短編②
勢いで書いた短編その②です。今回は…これは何だろう。異世界系ファンタジーの…旅行記風、でしょうかね。見直して無いのでガバいところがあるかもしれません。ご了承ください。少し長いです。
* * * * * *
少し埃っぽい、雑踏の中を歩く。
すれ違う人々は多種多様な姿をしている。
肌の色や髪の色が、というわけではない。
私が異世界へ放り出されて、もう3年になる。
無題
思い返せば私は幸運だったのだろう。
目が覚めると見知らぬ街の路地裏で、身ぐるみ剥がされた後だった。何が何だか分からず、這いずるように逃げ出して広い大通りの正面にある酒場に逃げ込んだ。
そこで不審な顔もせず助けてくれたのが私の恩人である酒場『微睡の熊』の女将さんだった。慌てる私の質問に落ち着いて答えながら、従業員に指示して服を持ってきてくれたり、食事を用意してくれたりした。けれども、私の望む答えはついぞ返ってこず、勇気を振り絞って核心的な質問をせざるを得なくなる。
『ニホンという国をご存知ですか?』
『悪いけど…知らないねぇ』
『チキュウという言葉を聞いたことは…』
『無いよ』
私はその場に崩れ落ちる。
小耳に挟んだことはあったが、私はその文化について詳しく知らない。
ましてや、フィクションだと思っていたことが現実に起こるなど考えられるはずもなかった。
うなだれている私に、女将さんが声を掛けてくれた。
『…しばらくウチで働くかい?見たところ、夜盗に身ぐるみ剥がされたようにみえるけど…』
『それは有難いのですが…少し休ませて頂けませんか?もちろん料金は働いて返します』
そんなことがあって、今の私がある。
それから私は懸命に働いて、恩返しをした後、女将さんの好意に甘えて彼女の知人を頼り、キャラバンに同道させてもらうことになり…、ある程度慣れて来た頃に丁度連れ合った商人殿の話し相手として旅を始め、今はとうとう一人で旅が出来る程度にはなれた。
私のような文化人は人の下で働くことが適切だと思っていた。
商業ギルドしかり、冒険者ギルドしかり。
けれども、私は旅をするうちにその味を占めてしまったのだ。
最初こそ、能力的に不足もいいところだったが、最近では経験でカバーできるようになってきた。
地図の読み方、日の位置と星の位置を見て方角を知る方法、水や食料の補給場所の情報を得る方法、魔物などの外敵から身を守る方法、日銭を稼ぐために何が出来るか、宿や露天商にぼられない方法…
様々な方法を、人に教えられながら、あるいは自分で手酷い失敗を繰り返しながら、学んできた。それでも、絶望を感じたのは最初の一回だけ。身ぐるみを剥がされて女将を尋ねた時だけだ。
なぜここまで私が生き延びられたのか。
それは単に全てが新鮮で楽しかったのと、生きるのに必死だったからなのだと思う。
この異世界に来て思い知ったのは、私の警戒心の無さと危機感の欠如だった。それらを早々に身に着け、片時も忘れなかったことが良かったのかもしれない。
今、こうやって余計なことを考えられるのは、全てこれまでの人の縁と経験のお陰だ。
でなければ今頃、私は何もできず野垂れ死んでいたに違いない。
私はある時から手記を書き始めた。
それはあまりに多く様々なことが起きるこの世界での日常を忘れたくなかったということも、単純に生き残る術としてあらゆる経験を書き留めておきたかったということもあるが、それだけではなく。
いつか、お世話になった人々に恩返しがしたくて、彼らの所在を記しておこうと考えたのだ。
……中には私と同じく旅をしており、そう簡単には出会えない人もいる。
それでも、私は恩返しがしたかったのだ。ここまで旅をしてこれたのは、皆、その人たちのお陰だから。
旅はすれ違い、一時の談笑__この世界で言う一期一会の表現らしい__が醍醐味だと言う人もいた。しかし、私はまた彼らに会いたいと思ったのだ。
だが、世界はそう甘くなかったのだ。
このような世界でも、一期一会のような言葉があることにはきちんとした理由があった。
最初に探したのは気のいいキャラバンのリーダーだった。
彼は女将さんに私の事情を聞いたのか、宿で働く私を見てウチで働いてみないかい?と言ってくれた。いずれ一人で旅をするつもりなら、きっと役に立つから。と私の背を押してくれた。
多岐に渡るキャラバンの仕事はシングルタスクであった私には聊か辛いものがあったが、それでも根気よく教えてくれたことは今でも印象に残っている。
彼らは一定の周期で世界を旅して回っているらしく、定期的に宿を訪れるということも、一番最初に探すに適しているだろうという思惑だ。
そこで私は3年ぶりに微睡の熊へ戻ってみることにしたのだ。
ちなみにこの世界に何年という概念は無い。ただ私が勝手に数えているだけだ。
微睡の熊への旅は不思議な感覚がした。当時名前も分からなかった街の名前や、位置関係、何が名産で、どれほどの規模なのか。そんなことをすでに理解している私にとって、当時の旅がとてもちっぽけに思えた。それでも、記憶の中の私はまるで大冒険をしているかのように思ったものだった。
今、私の心を占めているのは高揚感でも興味関心でもない。落ち着いた郷愁の思いだけだ。
最初にあんなひどい目にあった場所であるにも関わらず、微睡の熊と女将さんのお陰で、まるでそんなことなど無かったかのように思えるのは、我ながら能天気だと思える。喉元過ぎれば熱さ忘れるとも言うか。とにかく、あの街に今や思うところは無い。
だが、数か月の時を経てそこに辿り着いてみれば、微睡の熊は無くなっていた。
当然、私はその周りの商店や行きずりの人々にかつてここにあったはずの宿屋について尋ねた。そんな彼らが口を揃えて言うには、経営不振と宿の主人の歳の問題で潰れたという。
まさか、私の所為か、とも考えたが、潰れたのはつい最近だと言う。
女将さんの所在について尋ねて回ったが、宿から一歩も出ず働いていた私を知る人はすでに3年の時が経過しているためか見当たらず、不審な目で見られることが多かった。
そうだ、これが当然だ。と、私は気付いたものだ。
あの宿と女将さんが一際人が良かっただけで、それが普通なのだ。と。
旅をする者は皆、人との出会いが大事なものであると知っている。
だから、まずは話しかけてみて、どういう人物であるのか知ることに注力する。好意的なら目にかけ、敵対的なら警戒する。そんな風にワンアクションの後に対応を決めるのだ。
その結果、警戒心と危機感の無かった私は多くの人々に目を掛けられ、恩を売られたのだ。
だが、土地に住む人々は違う。そこに住む人々が全てだ。旅人が尋ねることはほとんどない。
まず第一印象と、それから自分が持っている情報で決める。
だから、旅の途中で特別身ぎれいにしているわけでもない私を見て、まず顔を顰め、ここらでは見ない顔だね、と疑いを深くする。そんな彼らが教えてくれるはずがない。
いつか、道連れの商人に人の印象をよくする極意なるものを偉そうに語られたことを思い出して私は肩を落とした。真面目に聞いておけばこんなことにはならなかっただろう。
その商人はとにかくよくしゃべる人で、多少は聞き流しておかないとこちらが疲れてしまうような人だった。そう考えると、当時の私もそう責められたものではないが。重要な情報はどこに転がっているか分からないものだ。
結局私はモヤモヤしたままその街を出ることになった。
微睡の宿でキャラバンの情報を聞く予定だったので、手掛かりが無くなってしまった私は、とりあえず隣町へ向かうことにした。
……結果として、隣町でキャラバンの所在は分かった。
だが、リーダーは別の者に変わったという。理由は…丁度1年ほど前、魔物に襲われてキャラバンが半壊したらしい。そして、重傷を負ったリーダーと一部のメンバーは、この街で治療を受けるもあえなく死亡した。
その墓の前に私は立っている。
名が刻まれていなければ、少し大きな石ころだ。この下に彼が埋まっている。
気のいい人だった。異種族である私に偏見無く接してくれた。
私が彼の種族の習慣に驚くたびに、彼はニヤニヤと笑っていたことを思い出す。
思い出が浮かび上がっては消えていく。
彼の知り合いは多かったのか、石ころの周りにはたくさんの花が手向けられていた。
だから、私も特に疑いなく案内されたのかもしれないな。そんなことを茫洋と考えながら、その場にしゃがみ込む。まさか、死んでいるなんて思わなかった。
私は改めて、この世界の厳しさを思い知り、体が震えた。
涙を零し、嗚咽を堪え、私は静かに泣き、涙が収まれば旅の思い出と共に祈りを捧げた。
彼は旅が好きだと言っていた。だから私は旅の思い出を手向けとする。
彼と笑って過ごした日々と、そしてそれからの私の冒険譚。そして彼の死出の旅への祈りを。
そして最後に。花は持っていなかったが、共に飲もうと思っていた酒をお供えした。この世界に酒を墓石に掛ける習慣があるか分からない。習慣の違い、彼に学んだことだ。
それぞれの名も知らぬメンバーにも祈りを捧げ、諸々の用事を済ませて
街を出た私は唐突に自分が迷子になったような感覚を覚えた。
この場所がどこかは経験が教えてくれる。けれども、いつも朗らかだった私の心には靄が満ちていた。
旅が楽しいと思えないなんてことはおおよそ初めてだった。
私はとぼとぼと歩き始める。初めての、目的地の無い旅だ。
どれほど歩いただろう。
そんな旅の途中で、私は新たな道連れに出会った。
道に迷って途方にくれている様子の彼女に先に声を掛けると、彼女は驚いたのか2mほど跳び上がり、私から距離を取った。この辺りは流石異世界と言えるだろう。
「すまない。驚かせてしまったかな」
「にゃ…にゃにゃん」
……どうやら言葉が違うタイプの人らしい。頭に耳がついていたり、妙に毛深かったからもしやとは思ったが。
こういう時に取れる方法は3つ。
一つはボディランゲージで身振り手振りで目的を尋ねること。
一つは翻訳が可能となるタイプの魔法を使って意思疎通を図ること。
一つは無視して進むこと。
聊か参っていた私は3つ目を選びそうになって、踏みとどまった。
彼女は随分と薄汚れている。毛並みはぼさぼさだし、身に着けている鞄も妙に薄っぺらい。
毛深いのは散髪が出来ていないからだろうか。獣人の知り合いはいないので分からないが。
いずれにせよ、その助けを訴えかけてくるような瞳を前にして、とうとう私は折れた。
こういうタイプの人を相手にしたことはこれまでに何度かある。
いずれもボディランゲージで解決してきた私は、今回もその方法を取ることにした。
まず、世界地図を取り出し、どこに行きたいのかを身振りで尋ねる。
しかし、彼女は首を傾げるばかりだ。どうやら地図が読めないらしい。
不安げに私を見る彼女に、私は胸を張って見せる。内心そんな気分ではないが、不安を増長させるような身振りをしてはダメだ。過去にそれをやった経験がある。
結果、その時迷子だった兎の子獣人はパニックを起こして駆け出し、それを捕まえるのに苦労したものだ。水も食料も余計に消費した苦い思い出だ……。
地図が読めないとなると、もうこれは近場の街に行って猫語(正確な名前は知らない)が話せる人を探すしかない。最悪は街で翻訳の魔法を使うことだが…それはかなり金が掛かるので勘弁してもらいたいところだ。
私は彼女に付いてくるように身振りで伝えて、背を向けると私のすぐ隣に駆け寄ってきた。
どうやら相当心細かったのか、身を縮こまらせて私を見上げてくる。
暫く目を合わせていたが、話し始める気配が無いので私は前を向いた。
今回に限って、奇襲の可能性は無かった。何しろ場所は平原で、周囲に身を隠すものは無く、さらに、迷子は猫の獣人だ。獣人はこういう回りくどい手段で旅人を襲うことは無い。
こういう手段をとるのは決まって人間で、人間は他種族を信用しない。
だから迷子が人間でない時点で奇襲の確率は大幅に下がるのだ。
私が異世界へ来て3年で覚えたことの一つに、人型種族内では人間も卑怯な部類に入るというものがある。
過激な思想を持つ人などはゴブリンなどの魔物系の亜人と同じだという。
それも仕方が無いところはある。何故ならこの異世界において人間は酷く弱いのだ。道具を使う、政治をする、知識を蓄える、どれをとってもその上位種がいて、人間は彼らの下位互換となってしまっている。そうある以上は弱者として生きていかねばならない。それ故の生き汚さを持っている。
私もそれを知った最初の頃こそ反論したが、今では受け入れてしまっている。私も幸運が続かなければそうなっていたことは想像に難くないからだ。
と、私の服の裾が引かれる。彼女を見下ろすと、なにやら情けない表情で腹部を撫でていた。
腹が減ったか、腹が痛いか、どちらかだろう。と私が察して背負い鞄から食べ物の包みを取り出すと、彼女はその包みに手を伸ばし、はっとした表情で手をひっこめた。
しかし、口の端と言わず全体から涎を垂らしているところを見ると空腹で間違いなかったようだ。
少し早いが野営しようか。そう考えて私が鞄へ包みを戻すと、ぴんと立っていた耳が萎れ、落ち込むように俯いた。どうやら君にはあげないよ、という意志表示だと思ってしまったらしい。
とはいえ、その誤解はすぐにでも解けるだろう。どうせ食べるなら温かい方が良い。そう思った私は野営の準備を始めた……。
猫の獣人ちゃんはまるで警戒心を無くしたように、私に縋りつくように丸くなっている。
獣臭いが仕方ないだろう。これがもっと人間に近しい種族であれば役得もあったのかもしれないが、今のところ彼女に対する私の印象は人間大の動物そのものだ。
言葉が通じないからさらにその印象が強い。
余程空腹だったのか、私が鍋に作ったシチューをぺろりと平らげた彼女は、大きく欠伸をしてうつらうつらと船を漕ぎ始め、私が寝る準備をし終わる頃には座ったまま寝ていた。
しかし、私が寝床に潜り込むと、てしてしと四つん這いで這い寄ってきて潜り込んできたのである。
そして私を別の誰かと間違えているかのように抱き着き、寝息を立て始めてしまった。
……そういえば、兎の子獣人の時もそうだった。
彼は少年のような年頃だったせいか日中は随分生意気だったが、夜になると寝ぼけたのか私に抱き着いて頭を胸元に擦り付けて来たものだった。その翌朝、私と共に起きた時は随分きまり悪そうにしていたが。
この猫ちゃんに限ってはそういうことはなさそうだ。逆にこのまま懐かれてしまわないか心配なほどである。
ふと、私は自分が笑みを浮かべていることに気が付いた。……全く現金なものだ。
旅人は道連れでもいなければ人から好意を寄せられることは少ない。
だからか、その感情に飢えていると言ってもいい。少なくとも私の場合は。
私は腕の中の猫ちゃんを撫でて、目を閉じた。
結論から言えば、彼女の村は見つかった。
幸い、3つ目の街で猫語を話せる人を見つけ、通訳をお願いすることに成功し、ようやく彼女がなんであんなところに居たのかが判明。なんでも初めてのお遣いで近くの街へ買い物に出かけたところ、見事に迷子になったらしい。
きちんと道はあったが何かで気が逸れて道を外れたのだろう。
そして、私が彼女を見つけたところはなんと村から歩きで7日は掛かる距離の場所だった。
お遣いで行く予定の街が徒歩数時間であることを考えるとその距離が異常だとわかるだろう。
村の方もまさかそんな遠くに行っているとは思わず周辺を探索するも見つからず、行方不明扱いだったらしい。
生存は絶望的として彼女の両親は悲しみに打ちひしがれていたが、そこに私と猫ちゃんが登場したことで一転、驚きと喜びでどうにかなってしまいそうだったとは彼女の両親の談だ。
そもそも獣人はここまで酷く迷うことは少ないらしい。なぜなら彼らは鋭い感覚を持っているからだ。
自分の足跡をたどって戻ることも5日前ぐらいまでは雨が降らない限りは可能らしく、その感覚で言えば、徒歩で数時間ほどの距離のお遣いは訳ないらしい。
ただ一つ問題があるとすれば、猫ちゃんは道から逸れてもまるで気付かず、自信たっぷりに進み続けてしまったらしく、その結果、道を間違えて戻る最中に空腹で動けなくなり私に拾われた、ということなんだとか。
もはや人間の感覚を優に越していてピンとくることは無かったが、猫ちゃんが無事に戻れて何よりだった。
私と通訳さんとトカゲ君はその村でしばらく歓待され、気持ちよく村を後にするのだった。
そうそう、彼の事を書くのを忘れていた。猫ちゃんを村に帰す途中でかつてのキャラバンのメンバーと会ったのだ。
何でも彼はかつてのリーダーに憧れていた一人だったらしく、墓を訪れた際、見慣れぬ酒瓶を目にして、これを置いていったのは誰かと墓石の案内人に尋ねたという。
そこから、リーダーと懇意にしていたという私の情報を聞き出して、私を追って来たらしい。
目的は自分の知らないリーダーのことを聞きたい、とのことだったので、しばらく旅に同道してもらうことにした。
彼は随分とキャラバンのかつてのリーダーを崇拝していたらしく、私が彼の間の抜けたエピソードを話すたびに嘘だ何だと文句を言われたが、私が語るにつれ大体の人物像が見えて来たのか、文句は徐々に減っていった。
私の話を聴く彼の表情が、憧れと崇拝から、身近な親しみへと変わっていくのが何とも印象的だった。
獣人の村を出た後は通訳さんを元の街へ送り届け、別れの会ということで少し酒を飲み交わした後、トカゲ君をキャラバンへと送り届けることになった。
その頃になると彼はもう大分大人しくなっていた。本当の彼が見えたのか、それとも改めて彼の生き様に敬意を評したのか。彼の話を聴き終わると、今度は私の話をせがむ様になった。
私は色々な話をした。彼の失敗談も語ったのだから私も包み隠さず話さねば不公平だ。時に内心では気分を沈み込ませながら、淡々と手記を見返しながら話をしていく。
もうずいぶんと長い話になるだろう。キャラバンへと送り届けるまで、全ては話せないかもしれない。
それでも私が話すことを止めなかったのは、ずっとトカゲ君が真剣に耳を傾けてくれたからだろう。
予想通り、私の話は最後に至ることなく、キャラバンとの合流を果たした。彼は若干名残惜しさを残しながら私に手を振ってキャラバンと共に歩いて行った。
新たなリーダーはひょうきんで気が良かった前のリーダーよりも強面だったが、トカゲ君が戻ってきたことに微笑みを浮かべている所を見ると彼もまた良いリーダーなのだろうと思えた。
キャラバンと別れて、私は旅を再開する。
目的は変わらない。私の過去の足跡を辿る旅だ。
トカゲ君のような人がまたいるとも限らない。猫ちゃんのような迷い子がまたいるとも限らない。
続けねば、とは思わないが、続けたい、とは思う。
きっとこの先に私が求め、私を求める人々がいると信じて。
私は旅を続けよう。そう、悪くはならないはずだ。と。
終わり
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後書き
最後まで読んでくださった方に感謝を。
この話は異世界の旅モノが書きたいなぁと思って一気に書ききったものです。スタートは何時だったか覚えてないですが、たぶん4,5時間ぐらいで書いた…のかな。
今のところ勢いで書いたヤツしか完結してないので、その場その場で書ききった短編以外を投稿する予定はありません。
リクエストは受け付けていませんが、ネタをコメントに投稿してもらえば、ティンと来た時にストックしていつか書くかもしれません。お望みのものが出来上がらない可能性もありますのでご注意を。
また、機会があれば読んでくださると嬉しいです。では。