派遣社員の即日退社 許される?!許されない?! 手続きから流れを徹底解説!!
働いている上でのトラブルで「もう仕事には行きたくない!!」と思ったことはありますよね
特に人間関係のトラブルにおける即日退社については私も数多くみてきました
本来は、常識的なところで言えば1ヶ月前に退職を申し出ることが理想ではありますが、やむを得ない状況もあります
この記事を読むことで、派遣社員の即日退社は可能なのか?!、罰則はないのか?!、即日退社する準備と流れ、即日退社する際に気を付けなければいけないこと、をしっかりと理解することができます
ただし、即日退社する場合にはそれなりの覚悟、手続き、流れも知っておいた方が今後の就職活動にとって必要ですので、その部分も詳しく解説していきます
この記事で分かること
・派遣社員の即日退社について
・即日退社する為の準備と流れ
・【退職代行サービス】の活用手法
基本的には「即日退社」はお勧めしておりません
即日退社は、「派遣先」「派遣会社」「派遣社員」にとっても良い影響をもたらすものではありません
この記事では、やむを得えず、即日退社する場合の対処法について説明していますので、即日退社をお勧めする意図ではありませんのでご理解ください
そもそも派遣の即日退社は可能なの?!
結論から申し上げると、原則、派遣契約の期間中に辞めることはできません
ただし、条件付きで退職することができます
労働者の退職に関しては、民法で以下のように記されています
期間の定めがない場合、つまり正社員等のケースの場合、2週間前迄に退職の申し出が必要になります
期間の定めがある場合、つまり契約社員や派遣社員のケースは、
①「1年以上の労働契約期間がある場合」は辞めることができる、
②「やむを得ない事由がある場合」は辞めることができる、となっています
派遣契約の期間中でも辞められるの?!
そもそも、派遣契約の期間中で仕事を辞めることは可能なのでしょうか?!
原則、派遣契約の期間中に辞めることはできません
ただし、①「1年以上の労働契約期間がある場合」、または
②「やむを得ない事由がある場合」のみ、退職ができるとなっています
つまり、例外措置として上記2つの場合は、退職はできることになります
①の場合、正社員と同様の扱いになる、という解釈ですね
ですので、退職する際は、2週間前迄には申し出が必要となりますのでご注意ください
そもそも、派遣社員の雇用契約期間については、有期雇用契約の方が多いですね
※無期雇用契約の方もいます
原則、有期雇用契約の場合、期日が満了されれば、そこで雇用契約は終了となります
派遣の雇用契約書の【雇用期間】の欄に(例)2022年4月1日~2022年6月30日、のように記載があるかと思います
更新されなければ、2022年6月30日で終了ですね
この雇用契約の日付というものは、「企業側(派遣会社)としてその期間、労働者の雇用を保障します」という意味合いなんですね
ですから、企業側としてその期間の保証はしているものの、労働者側としては、「その期間は必ずしも就業を全うしなければならない」、という訳ではありません
原則は、契約期間を全うすることが必要ですが、やむを得ない事由の場合等においては、退職の申し出はいつでも可能、ということです
それでは、辞めたい旨の意思はいつ伝えれば良いでしょうか?!
通常、1ヶ月前までに派遣担当者へ伝えましょう
業務の引き継ぎ、派遣会社のことも考えると1ヶ月前には伝えることが良いでしょう
一般的な概念としては、1ヶ月前迄に申し出ることが理想です
企業側としては、あなたが退職するに当たり、後任者を選定しなければなりません
業務の引継ぎも踏まえ、1ヶ月の猶予が欲しい、というのが本音のところです
『やむを得ない事由』の場合は、即日解除が可能
また、やむを得ない事由がある場合、直ちに契約解除が可能、となっています
このやむを得ない事由、とはどういったことの場合でしょう
■怪我、病気で働けなくなった
■家族の看病・介護が必要となり、働けなくなった
■仕事内容が職場見学、顔合わせ時の説明と全然違う
■派遣先でハラスメント(パワハラ等)被害を受けた
■派遣先が労働基準法における違法行為を行っている
怪我、病気で働けなくなった
労災も踏まえた怪我の場合、また病気の発覚(即日入院治療が必要)、人間関係の悩みで不眠症が続いている、鬱症状、など
家族の看病・介護が必要となり、働けなくなった
急遽、母親の介護が必要な状況となり、自分しか面倒を看てあげる人がいない
仕事内容が職場見学、顔合わせ時の説明と全然違う
自分ではできない仕事、全く別ジャンルの仕事をやらされる、残業、休日出勤があるとは全く聞いていない
派遣先でハラスメント(パワハラ等)被害を受けた
派遣先の社員が、しつこくデートに誘ってきたり、ボディタッチをしてくる、権力をつかい、できない業務を強制的にやらせようとする
派遣先が労働基準法、派遣法における違法行為を行っている
派遣法に違法している(抵触日を全く無視している、等)サービス残業を強いている、指揮命令権を放棄している
以上のような理由が候補としては挙げられます
このやむを得えない場合においては、即日退社は可能ということですね
上記に挙げた事案以外にも様々なケースがあるかと思います
いずれにおいても、派遣担当者とのコミュニケーションの中で、しっかりと理解を得ることが重要です
※派遣更新されない予兆についてはこちらで詳しく解説しています
派遣で即日他社する場合の準備と流れ
続いて、即日退社する場合の準備と流れを見ていきましょう
事前の準備
即日退社をする上で事前の準備はとても大切です
ただし、事前の準備ができる場合とそうでない場合があります
事前準備ができない場合はほぼ以下の場合かと思います
・人間関係のトラブル
当日、派遣先の社員とトラブルを起こし、明日から一緒に仕事をできない状態になってしまった
・思っていた仕事と違っていた
職場見学を経て、入社したものの、入社1日目の仕事が終わり、自分のイメージした仕事とは違った(かなりハードな仕事、長期的にやっていけない、職場に嫌な人がいる、等)
上記のように、事前準備ができない場合は仕方ありません
■心構え
即日退社は、派遣先、派遣会社にとっては非常にネガティブなものです
自分に対してもマイナスイメージを与えることになります ※致し方ない場合は例外です
・派遣先、派遣会社の信頼度は低下
これは致し方ないでしょう
それも覚悟で行うことが必要です
・同じ派遣会社としては、次の仕事紹介先はない、と思っておいた方が良い
致し方ない場合は別ですが、自分都合の要素が高い場合は、「紹介はない」と考えておきましょう
・何回も即日退社をすると派遣会社同士のコミュニケーションで「ブラックリスト入り」してしまう
派遣会社の担当者同士でコミュニケーションを取っている場合があります
同じ地域・地区において、派遣担当者同時はライバルでもありますが、互いに効果的な情報交換をして、派遣担当者同士のコミュニティも存在しています
本来は個人情報の観点からNGではありますが、「うちで勤めていた◎◎△△は、セキュリティカードを持ったままバックレしたから、採用しない方が良い」などと内密なコミュニケーションを取っている可能性があります
・職歴へのダメージ
次の就職活動に向け、面接を受ける際は、前職の退職理由を聞かれるケースが多くあります
即日退社のイメージは退社理由にもよりますが、よろしくないイメージがあります
上記の内容を受け止める『心構え』が必要ですね
■返却物、回収物の段取り準備
現在、派遣先から借りている物(セキュリティカード、制服、名札、ロッカーの鍵、業務資料、備品、等)については、原則、返却するのが最低限のマナーです
派遣先に返す物、派遣会社へ返す物、それぞれ会社によって違いはあります
特に、制服は自分でクリーニングをして、派遣会社へ返却し、派遣会社から派遣先へ返却する場合もあります
私が担当していた派遣社員は、急に連絡が取れなくなり、仕事にも顔を出さず、借用物も全て持ったまま、行方不明になってしまいました
後日、自宅を訪問するも、もぬけの殻状態
大変苦労しました。。。
くれぐれも借用物を手元に持ったまま、バックレすることとのないよう、気を付けてください
後々、損害賠償請求をされる可能性があります
特に、セキュリティカードなどは管理が非常に厳しいため、派遣先から派遣会社へ返却義務を課している会社もあります
また、私物に関しては、即日退社日までには回収し、机、ロッカーの中は私物がない状態、できれば掃除して綺麗にしておくのが理想です
基本、退社日以降は派遣先には伺うことはない、と思うので最低限のマナーはしっかりとしておくべきです
■当日の段取り
ここは、退職の理由で様々なパターンがありますが、私が一番多く経験した、「人間関係のトラブル」で明日から出社ができなくなるケースを説明していきます
要は、平たく言うと「社員とのケンカで、明日からもう一緒に働けない、修復不可能な場合」ですね
■返却物、私物の整理・回収
帰社する際に、返却物、私物の整理をします
ケース1
1.就業後、帰る際に机の中、またはロッカーに、借用物を入れる(セキュリティカード、名札、備品、鍵)
2.鍵は開けっぱなしにして、ロッカーの鍵も入れておく
3.私物は忘れ物がないように、全て持ち帰る
ケース2
机、ロッカー、など借用物を入れるものがないときは、全て持ち帰り、後日派遣担当者へ返却する
派遣先からの借用物は必ず返却をしましょう!!
※返却しないと後日、損害賠償請求まで発展する可能性があります
■帰宅後、派遣担当者へ退職の申し出をする
帰宅後、派遣担当者へ即日退社の旨、伝える
※間違っても、派遣先の方に伝えてはいけません
※必ずその当日に伝えましょう
伝えないと、翌日からは無断欠勤扱いになります
派遣先、派遣会社からあなたに連絡がバンバン入ることは間違いないでしょう
あなたは、派遣担当者に伝えるだけで構いません
あとは派遣担当者が派遣先とあなたの情報を共有してくれます
翌日以降の段取り
派遣会社の担当者は、あなたからの即日退社の意向を、その当日、もしくはその翌日の朝に派遣先へ伝えます
派遣先との退職手続きに関しては、派遣会社へ任せておいて良いでしょう
■派遣会社へ返却物の手続き
翌日以降、あなたがすべきことは、返却物があるなら、派遣会社の担当者へ返却をします
派遣先の返却物、派遣会社への返却物(制服、健康保険証、名札、セキュリティカード、等)を派遣会社へ返却します
※派遣担当者と会いづらい場合は、郵送でも構いません
■関係各所へ連絡
今後の自分への影響を鑑みて、職場の知り合い(社員)や派遣社員へ退職の旨、伝えておいた法が良いでしょう
※特に信頼している人に対しては、状況を伝えておく方が今後の関係性も踏まえて良いかと思います
退職手続き 派遣登録削除
即日退社の理由にもよりますが、派遣会社から次の仕事の紹介がある場合、ない場合(登録削除)がありますが、ここでは派遣登録削除の場合を説明していきます
返却物を全て返したら、あとは、派遣会社からの退職手続き書類を待つだけです
・雇用保険被保険者証(雇用保険加入の場合)
・健康保険等脱退連絡票(健康保険加入の場合)
・離職票(発行までは時間がかかる場合あり)
・源泉徴収票(退職後に発行)
上記書類をもらったら、手続き終了です
自分で退職申し出ができない場合は、退職代行サービスを活用
以上、説明してきましたが、自分で退職の申し出を行うことに関しては、気が引ける人もいると思います
即日退社はそれ相当の理由がなければ、行わないですからね
派遣担当者に言ったら、退職を引き留められそう、トラブルになりそう、などと想像できる場合もありますね
そこで、活用できるのが、退職代行サービスです
ご存じない方も近年、この退職代行サービスが派遣社員の方でも活用されています
正社員の方だけではないのです
かくいう私自身もこの退職代行サービスを経験しました
当時担当していた派遣社員が依頼した業者からの連絡を受けました
退職代行サービスを利用する2つのケース
■自分で退職の申し出をすることができない
即日退社できる正当な理由があり、自信を持って主張できる場合は良いですが、場合によっては、自分都合の要素が大きく、自分で派遣担当者に連絡をして、退職したい旨を話すのことに気が乗らず、全て業者にお任せしたい気持ちになるケースもあるかと思います
話すことに勇気が要り、なかなか連絡をする気にならず、迷い続けてしまうケースです
迷い続けながら仕事を続けていくことは、注意散漫になり、業務ミス、労災事故の原因にもなりますので良くありません
早く解決した方が良いでしょう
■トラブルするのが嫌だ
「派遣担当者に言っても、理解されないだろう」という予測がつき、派遣会社担当者と話してもトラブルとなることが予想される場合です
派遣担当者によっては、性格上、なかなか退職させてくれない担当者もいます
何度かやり取りをしないと、退職させてくれないと予想ができている場合は、その時間を有効活用する上では代行サービスの活用は良いかもしれません
しかし、【原則は自分自身で退職の申し出を行うのが良い】のは言うまでもありません
自分の意思で仕事を始めたからには、自分の意思をしっかりと伝えて退職するのは、筋を通す意味でも必要なことだと考えます
それも理解しながらも、なかなか自分自身で伝えられない場合があるでしょう
その際に活用するのも一つの選択肢の1つとして良いでしょう