見出し画像

【初心者向け】仮想通貨の手数料が高騰して(ガス戦争)NFT購入を断念した経験

こんにちはリンです。
今回はテニスの四大大会の一つAustralian Open(全豪オープン)で発売されたテニスボールのNFTを購入しようとしましたが、イーサリアムのガス代(手数料)が高すぎて断念した話です。

★この記事で学べる内容

 ・実際のガス戦争の経験
 ・ガス代の仕組み
 ・価格の歴史
 ・ガス代を安くする方法

★対象者

 ・NFTを販売・購入したい初心者
 ・ガス代を節約をしたい方

■ガス戦争に巻き込まれた時の実体験

□全豪オープンのNFTの紹介

・プロジェクト名はThe AO ART BALL(ザ AO アート ボール) 

・全豪オープン(AO)において四大大会では初めてテニスボールのNFTを販売

・コートを6777個に分割し、各ボールのNFTに紐付け

・400試合のボールの軌道データ、落下地点をNFTと連動させる仕組みを搭載

・決勝戦のウィニングボール(決勝点)の落下地点とひも付いたNFTを持つ人には実際の勝利球が贈られる

・Decentralandにデジタルの土地を購入済で、NFTを持つ人はメタバース上で全豪オープンのイベントに参加できる

・翌年度以降の優先購入枠割り当てやメタバース上で使用できるファッションアイテムのプレゼントあり

□一般販売に参加した体験

2022年1月13日の朝8時にNFTの一般販売が開始されました。パソコンの前で公式サイトとメタマスク(イーサリアムの財布)を連携し、更新ボタンを連打していると朝8時ぴったりに購入が可能となりました。しかし、ガス代が高いので1、2分迷っていると急上昇し、0.067ETH(225ドル)のNFTを購入するのに手数料が0.212-0.336ETH(715-1133ドル; 当時の価格で)という状況になりました。

現実世界で例えると、野球の試合を見に行って、チケット代が2000円で手数料が7000円-11000円かかるということです。これではさすがに戦意喪失して買えないですよね。

■ガス代

□ガス代の仕組み

私たちは主にプラットフォームであるイーサリアムを利用して送金やNFTの購入を行います。その際、手続きの実行には手数料を取られ、これをガス代と呼びます。

計算方法は車に例えると分かりやすいです。100km進むのに20Lのガソリンを消費し、ガソリンの価格が100円/Lであれば、20✖️100円=2000円コストがかかるというのと同じです。

・①基本料金(Base Fee)=Base Fee Per Gas(例:ガソリン価格)✖️処理手続き量(Gas Used by Transaction:処理に必要なガソリンの量)

・②チップ(Priority Fee)=Priority Fee Per Gas✖️処理手続き量(Gas Used by Transaction)

ガス代=①+②

・(基本料金+チップ)/Gasの合計には上限が設けられ、最大料金/Gas(Max Fee Per Gas)と呼ばれます。

・Gas limit:一回の処理に使用できるガスの量の上限を自分で設定可能です。

Gas LimitはEdit→Advanced Optionsから設定可能

処理手続きの量は行う処理によって違いますが一番シンプルな口座から口座へのETHの移動ではGas Used by Transaction=21000 gas unitisに設定されていました。しかし、2021年8月にEIP-1559というアップデートがイーサリアムになされたあと、Gas limitを21000に自分で設定するのではなくメタマスク等で混雑具合に合わせ自動設定されるようになりました。

現在、Opensea利用時に、自分のメタマスクを見ると時間帯によりGas limitは自動で2-10倍以上の51991-245000に設定されており、ガス代が高騰しているのがわかります。なお、これを自分で低く設定することは可能ですが、処理が途中で止まり、ETHだけ消費される危険性があようで変更する勇気がなかなかもてません。

以前は高いガス代を出せる人の処理を優先(オークション形式)していましたが、ガス代の予想が難しく、非効率であることが問題でした。そのため、EIP-1559が導入され上記のように変更されました。

余談ですが、以前ガス代は全て手続きの処理をしてくれる人(マイナー)に支払われていましたが、EIP-1559導入以降、②チップのみマイナーに支払われ、①基本料金は焼却(バーン)されています。これによってETH(イーサ)は経時的に希少性が増すデフレ資産にもなり得ると言われています。

参照

□ガス価格の推移

2020年初めまではイーサリアムでのガス代は非常に安価だったのですが、Defi(分散型金融)やNFTの普及によりガス代が10倍以上に高騰してきています。

https://www.statista.com/statistics/1221821/gas-price-ethereum/

■ガス代の節約方法5選+裏技

それでは高騰するイーサリアム上でのガス代に対してユーザーができる対策5選や裏技を伝授します。

1.取引量が少ない時間帯を狙う

混雑すればするほどガス代は高くなるため、取引が混雑していない時間帯を狙いましょう。Ethereum Gas Chartsをチェックすれば、どの時間帯の手数料が安いか予測できます。水曜日、木曜日の日中が比較的空いているようです。また、土曜日の夕方も狙い目です。

なお、新規NFTプロジェクトの販売開始時は日時が指定されており、数量も限定されているので上記の方法はとれません。ガス代はNFT販売開始後、急速に高くなるため、買うと決めたものは躊躇せず一番乗りで買うつもりで素早く決済しましょう。

Gas Price by Time of Day

2.チップの設定を下げる

処理を急がない時は下記を参考にチップをLowに設定しましょう。ただし、NFTの一般販売開始時など、人気NFTを購入する場合はガス代だけ払って購入できなくなるリスクがあるのでやめましょう。待ってもいい時だけにしましょう。

3.ポリゴンなどイーサ(ETH)以外で支払いをする

OpenseaでETHでしか購入できない作品の場合は仕方がありませんがポリゴンチェーン上(ETH on polygon)で購入できればガス代(この場合ETHではなくMATIC消費)はほぼかかりません。ただし、ETHをポリゴンチェーン上にブリッジングする必要があり、ここでガス代(ETH)が発生する点にはご注意ください。

また、詳しくは説明しませんが、オークションに参加する時のみに使用するWETH(Wrapped ETH)とは別の概念ですので混同しないようにしてください。ETH on polygonで購入可能な作品はそもそもオークション形式を選択できません。

4.LooksRare等Opensea以外の取引所を利用する

正確にはガス代が安くなるというよりは、LooksRareという新しいNFT取引所では自分の特定のNFT取引量に応じてLOOKトークンがもらえる仕組みがあります。これをステーキング(銀行に預金して金利をもらうような仕組み)したり売却すればガス代を取り返すほどの収益が上げれることがあります。

詳しくはの【初心者向け】新しいNFTマーケットプレイス「LOOKSRARE」by 水崎ユウキさんを参照ください。

5.仮想通貨の送金はまとめて行う

当たり前ですが取引回数を減らせばそれだけガス代の総額も減ります。計画的に送金を行い、効率を上げましょう。

□裏技

実は海外のプロジェクトでは開始時間が数分早まることもあり早めに購入を試みることは有効です。人気プロジェクトのNFTを低価格(ミント価格)でゲットでき、かつ混む前に低いガス代で購入できるチャンスでもあります。

■まとめ

・イーサリアムのガス代=基本料金+チップ
・取引量が少ない時間帯の利用、チップの設定を減額、ポリゴンチェーンなどの利用、Opensea以外の取引所の活用等対策あり
・人気新規プロジェクトの販売開始時はフライング気味に購入する

最後まで読んでいただき本当にありがとうございました♪ガス戦争の実体験、ガス代の仕組みやその節約方法を解説してみましたが、いかがでしたでしょうか。

今後ともNFT、仮想通貨、Web3関連の情報(noteは週1更新)を発信していきますので是非noteやTwitterのフォローをお願いいたします。また、いいねを押して頂けれましたら本当にモチベーションアップにつながりますので、よろしくお願いいたします。

いいなと思ったら応援しよう!