激しく運動する女性のビタミンC補給と免疫反応
アスコルビン酸(ビタミンC)の毎日の摂取は、高強度運動による運動誘発性の酸化ストレスと炎症を軽減するようだ、という研究報告。
研究チームは、18-22歳の運動不足の女性20名を対象に、クロスオーバーデザインのランダム化臨床試験を実施した。参加者は、ランダムに2群に分けられ、1,000mgのアスコルビン酸サプリを7日間毎日摂取するか、あるいはサプリをまったく摂取しなかった。7日後に高強度運動を行い、運動前、中、直後、24時間後の血中指標が測定された。1週間の洗い出し期間後に、もう一方の群のプロトコルを実施した。
その結果、アスコルビン酸サプリは、血漿アスコルビン酸レベルを統計的に有意に増加させ、運動後の血漿マロンジアルデヒドレベル(脂質過酸化の指標)を有意に低下させたが、クレアチンキナーゼ活性には影響しなかった。白血球、CD8+ T 細胞、および IL-6 レベルは運動後に有意に増加したが、アスコルビン酸サプリ群では増加が抑えられた。運動後、好中球数は有意に増加したが、貪食機能に変化はみられなかった。ただし、アスコルビン酸サプリの摂取によって運動後 24 時間の貪食機能がわずかに低下した。運動と アスコルビン酸サプリは CD4+ T 細胞には影響しなかった。
以上のことから、1 回の高強度運動は、酸化ストレス、筋肉損傷、炎症、および CD8+ T 細胞の一時的な増加を引き起こしたが、短期的なアスコルビン酸補給によって、IL-6 および CD8+ T 細胞の増加を制限することで、運動誘発性の酸化ストレスと炎症が軽減された、と研究チームは結論付けた。
出典は『The Open Sports Sciences Journal』
http://dx.doi.org/10.2174/011875399X302175240427094350