている話を聞いて、自分も大切にしようとしてくれるようになったことだと思うのですが、まいさんは普段どんな風に過ごしているのですか?」
まい「月に1回は実家に帰るようにしています。姉と4人で過ごす時間もずっと作れる時間ではないので、何気ないご飯の時間や、夫との普段の会話、次の休みや次の楽しみなどの何気ない時間があるから、毎日頑張れます。家族との幸せな時間に支えられているんだなと感じます。」
かっちゃん「前半の闘病時の経験談をお聞きして、今は幸せに過ごされているんだなと思うと心がほっこりしてきます。僕が薬剤師になったら、患者さんだけでなく家族の幸せを守りたい、と思います。」

【ようこさん】

ようこ「ご家族、医療者の架け橋になりたい。」
いっちゃん「団体をつくったきっかけ、入ったきっかけは?」
ようこ「コロナが流行ってオンラインイベントが盛り上がった。医療者の勉強会や、家族」を交えたイベントにも参加した。Links-milを立ち上げたときは一人でもやっていこうとしていた。そのくらい想いが詰まっている。今は仲間や、同じ思いを持った方とつくりたいものをつくれている。AYA cancer network projectの参加は最近。薬学以外でも携われたらと。Twitterでの活動の中で声をかけていただいた。」
いっちゃん「コロナが流行り始めてからオンラインイベント活性化しましたよね。オンラインだからこその繋がりや経験大切だと思う。」

④伝えたいこと

【入江さん】
『小児がんのこと、小児がんサバイバーの今をたくさんの方に知ってもらいたい。』
かっちゃん「今の小児がんサバイバーに対しての理解の現状はどうなのでしょうか?」
まい「闘病中のことは24時間テレビで題材になりやすいです。特にALLや小児がんは治る確率が上がっています。合併症にも注意しながら生きていく、副作用がないというのも難しいのが現状です。そして患者さんやその家族がこう言った経験について話す機会はあまりありません。収集できる情報も限られています。今は正社員で働いていて、元気で見られることは良いのですが、腰の痛みや妊孕性の問題など、合併症の問題も抱えながら過ごしていることを伝えていきたいです。ネットやSNSで闘病記を投稿されている方がいらっしゃいますが、寛解された後の話はあまり見受けられません。小児病棟にいる間は頭がつるつるで眉毛ないという副作用に対して、回復している姿を見ていないし、辛い時期が終わるのはいつなのか、退院してから普通の生活を送っていくことに不安を抱く子供たちやご家族の方が多いはずです。情報としてロールモデルがあれば展望が見えたかもしれません。自分が今を過ごしていて、講演活動だけでなくSNSで自分から発信してみようと思っています。今のサバイバーの子たちもそういう悩みがあるんだよ、と発信していくと理解につながっていくかもしれませんね。」
かっちゃん「確かに、話しのメインは闘病時のことであり、その後について触れられることは少ないように思います。自分ががんサバイバーと発信していくことへの抵抗はないのですか?」
まい「もちろんがんサバイバーの方々それぞれに得意、不得意があります。言語化して伝えることが苦手な人もいます。私はみなさんが自分の経験を話す機会を求めてくれている間は抵抗はないです。ですが私の意見だけなので、発信者がもっと増えると良いなと思っています。」
かっちゃん「『がん患者さんに寄り添っていける場所を作りたい』というまいさんの夢についても、発信する方がもっといれば僕たちももっと触れることができるので、発信する方が増えていってくださると良いなと思いました。」

【ようこさん】
いっちゃん「当たり前のことを大切にとあるが?」
ようこ「当たり前は当たり前じゃないことを身を通して体感した。闘病中、ハチミツ、生ものを食べられない時期がある。いつも食べていた家のご飯が食べられない。お風呂につかることができない。家に帰ってお味噌汁を飲んだ時に幸せを感じた。当たり前について身に染みた。一度みなさんが振り返る機会になれば良いなと思う。闘病中、毎日日記を書いていた。人間は、強い意志を持っても日々生活の中で弱まったりすることがある。カタチに残すことで想い起こし、助けられることがある。病気にかかわらず、記録に残すと良いと思う。」
いっちゃん「当たり前の事を当たり前にしているときは、当たり前に気づけない。しんどいとき記録という積み重ねが自分を支えられるものになっていくのだと思った。」

ようこ「医療従事者の方へ、小児に対しての伝え方(コミュニケーション)を今一度考えてもらえたらと思う。私は、家族が遠方に居て来院することが少なかったので、心の支えが医療者だった。言葉の伝え方を考えてもらえたらと思っている。学校行きながらの治療もある。自分の意見や想いを発する、相談するのも難しい。そういう心理的なところも医学や薬学と併せながら繋げられたらと思う。」
いっちゃん「入院中は、医療従事者と関わる機会が多いため、コミュニケーションは大きな影響を受けると思う。学生もそういうところも考えて行けたらと思う。」

⑤未来のわたし

いっちゃん「一番近い薬剤師とあるが?」
ようこ「自分の経験を通して、患者、ご家族も一緒にサポートできる人になりたい。家族のサポート、医療従事者のサポート、連携も大切になる。まだ貢献できることは少ないから、まずは薬剤師になれるように頑張っていきたい。」
いっちゃん「家族も一緒にという感覚は大切だと思う。」
いっちゃん「がんのプロフェッショナルに、というところは?」
ようこ「一つの通過点にはなるが、自分ががんに罹患したことで、患者や家族に貢献していきたいと思った。専門薬剤師や認定薬剤師を目標にしてまた頑張っていきたい。病態や薬学だけじゃなく、患者さんのバックグラウンドも考えながら接していける薬剤師になっていきたい。」
いっちゃん「アットホームな場所、アフターケアの場所については?」
ようこ「大学入ってから患者会などを知った。患者会も良いが、病院に抵抗ある子もいると思う。病院外でそういう場所、家族も繋がれる場所ができたら良いなと思う。社会支援、心の面、学校生活など辛さもみんな違う。共有できる場所を作りたい。アフターケアの場所は注目したいところ。学校や仕事の事って、病院では気にするところではない。病院から出てから気にするところ。社会支援も合わせてアプローチ・フォローできたら良いなと思っている。」


【質疑応答】

 Q.ヘアドネーションについての記事、良いことをしているイメージがあるが、マイナスの記事もある。どう思うか?
 A(真衣さん).ヘアドネーションはありがたいと思う。30cm切るって大変だと思う。時間とお金をかけてやろうと思ってくださってありがたいと思う。人からのほうが安くて傷みやすいのはあるが正直ありがたい。まず関心を持って下さることがありがたい。
 A(ようこさん).髪が長いほうが手入れが大変だと思うが、私たちからするとありがたい。私はウィッグを付けながら学校生活を送っていた。それがないとどうだったかなと考える。人工のものは分かる人には分かる。
 
 Q.白血病になって葛藤などもあったと思うが、服薬指導や人ととの関わりは?
 A.在宅の患者さんは積極的に担当していた。在宅だと自宅にうかがえる。どういう生活をされているのか、会話以外でも感じられる気づきはあった。聞く姿勢も、身近に感じてもらえるには、共感姿勢も五感も大切。
 
 Q.白血病は教科書でしか知らない。皮膚の病気から気づいたとのお話し。これはまれなこと?
 A.私が聞いた中では珍しい。通常、熱が出て、吐き気などから見つかるケース。皮膚科から見つかるケースは驚かれた。数%レベルかもしれない。

 Q.寄り添うのがキーワードだった。服薬指導に行くが、自分の持っていることを伝えないといけない。人に何か伝える時に意識していることとは?
A(真衣さん).MSW3年目、自分の経験を伝えることはあるが、どうしても指導になる。持っている知識を当てはめるだけでなく、その人を知ることにも気を付けている。
A(ようこさん).相手の立場になって、一度考えてみる。専門職からの視点だけでなく、一度客観的に立ったり、患者さん目線になったりするとそこから見えてくるものはあるのかなと思う。

【参加者・運営からの声】

◯参加者からの声
 ・ゲストさんの心温まるお話に胸を打たれ、涙が出そうになりました。
 ・医療従事者も「できない」を「どうしたらできるか」という視点に転換することが大切だと感じました。
 ・子供やご家族の立場に立って、支援者であり、伴走者でもある医療従事者になりたいと思いました。
 ・「何気ない日常、当たり前のことができるありがたさ」について考える貴重な時間となりました。
 ・自分が医療学生としてどのようなことが求められるのか考えさせられました。
◯運営からの声
 ・白血病を罹患した2人の話を聞き、医療人として学ぶことがたくさんありました。
 ・すごく勉強になり、楽しいイベントでした!
 ・罹患経験のある2人の生の闘病体験を聞くことができ、貴重な経験ができました!


イベント 集合写真



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