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2016年6月6日創業のLincの6周年を振り返る

気づいたら、会社設立から6年が経過した。

僕はLincの創業日を気に入っている。
中国人にとって6はとても縁起の良い数字であり、中国語では順風満帆・万事成功を意味する 「六六大順」という四字熟語すらある。

確かに直近数カ月は事業計画以上の成長ができており、悪くは無い。

しかしLinc創業の道のりは決して順風満帆ではなかった。

縁起が良い日だから、Lincの6年間を振り返りつつ、「運」について考えたいと思う。

人の運命には、偶然の幸運と必然の幸運がある。

通勤途中にふと見ると1万円札が落ちてる、宝くじを買って100万円が当たる、これらは偶然の幸運。99%の人にとって、一生に一度も起こらない。

しかし、努力と勤勉で手繰り寄せられる幸運もある。
それが「必然の幸運」である。

必然の幸運を追い求めるには前向きな、積極的な姿勢が必要だ。 何故ならチャンスは受け身で待つ人間には訪れなく、自分から積極的にチャンスを作りにいく人間にしか訪れない。

だから「必然の幸運」を手繰り寄せるには努力をし続ける以外ないのだ。

どんな困難があっても、常に努力し続け、逞しく、前向きな人はチャンスをものにし、幸運を手繰り寄せる。

起業して6年で学んだ事の一つは、起業、そして組織と事業を成長させる過程は常に困難が山積しているが、このプロセスを楽しめれば、積極的にユーザーと向き合い一つ一つの課題を解決できれば、長期目線を保ち続ける事ができれば、きっと幸運を手繰り寄せられる、という事だ。

そのためにはどんなメンタリティが必要かを考えてみる。

失敗を恐れない。

起業をするにあたって失敗はつきもの。失敗や葛藤を抱えない起業家は見たこと無いし、みんな寝ながらでも夢の中でもがいている。

誰が言ったのか忘れたが、今日の失敗は全て明日の大いなる成功の布石である。

残念な事に多くの人は失敗のプレッシャーに耐えられず、明日を迎えられずに諦める。

また失敗した後に外的要因を探すことが多い。

「事業が上手く立ち上がらず、数字が伸びない」
「組織を上手く作れない、部下が辞める」
「コロナ」

外的要因は探し出したらキリがないが、外的要因のせいにするのは、ほとんどの場合責任逃れのための言い訳に過ぎず、意味をなさない。

まずは自分から原因を探さないといけない。どんな失敗も、その原因は自分自身にあるはずだ。

他責を捨て、失敗に対し自責であり、人生に対し主人公意識をもっている人間の元にしか幸運はやってこない。

中庸を貫く

中庸を貫くことは即ち健全なバランス感覚を保ち、極端にならない、ということだ。

起業家は極端になりやすい生き物だ。
良い意味でも悪い意味でも自分が信じたい事を信じたがる。
楽観視しすぎると過信につながり、悲観視しすぎると心が壊れる。

「局部ではなく、大局が見えているか?」
「他人の評価やチヤホヤを自分に対する正当な評価だと勘違いしてないか?」
「現状に過信せず最悪の場合を想定しPlan B, Plan Cをもっているか?」

幸運を手繰り寄せる上で、バイアスを排除し最適解を常に模索することは非常に重要であると感じる。

パートナーは常に僕に「現実的な理想主義者」になろうと諭してくれるが、互いに議論を通じてバイアスを排除できる経営陣がいることは中庸を貫く上で非常に心強い。

仲間に対する感謝の気持ちを忘れない

起業してからの一番の学びが自分一人では何もできない、という事である。

「速く走るには一人で、遠くまで走るには仲間と」

この言葉に尽きる。

Lincが大きく成長している事は仲間達の成長と努力の結果に他ならない。

起業した六年を振り返った際、起業初期の僕はお世辞にも仲間を大切に出来ていなかった。

尊敬する経営者である島田亨さんが楽天球団社長時代に当時部下だったVisional社長の南さんに「あなたはあなた自身の部下になりたいですか?」という話をした事があったそうだ。

この問いには非常に考えさせられた。

色々考えたが、結局僕は仲間を大切にし、感謝の気持ちを持ち続けている人と共に働きたい。

振り返ってみると一緒に汗流して頑張る仲間、信頼してくださるユーザーやパートナー企業、サポートしてくれる株主や家族等がいなければ、きっとLincという会社が6年も続けられる事は無かった。

この場をお借りして改めて皆様には心から御礼を申し上げます。

今後も皆と共に、皆を愛し皆から愛されるLincを作っていきたい。

最後に

実のところ、人間は困難のある人生か、無い人生かを選ぶ自由を持っていない。

生まれたその日から、人間の成長は常に困難と隣り合わせだ。

歩けるようになりたければ転倒の痛みに耐え、
話せるようになりたければ繰り返し練習し、
優秀な成績を収めたければ常に競争にさらされ、
恋をすれば失恋に涙し、
仕事をすれば失業のリスクを負い、
起業を始めれば失敗の洗礼を受ける覚悟を背負わなければならない。

正に苦難の連続だ。

誰も人生の困難や苦痛から逃れることはできないが、最大の違いは、人生で遭遇する困難の数ではなく、それに対してどのような態度をとるかにある。

課題や困難に対し逃げずに向き合い、解決するプロセスを心から楽しみ、人生の栄養素と捉える事ができれば、きっと幸運を手繰り寄せる事ができるだろう。

実は、人間には元から困難を乗り超える勇気以外、何もないのかも知れない。

実際に人類のあらゆる進歩、文明のあらゆる繁栄は、人類が勇気をもって挑戦し、困難を克服してきた歴史そのものだ。

この6年間を振り返ってみると、結局のところ幸せを感じた瞬間というのは仲間達と絶えず努力し、共に困難を乗り越え、何かを成し遂げたという達成感からくるものばかりだ。

そういう意味でこの6年間、僕は非常に幸運だった。

そして仲間達と努力し続ければ、僕は、Lincは今後もきっと幸運に違いない。

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