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Bang & Olufsenを初めて聴く Beoplay Portal PC PS 使用レビュー

こんにちは、三寒四温を盛大にこじらせた異様な天候が続いておりますが、今回は「Bang & Olufsen(バングアンドオルフセン)」のゲーミングをうたったワイヤレスヘッドホン、「Beoplay Portal PC PS」の使用感について報告します。

はじめに

まずはじめに、私は今回初めてBang & Olufsenの製品を購入しました。
その為にブランド特有の音質に対するこだわりや耳慣れはしていません、率直な感想になります。
購入の基準となったのはワイヤレスで低遅延、ヘッドホン本体で音声ミキシングが可能であること、ノイズキャンセリング機能があることなど。

基本スペック

基本スペックについては以下の通り。

■実売価格:約60,000円
■サイズ:167.3 x 178.7 x 92.6 mm
■重量 :282g
■接続 :Bluetooth 5.1, Dolby Atmos 対応, USB-C ポート, 3.5 mm ミニジャック
■付属品:Beoplay Portal ヘッドフォン, PC及びPlayStation 用ドングル同梱, USB-A to USB-C ケーブル, 1.8 m、3.5 mm ステレオケーブル, 1.25 m、クイックスタートガイド、ポーチ
■ドライバー :エレクトロダイナミック
■ドライバーサイズ:40mm
■有効周波数域:20Hz - 22,000Hz
■Bluetooth :5.1
■コーデック :aptXTM Adaptive, AAC, SBC
■バッテリー :Bluetooth とアクティブノイズキャンセリング利用時、最大42時間 / 同梱ドングル利用時、最大19時間
■充電時間  :約2時間

公式サイトより

このスペックから見て特に目に留まった点は、282gという圧倒的な軽さと広い周波数域、BluetoothコーデックにAptX Adaptiveがある点でしょうか。
もちろん、長い再生時間も有難い点ではあります。

実際に使用してみて

基本スペックはこんな感じになりますが実際の使用を通して感じた点は以下の通り。

・音質は全体的にフラット、されど明瞭さに欠ける。コーデックによって低音減衰がはっきりと分かる。

今までapple(アップル)、SONY(ソニー)、Bose(ボーズ)、Sennheiser(ゼンハイザー)、JBL、ヤマハ、オーディオテクニカ、パナソニック、SHURE(シュア)など、様々なブラントと価格帯の製品を実際に購入して使用してきましたが、特に優れている印象はありません。
このフラット調で見るとappleやshureあたりが近いかもしれませんが原音忠実表現という感じでもなければオリジナルでダイナミックといった感じでもない。それが良いかと言われれば決して良いとは言えず音質では選びませんね。

PC使用時に付属するWindowsのDolby Atmosのライセンスもそこへ拍車をかけています。
あの機能、よほど製品と音源の融和性がなければかえって音質に悪影響を及ぼしているとしか言えません。
試しにこの製品でDolby Atmosを有効にしてゲームプレイをしましたが音の定位性が失われ非常にくもりました。

また、公式サイトでははっきりとしたミキシング対応表記がありませんでしたが問い合わせたところ、ヘッドホン本体のみで音声ミキシングが可能です。
有線は試していませんが、専用ドングル(2.4Ghz)とBluetoothで同時に音声の出力が可能なことを確認しています。

ただし、ここに大きな落とし穴があってミキシング時のBluetoothコーデックはAACが限度となります。
これも公式サイトでは一切記載していない内容で、AptX Adaptiveはミキシング時に使用できません。
ミキシングを開始した時点で再接続が行われ、AACでの接続になります。(AAC対応がなければSBC)
同時無線接続による弊害なんでしょうが、この強制変更が大きなポイントでAptX Adaptiveで聞こえていた音がAACで露骨に聞こえなくなってしまうんですよね。

それが先ほどのポイントタイトルの低音減衰になります。
細かい音が聞き分けられるような高尚な耳は持っていませんが、コーデック変更時の低音の減り方は明らかにわかります。
そう、聴いている曲の印象が悪い方向へ全く変わるほどには。
ダイナミックな曲であればスカスカになります。ボーカルの声が艶やかであれば枯れてしまいます。
それほど音が軽く薄くなってしまうのを感じてしまったのが大きなマイナスポイントでした。
※本来であればAACでも十分聴けるようにできているのですが(例としてSONYのイヤホンでLDAC非対応製品)、このBeoplay portal製品は明らかに音質が劣化しましたね。

・付属マイクは笑っちゃうクオリティ

公式サイトにはこのような表記があります。

最先端のマイクロフォン技術・音声通信
革新的なバーチャルブームアームでクリアな通話を。複数のマイクを配することで、バックグラウンドノイズを抑えながらユーザーの声を増幅します。

公式サイトより

では実際に使用してみるとどうでしょう。
拾った音はボケボケで明瞭さの欠片もない。周辺の環境音もある程度拾う。
他のマイクでは何を言っているかわからないといったことはないのですがこのマイクではそれがしばしば起こりました。
それほどにマイクの質が悪く、とてもテレワークでのミーティングや通話に使用できるものではありませんでした、残念。

・ゲーミング用途で見る類似製品「EPOS H3PRO Hybrid」との比較

ゲーミング目的で使用する際、似たような製品があったので聴き比べてみました。
比較対象はEPOS(Sennheiser)のワイヤレスヘッドセット、H3PRO Hybridです。

■実売価格:約40,000円
■サイズ:176 x 183 x 92 mm
■重量 :308g
■接続 :Bluetooth 5.2, 専用ドングル(2.4GHz), 3.5 mm ミニジャック
■Bluetooth :5.2
■コーデック :SBC
■バッテリー :同梱ドングル利用時、最大19時間
■充電時間  :約2時間

独自調べ

同じようにワイヤレスで低遅延、音声ミキシングが可能でマイクやノイズキャンセリング付きです。
音質はブランドの方向性が違うこともあってか真逆で明瞭そのもの。定位性も高いのでしっかりと音を拾えます。
外付けマイクも明瞭で取り外しも可能。取り外した場合も品質は落ちますが内部マイクで通話ができます。
ノイズキャンセリングについてもBeoplay portalよりもしっかりと音を消しています。

ただし、BluetoothのコーデックはSBCのみで音声ミキシング時に電波状況によってはBluetooth側音声が歪みます。
Beoplay portalでは音声ミキシング時にコーデックの強制変更こそあれど、通信自体は安定していたのでこの点は劣ります。
何をもってして満足感につなげるかは人それぞれですが、純粋な音質性能で言えばH3PRO Hybridが明らかに優れています。

・価格に見合う価値を探るも見つからず、最終的に所持欲ぐらいしかない。

今までBang & Olufsenというブランドに関しては話に聞いていて、製品のレビューが高評価なものばかりだったので、やはり高いものはある程度の品質があるんだろうなぁと眺めていました。
今回、ゲーミングや映画、音楽鑑賞という目的で奮発して購入をしてみましたが、少なくとも音質に関してはappleと対して変わらないというのが正直な感想です。
逆に言えば、appleが好きな方であれば満足できる音質なのかもしれません。

音質以外で目を向ければ、この軽さで製品の高級感を演出するフォルムは素晴らしい。
見た目はシンプルながらラムスキンのイヤーパッドをはじめとした素材の良さは随所に感じます。
ただ、これを選ぶとなると一般層ではなく質感重視のブランドファンやマニア層なのかなと思いました。

また、操作性に関してはXboxエディションでも言われていましたが音声ガイダンスがないので分かりづらいの一言に尽きます。
プッ、ププッといった電子音でしか返事を返さないので今音量やノイズキャンセルの強さがどんなものか、電源を入れたのか落としたのかなどが把握しきれません。

高級感を売りにするのは一定の需要があり良いのかもしれません。
ただし、使用感や肝心の音質が二の次であればこのオーディオ機器というジャンルでは生き残れないかもしれませんね。
少なくとも、日本での展開を見るに将来的に国内展開品はなくなりそうだとみています。

この製品がBang & Olufsen全ての品質を担っているとは言いませんが、初めて触れた者からすればこのブランドには手を出すべきではなかったと思いました。
それほどに日本内では優れたオーディオ製品が他にたくさんあります。
この製品は音質や使い勝手で見れば最大で30,000円がいいところでしょう。
ファンの方には批判のように見えてしまい申し訳ありません。これがBang & Olufsenを知らなかった者の率直な感想になります。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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