パソコンを使わないでプログラミング! フローチャート入門②
本記事は2021年08月06日にLINE entry公式ブログにて掲載されたものを再掲載した記事です。
前回は紙とペンを使ったプログラミングであるフローチャートの書き方を学びましたね。ほかの人に何かをやってもらうために、四角で囲んだ手順を矢印で結び、上から順番にやっていくというものでした。プログラミングには、くり返しや条件分岐のように実行する順番を変える要素がありますが、フローチャートでもそれらを表わして説明することができます。今回はくり返しと条件分岐の書き方を学びましょう。
前回の記事をまだ読んでいない方はこちらから読んでみてください
パソコンを使わないでプログラミング! フローチャート入門①
くり返しを使ってみよう
くり返しは同じ動きを何度も行なうことを表わすために使います。たとえば1周100メートルのトラックをくり返し走って400メートルを走るときや、よごれた食器がなくなるまでくり返し食器を洗うなどです。
くり返しの図形は1つではなく、上の図のような四角形の角2つが欠けたような形の六角形2つをセットで使います。実際にくり返す手順は、この2つの六角形の間に書きます。この六角形は「ここからここまでをくり返す」という目印になるわけですね。
2つの六角形の中には、手順ではなくくり返しの内容に付けた名前を書きます。セットであることがわかるように上と下の図形には同じ名前を書いてください。上の図の例では「トラックを走る」とか「食器を洗う」というのがくり返しの名前です。
また、いつまでくり返すのかという「条件」を、上下どちらかの六角形の名前の下に書き入れましょう。上の図では「4回」とか「よごれた食器がなくまるまで」というのが条件です。このように最初からくり返す回数を決めて書くこともできますし、回数を決めずにくり返す動きができなくなるまで、などでもだいじょうぶです。
条件分岐を使ってみよう
条件分岐は条件に合わせて次の動きを決めたいときに使います。たとえば雨が降っていたらカサをさす、降っていなかったらカサをささない。学校から帰ったあとに宿題があれば宿題をする、宿題がなければ友達と遊ぶなどです。
条件分岐の図形はひし形(横長のダイヤ)を使います。ひし形の中には条件を書きます。普通は「はい」か「いいえ」のどちらかで判断できるものを書くことが多いでしょう。上記の例では「雨が降っている」が条件になり、降っているときは「はい」、降っていないときは「いいえ」となります。矢印の先の四角にそれぞれの場合の動きを書くことで条件分岐を表わすことができます。分岐とは「分かれ道」という意味です。上に書いたフローチャートでもひし形のところで矢印が2つに分かれていますね。
フローチャートは作業の「流れ」を表わす
前回の記事で「フローチャートは基本的に上から下に進む」と書きましたが、くり返しや条件分岐を使った場合はそうではありません。くりかえしの場合は、下の六角形まで行ったら、また「上に戻って」2つの六角形の間の手順をくり返します。慣れないうちは、どこまで戻るのか矢印を書いておいてもいいでしょう。
条件分岐では、ひし形から線が「右や左」に伸びていましたね。フローチャートは、どのような順番に作業を行なうのかという「作業の流れ」を書いた図だと言うことができます。そのため日本語では「流れ図」と言います。実は、英語でフローは「流れ」、チャートは「図」という意味なんです。
フローチャートを書いてみよう
それではくり返しと条件分岐を使ったフローチャートを書いてみましょう。前回と同じようにぜひ保護者の方も書いてみてくださいね。まずは四角だけでフローチャートを書いて、そのあとに何度も同じ動きをしているところにはくり返し、条件によって分けたい動きがあるときは条件分岐を使って、あとから書き直すようにするとまちがいにくくなるのでおすすめです。
フローチャートを書き終わったら保護者の方と見せあったり、友達に読んでもらったりして手順を説明できているかかくにんしてもらいましょう。くり返しと条件分岐の部分はすこし難しいので一度ではうまくいかないかもしれません。しかしプログラミングは何度も試行錯誤しながら身につけていくものです。まちがいは気にせず、うまくいかなかったところを修正していきフローチャートを完成させていきましょう!
今回はここまで。
フローチャートの中でくり返しと条件分岐を使うと、さらにいろいろな手順をわかりやすく説明できることがわかりましたね。まずは紙とペンでフローチャートを書いてプログラミングの世界に足をふみ入れましょう。次回は、フローチャートをLINE entryのプログラムにすることにチャレンジします。お楽しみに。