印象的な小説の話
久々に心が突き動かされる本を読んだ。動揺に近かったと思う。
私は心が動くことに弱いので電車で泣きそうになりながら読んで、お風呂に浸かりながら目を閉じて本を反芻して涙を流した。
最近は知識欲を満たす本を読むことが多かったが、ふと久々に小説を読んだ。
新書は正直、読んでいる途中に興味から義務に変わる感覚があってわたしはやっぱり読書向いてないなと思うんだけど、久々に読んだ小説には没頭した。
どのくらい没頭したかというと、月曜日の昼に本を買って木曜日の夜に読み終わった。深夜給になる時間まで残業する繁忙期なのに。
続きが気になって仕方がなくて目が滑るのを堪えて一文字も逃さないようにしがみつきながら読んだ。先を読みたい衝動を抑えるのは大変で、少し息が上がった。
今までの人生でおもしろかった本ベスト3は何かと言われると、ハリーポッターシリーズと白い巨塔の2つしか答えられなかったが、今回ようやく3つ言えるようになったと思う。
久々に、読んだ本の内容を人と共有したいと思った。でもそんな友達がパッと思いつかなかった。
この本の何が良かったのか。良かったと思ったポイントはたくさんあるのだが、それを自分の言葉で言語化した途端にチープなものに思えて仕方がない。
読書管理しているところへ感想を書いてみたのに、なんか自分の拙い文章と語彙力の無さのせいでこの本の良さを全てつぶしてしまっている気がして、情けなくなった。
こういう時のために普段からnoteを書いて自分の思いの言語化の練習をしているのに、やっぱり納得いかない。このnoteにすらタイトルがつけられない。
自分の綴る文章<<<<<<<胸いっぱいの気持ち
この壁を越えることができない。
自分の幸せを追い求めて他人の幸せを羨む気持ち。自分の理想と現実を無意識に天秤にかけてしまう気持ち。好きな人の姿を見て改めて好きだと感じる気持ち。憧れの存在の人へ少しでも近づきたい気持ち。日常の出来事をふとあの人へ伝えたいと思う気持ち。
全部全部わかる。痛いところをつかれたような気持ちで少し辛い。
無意識に主人公へ自分を重ねている部分があった。この作品への他人の講評を読んで、主人公への厳しい意見を見ると自分が言われているようで傷つく。
お気に入りの作品であることには間違いないが、心の動揺が激しすぎて再読には勇気がいる。でも、読んで良かった。
こんな本にまた出会えたら嬉しい。
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