大雨の中、新たな一歩 ~ U-18リーグ開幕
6月2日(日)
第2回神奈川県U-18女子サッカーリーグ・3部
「桐蔭学園・B − LINDA SMILES」
(桐蔭学園グランド)
昨年春にクラブを立ち上げて以来、LINDA SMILES として初となるU-18年代の公式戦となる「U-18リーグ」が開幕。
「中高生年代の女子サッカークラブ」と謳いながらも、昨年度は高校生に公式戦を体験させてあげられませんでした。
しかしクラブも2年目となり、ありがたいことに高校生も少しながら増え、今年度よりU-18リーグにも参戦できることとなり、ようやくこの日を迎えることができたというわけです。
「みんなのおかげでクラブの新しいページをめくることができた。本当にありがとう」と選手たちに伝えました。
しかし、18名エントリーしたものの体調不良が相次ぎ欠席者が続出。なんと12名での初陣。仕方のないことですが、逆にこの日この場所に集まってくれたこの12名に、いくら感謝してもしきれないくらいの想い。
サブメンバーはGK控えの選手(中1)のみ。フィールドプレーヤーは全員フル出場。もうやるしかない、という状況。
高3が1名、高2が2名、高1が1名、中2が3名、中1が5名。
この12名で臨んだクラブ初のU-18公式戦。このピッチにたった時点で彼女たちはもう勝者。
そしてこの日のことは、僕はきっと一生忘れません。みんなありがとう。
相手チーム応援団の歌や太鼓が聴こえる中での試合。
個人的にもこういう舞台は久しぶり。あぁ、高校女子サッカーの舞台に本当に帰ってきたぜという感慨も少しありながらの試合でしたが、試合が始まってしまえばそんな感慨に浸る余裕もなく、選手たちを鼓舞することしかできませんでした。
相手はBチームとはいえ神奈川県ベスト4の強豪校。みんな身体能力が高くアグレッシブ、そして言い方に語弊があるかもしれないけれど、何より「ガタイ」がいい。そしてもちろん速い。結果ほとんどのシーンで当たり負けしてしまいボールロストをしてしまう、そんなシーンの連続となりました。
そこに関してはもう、現状では仕方のないことです。
大雨の中、そして苦しい状況の中でクラブの代表として戦ってくれているこの12名を見ているだけで僕はずっと胸が熱くなっていたし、この試合で少しでも成長させて帰らせよう、思いはそれだけ。
前半、体負け以外の理由でボールを奪われていた原因も分かりやすく明らかだったので、ハーフタイムにはパスの方向やタイミング、チームとしてどのようにボールを運んでいくかということを共有しました。
精神論的なことはほとんど言わなかったけれど、でも戦い方を共有したことで結果的に戦うスイッチにも火がつき、後半は前半よりも明らかに入りも良く、局面局面で随所に相手とバチバチにやり合えるシーンも増えてきて。
攻める回数、相手陣地に押し込む時間が明らかに増えたことで結果としてカウンターを喰らう回数も増えて失点こそ前半よりも多くなりましたが、そこは引き篭もらずに攻めた結果なので、彼女たちの戦いぶりを心から称賛したいと思います。
強度の高い相手との試合の中で、選手は劇的に成長します。
この試合でも、前半は独りよがりのプレーが多くボールロストばかりしていた選手が、後半ようやく目を覚ましてくれたのか味方の重要性を心で理解できたのか、速い相手に引き出されたのか、、おそらく理由は全部なのですが、パスを受け相手の寄せを利用した上でタイミングよく味方に預けることが急に劇的にでき始めたり。
前半終了間際、これまで高校生との試合をずっと怖がっていたGK控えの中1選手に「もっと後からにする?それとも後半最初から行く?」と聞いたら
「最初から行く」と答えてくれました。
いつも遠慮がちな彼女がここまでの意思を伝えてくれたのは初めてのこと。彼女とのこのやり取りは、僕の中でしばらく忘れられないシーンとなりそうです。
彼女を含めた中1メンバー5名全員、高校生相手に臆することなく最後まで勇気を出してプレーしてくれていました。彼女たちの勇敢なプレーは本当に素晴らしかった。中1にしてあの強度。もう何も言うことないです。
中2の3名もそれぞれの場所で持ち味を出し相手に打ち勝とうと必死にプレーしてくれていたし、高校生4名も、まずこのピッチに立っていることが1年前からしてみたら信じられないことで、先ほども書いたようにこの試合にこうして出ていること自体がすでに称賛ものなんです。一人一人に、それぞれのストーリーがある。
そしてピッチではもちろん、皆それぞれのベストを存分に出してくれていました。試合後は悔しさを露わにしていた子も。
相手とのフィジカルの違いを痛感したのか、帰宅してから「ジムに通う」と言い出しチャーハン2人前と焼きそばを食べたという子もいたとかw
(ママ情報)
いいぞもっと食え!
大敗でしたが、ここまでの背景や経緯にはたくさんのものがありました。
ピッチに立ってくれた選手たち全てに感謝。そしてみんな本当によく頑張りました。今日に関してはもう何も言うことないです。忘れ難い一日になりました。
みんなお疲れさま!そして本当に本当にありがとう。
でも、負けたのは悔しいしこのまま満足していてもどうしようもないので、悔しさを味わった人、次からもっとしっかり練習しよう!
僕も一緒に頑張ります。コーチ陣みんなでもっと頑張ります。
最後に個人的な話ですが
桐蔭学園のAチームには久保田の教え子がいて、数年ぶりに再会ができてたくさん話せて嬉しかったのと
なんとうちの試合の主審を担当して下さった派遣審判の方が、2年前まで久保田が監督を務めていたINAC東京U-15で直接指導していた選手のお母さんでした。昔からライフワークとして審判活動をしている方で。
まさかの再会で、気づいた時はお互い声を上げてビックリ仰天、、w
サッカー界は狭いです。特に女子サッカー界は本当に狭い。
いま関わっているLINDAの選手たちとも、いずれ数年後にこうやってどこかのグランドで再会したりするのかなぁなんて夢想しながら、いろんな思いを溜めながら胸いっぱいの帰宅となりました。