誰も教えてくれなかったおしゃれのルール(アーカイブ)流行は繰り返すけれど
そろそろ今年(※注 2010年の話です)の秋冬ものが店頭に並び始めました。
今年の流行の特徴として、トラッドの復活がまず挙げられると思います。Pコート、テーラードジャケットのスーツなど、トラッドを代表するアイテムが数多く出てきました。ここのところ影を潜めていた、かちっとしたスタイルの復活です。(もちろん、今現在までも、細々とは展開されてましたけどね)最近、流行のサイクルが前よりも短くなったような気がいたします。
pコートなんて、この前流行ってたばっかりじゃないと思ってしまいますが、この前、流行していたときと、今年のコート、もちろん全く同じということはありません。
前にも書きましたが、シルエットが違います。たぶん、大きな点は肩幅と肩パッドでしょう。ざっとパリコレの写真などを見た感じだと、ウエストのシェイプ加減も違うと思います。そういうわけで、ファッションの世界に永遠なんて、存在しません。スタイルは同じでも、らせん状に進化しつつ変化していきます。
ですから、10年前に買ったテーラードジャケットを引っ張り出してみたとしても、今年っぽくはならないのです。もしそれを着るのだとしたら、一工夫しなければならないでしょう。(たとえば、ウエストにベルトをしてみるとか)
けれども、思い出していただきたいのです。10年前のあなたと今のあなた、全く同じでしょうか?必ず、どこかしらが、成長していませんか?
成長して変わった部分と、それでもなお、ゆるぎなく変わらない部分、両方があるのではないかと思います。
主人公は、成長するのです。物語は、いいほうへ進むのです。
「魔女の宅急便」のキキだって、10年もたてば、違う衣装を着ているでしょう。スタイルは同じかもしれませんが、素材がグレードアップしているかもしれません。ウエストもシェイプされて、女らしいシルエットになってるでしょう。だけれども、きっと、あのほうきはまだ大事に使っているのではないでしょうか。
ファッションも同じと考えましょう。変わった部分と、変わらない部分、この両方を表現するために使うのです。
ファッションのヴィクテム(犠牲者)になるのではなく、ファッションのユーザー(使うもの)になりましょう。そして、それを利用して、成長したあなたを表現しましょう。
さて、あなたは10年前から、どこが成長して、何が変わらずゆるぎなく持っているものでしょうか。
2010・08・18