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武大の炊餅を食べました

3月に山東省梁山県へ行きました。かの超超有名な(印象操作)水滸伝の舞台となった梁山泊です。
そして、梁山で「炊饼」を買い、食べました。

こんなの。

炊餅、中国語の音で読むなら「チュイビン」で良いのかな?

水滸伝といえば武松(ぶしょう)が虎を打つ話が有名ですが、その武松のお兄さんである武大(ぶだい)が、生計を立てるために毎日毎日家を出て、せっせと売っていたシロモノです。

井波律子訳『水滸伝』では、「餅」と訳され、注釈には「小麦粉を平たく円盤状にし、蒸したり焼いたりしたもの。武大は蒸した餅を商っている。」と書かれていました。

梁山泊エリアは、日中は観光地を回っていると、そのアクセスの悪さのせいであっという間に2,3時間を移動に潰してしまうし、
夜は明かりが無く、日が落ちた瞬間に辺りが完全な闇に包まれ、流石に自己防衛(ホテルに籠る)をした方が良いなという気持ちになるような感じだったので、
しっかりとお土産を見て回れたかというと、そうではありませんが…

それでも圧倒的に炊餅が売られていました。炊餅しかない。本当に炊餅しかない。なので炊餅を買いました。


それしかないとはいえ、文章でしか見たことのなかったものが目の前で形になって現れると嬉しいです。宋代から本当にずっと変わらない味なのかはしらないけど。

帰国後に意気揚々と開けました。↓

砕けていました。

売られているときは、ちゃんと平たいせんべいのような、大きくて綺麗なまあるい形をしていたので、決してバリバリなものが正規の商品ではありません。私のカバンの中で砕け散りました。

食べました

実際に食べてみると、薄い、軽い…。

ものすごく味がさっぱりとしている…
美味しい!

パサついてるので間違いなく水分が欲しくなるのですが、それはそれとして、白ごまっぽい味と薄いパリパリとした軽~い食感がとても美味しかったです。
味付けはほとんどなさそう。小麦粉でかなりシンプルに作られている気がします。

中国料理をそんなに食べ慣れていない友人があっという間に完食していたので、普通に美味しかったんだと思います。

美味しかったけれど、これで武大が生計を立てることが出来るのかはちょっとわからないです。
嗜好品としては微妙かも…今日は炊餅の気分だから、贅沢して買っちゃおうかな~というよりは、むしろ米やパンのように生活必需品レベルのものだったのであれば、買う人はいたかもしれないな…なんて思ったりしました。

以上です!


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