見出し画像

派遣会社のマージン率とは?! 知っておきたい派遣料金の内訳、大手派遣会社の相場を踏まえて徹底解説!!

『派遣会社のマージン率』、聞いたことはありますでしょうか?!

派遣で働く上では、自分の派遣会社のマージン率は知っておきましょう

このマージン率は、現在公開が義務となっており、派遣会社のHPで確認できるようになっています

派遣会社のマージンがどのように使われているかは、派遣社員で働く上で知っておきたいポイントでもあります

この記事を読むことで、派遣会社のマージン率とは何か、算出方法、使い道、相場観など、派遣で働く上で押さえておきたい重要ポイントを理解することができます

それでは詳しく解説していきます

この記事で分かること

派遣会社の【マージン率】って何?!

【マージン率】の構成、使用用途、相場観

【マージン率】で派遣会社の特徴が分かる?!


派遣会社のマージン率って何?!

派遣会社のマージン率を理解する上で重要な派遣料金の内訳をみていきましょう

派遣料金の内訳

まず、派遣会社の利益の仕組みについて説明します

派遣会社は、企業側から派遣料金をもらって、その中で派遣社員の給料等(教育訓練費、福利厚生費)、派遣会社の利益、派遣会社の運営費を捻出しています

派遣会社による多少の違いはありますが、【派遣料金の内訳】は下図になります


出典:人材派遣協会HP

派遣社員の賃金が全体の約70.0%、社会保険料が10.9%、有給費用が4.2%となり、派遣社員に関連する費用は85.1%になります

その他、派遣社員の教育訓練費用、派遣会社(営業/コーディネーターなど)の人件費、会社賃借料、募集費用など諸経費が13.7%

よって、派遣会社の営業利益は(100ー85.2ー13.7=)1.2%程度になります

こう見ると、派遣事業の利益率は意外と高いものではありませんね

派遣会社のマージン率とは?!

そもそも「派遣会社のマージン率」とは。。。

労働者派遣に関する料金の平均額から派遣労働者の賃金の平均額を控除した額を当該労働者派遣に関する料金の平均額で除して得た割合

マージン率=(派遣料金の平均額ー派遣労働者の賃金の平均額)÷派遣料金の平均額

例えば、下記のとおり設定すると、
■派遣料金の平均額:15,000円
■派遣労働者の賃金の平均額:11,000円

(15,000円ー11,000円)÷15,000円=0.2666…

≒26.7%となります

派遣会社のマージン率は、26.7%ということになります

大手派遣会社のマージン率の相場観

それでは、マージン率はどのくらいの割合が適当なのでしょうか?!

現行の法律では、マージン率の上限、下限の規定はありません

大手派遣会社のマージン率を調べてみると、20%代後半~30%代前半を推移しています

およそ30%という数値が適当な数値ということが分かります

しかし、このマージン率はあくまで平均であり、同じ派遣会社内でも業種や職種や派遣先企業、派遣社員によっても異なります

マージン率だけで派遣会社の善し悪しを判断すべきではないのですが、一定の参考数値となりますので認識しておきましょう

マージン率で注意すべきポイント

マージン率において、注意すべきポイントを説明していきます

マージン率は派遣会社の運営において、「健全な経営ができているか」、「一部に過度な負担がかかっていないか」、など一定の目安数値としてみることもできます

およそ30%が平均目安の数値と説明しましたが、そのマージン率が高すぎる、低すぎるでどのようなことが考えられるのでしょうか?!

マージン率が高すぎる場合

■派遣社員の賃金を抑えて、自社の利益を多く取っている可能性が考えられます

派遣社員の賃金を低くしている場合、気をつけなければならないポイントは同一労働同一賃金】制度にしっかりと対応しているかどうか?!です

派遣会社の多くが採用している労使協定方式では、職種別の最低時給が設定されています

それがしっかりと守られているかどうか、心配な点であります

※「自分の時給が低すぎる!」と感じた方は【無料時給診断】を受けてみて下さい

■派遣先から破格の派遣料金をもらっている

あまり考えにくいところではありますが、他社の派遣会社よりも高単価な派遣料金で対応できていれば、マージン率は高くなります

業界特化、職種特化型の派遣会社では、高い数値になる場合があります

マージン率が低すぎる場合

■単発、短期に特化した派遣会社

単発、短期の派遣では、派遣会社に保険加入(雇用保険/社会保険)の負担がありません

その分、派遣社員の賃金を高められるので、マージン率は低くなります

その保険料負担分を派遣社員の賃金に転嫁させることができ、求人募集効果を高められる訳です

この場合は、法的にも何ら問題はありませんので、ご安心ください

■保険加入(雇用保険/社会保険)をさせていない

今では、派遣会社における監督官庁の管理も厳しくなっているので、少なくなってきているとは思いますが、昔は「保険に入れてもらえない」などの派遣会社が多くありました

上項のとおり、派遣会社の利益率は高くはありません(1.2%程度)ので、正直なところ派遣会社にとって、保険加入はさせたくないものです

しかし、保険加入は加入条件を満たしていれば、必ず加入義務が生じます

派遣社員の雇用保険/社会保険についてはこちらで詳しく解説しています

「保険に加入させてもらえない。。。」とお悩みの方はお住まいの労働基準監督署へ相談しましょう

全国労働基準監督署の所在案内

■十分な教育訓練、福利厚生が整っていない

中小零細の派遣会社では、教育訓練、福利厚生など十分な体制が取られていない会社もあります

その分の費用はかかりませんので、マージン率は低くなります

■経営が危ない(高い賃金で人を集め、なんとか事業を回している)

極力相場よりも高い賃金で人を集め、派遣し、派遣人数を多くすることで、現金化に集中している可能性が考えられます

派遣社員にとっては、その時は良いですが、長い目で見ると危険な可能性もあります

いずれにおいても、適正なマージン率で対応ができていない派遣会社には、何か特別な理由(派遣社員にとって良くない)がある可能性があります

派遣で働く際には、必ず自分の派遣会社のマージン率を確認をしましょう

※派遣会社のホームページで確認できます

マージン率の公開義務

平成24年10月1日の労働者派遣法(法第23条第5項)の改正により、派遣会社にはマージン率の公開義務が課せられています

これは、①一般に公開する場合と、②派遣社員に明示する場合で分かれています

一般に公開する場合

令和3年4月1日の改正により、原則、常時インターネットの利用により、情報を提供することとなっています

多くの派遣会社ではホームページ上から状況提供するケースが主流となっています

ちなみに、マージン率の他にも以下の項目が情報提供の対象になっています

・派遣労働者の数
・派遣先の数
・派遣料金の平均額
・派遣労働者の賃金の平均額
・労使協定を締結しているか否かの別等
・派遣労働者のキャリア形成支援制度に関する事項

派遣労働者へ明示する場合

雇入時、派遣開始時、派遣料金額の変更時には、派遣労働者の「労働者派遣に関する料金額(派遣料金)」の明示を義務化されています

明示すべき派遣料金の内容について(次のいずれかを明示)

・派遣労働者本人の派遣料金

・派遣労働者が所属する事業所における派遣料金の平均額(1人あたり)

※多くの派遣会社の場合、下段の「派遣料金の平均額」を明示しています

明示の方法について

書面、FAX、Eメールのいずれか

ちなみに、マージン率の公開義務が課せられているにも関わらず、自社のマージン率を公表していない中小零細の派遣会社もまだまだあります

まとめ

最後に、今回の内容を簡潔にまとめてみます

【派遣会社のマージン率】
マージン率=派遣料金から派遣社員の賃金の平均を引いた金額の割合

【マージン率の計算方法】
マージン率=(派遣料金の平均額-派遣社員の賃金の平均)÷派遣料金の平均額

【派遣会社のマージンの使われ方】
・社会保険料
・有給費用
・派遣社員の教育訓練費、福利厚生の拡充
・求人広告費用

【マージン率の公開義務】
公開義務あり

また、派遣会社を選ぶ際はマージン率だけで比較しないことも大切です

マージン率については、一定の相場数値であれば、ほぼ問題なく、極端に高い、低い場合は、その理由を確認しましょう

登録面接の際に、派遣担当者へ聞いてみても問題はありません

派遣会社を選ぶ際にはマージン率は一定の基準値を確認する目安とし、主に着目するポイントとしては、求人数や派遣会社のサポート体制で選択することにしましょう


いいなと思ったら応援しよう!