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夢とパッションしかない若いCEOが強いマネジメントチームを創るには

「良いチームに対してはどんなバリュエーションを付けてもフェアバリューである」という言葉をとある投資家から聞いたことがあります。

しかし、良いチームは分かっててもなかなか創れない、というのが実情だと思います。

Lincは先月、半年近くステルスにしてきた経営体制強化のプレスをリリースしました。

本件に関する反響は思った以上に大きく、勉強会に登壇して話をさせて頂いたり、知人の起業家に相談されたり、知らない起業家からもDMを通じて「役員クラスのメンバーはどのように採用すべきか」と聞かれたりしました。

反響が大きかった理由はビジネス経験もマネジメント経験も圧倒的に足りてない(特に頭が良いという訳でも無い w)夢とパッションしかない若いCEO(いうてもうそんなに若くも無い。。。)である自分がどうやって彼らのような優秀なマネジメント人材を惹きつけたのか、だと思います。

結論からいうと「運」が良かったからです 笑 

出会えたこと自体ご縁ですし、ましては一緒に仕事をするということはひょっとしたら家族よりも長く一日を過ごす時もあるわけですから、「運」としか言いようが無いと思います。また、優秀な人は多くいますが、優秀のみならず会社のビジョン・ミッションに共感してくれ、共に事業を推進するパートナーになれる人は少ないです。なので本当に運が良かったと思ってますし、CSOとCTOに出会えたことには感謝しかないです。

ただ、適切な「準備」と「努力」無しに幸運を引き付けることはできないです。

今日は私が行った準備や努力をnoteにまとめようと思います。僭越ですが、少しでも参考になる部分があれば幸いです。

組織は上から創る

「組織は上(経営陣)から創る」、株主であるジェネシアベンチャーズの田島さんにいつも口酸っぱく言われてきた言葉です。私は最初から主体的に経営チームの強化に取り組んだわけではありませんでした。日々のオペレーションに追われ、むしろあまり本気を出していなかった方だと思います。

そんな中、組織が崩壊しました。9名いた社員は気づいたら7名辞め、残ったのは私と共同創業者だけという振り出し状態に戻ったのです。

なぜ組織が崩壊したかは別のノートに詳しく書いたので、ここでは割愛しますが

当時は相当ショックでした。会社の雰囲気もとても悪くなり、一日中誰も喋らない、なんて日もありました。(今考えるとその時来てくれてたインターン生等には本当に申し訳なく思ってます。相当居心地が悪かったんだろうな。。。苦笑)

組織崩壊はむしろチャンス?

組織崩壊は会社が死ぬ瀬戸際だと思ってます。「会社が死ぬ時は事業がダメになった時ではなく、心が折れた時」という話は以前から聞いてましたが、組織崩壊が与える心理的ダメージは特に大きいと思います。

ただ不思議な事に、どこか根拠の無い自信もありました。メンタルだけ人一倍強い自負がある私は、当時の組織崩壊をチャンスだと捉え、本気で経営層から組織を創り直すことを決心しました。

何より、会社が悪い時にジョインしてくれる人は本当にその会社の世界観に共感している人であり、今後ちょっとやそっとで辞める人では無いので、ここで全てをさらけ出し、「もしこんな状況下でも「一緒にやりたい」と言ってくれる優秀な経営層のメンバーを集めることができたら、会社が大きく化けるんじゃないか」と楽観的に考えてました。

経営層クラス人材の探し方及び巻き込み方

①どのような人を経営陣として迎え入れたいか具体的に考える:採用の相談を受ける際、採用したい経営陣の人材像を聞くようにしてますが、多くの場合「上場しても一緒にやれる人」や「ビジネスサイド全般を回せる人」といった、もちろん間違っては無いのですが、どこか具体性に欠ける回答がほとんどでした。

なのでまずは徹底的に定義し、数字に落とし込むことをお勧めします。例えば、「オペレーション全般を回せる人」の場合、もっと具体的に定義すると「事業オペレーションの組織体制を0から創れ、勝ち筋のある戦術を考え、徹底的にエグゼキューションしていくこと」という三つの大切な要素に因数分解でき、より求めているマネジメントメンバーの人材像が具体的になります。

また、Lincの場合、事業計画上、上場する際は300人程の組織になっており、そのうちビジネスサイドが200名、プロダクト・Techサイドが100名になる予定なのですが、このように具体的に数字に落とし込むと、私が理想とする経営層のメンバーは少なくともこの規模の組織・人材を動員し、マネジメントした経験がある人でないといけないと分かるわけです。

②もっと大胆に、執念深く探す:当たり前な話ですが、トップレベルで優秀な方とは普通にしてても会えません。「優秀な知人の周りには優秀な人がいるから紹介してもらう」、これはセオリーとしては間違いないのですが、いかんせん私みたいな社会人経験が浅く、関わったことのある社会人も少なく、周りの友人も皆若い起業家の場合、単純なリファラル採用で経営層メンバーを採用するのはかなり限界があると感じました。弊社のCSOは私より12歳年が上だし、CTOは10歳年上です彼らとは元々接点が無かっただけに、おそらく知人の紹介だけを頼りにしても出会えていなかったと思います。

そこで私がやったのは「全くつながりが無くても大胆に探す」ということです。例えば上場して一年くらいのイケてる企業のSO付与者を目論見書で調べて積極的にDMで連絡してみたり:

もしくはイケてそうな方のFBを通じて更にその方の友人リストを見たり(ほぼストーカーです)。もしくはその方の投稿に「いいね!」押してる友人のプロフィールを覗き、良いと思ったらメッセンジャーを送ってみたり。私はそうやって今のCSOのフェさんと出会いました。

また、FBの「共通の友人」部分はその人と自分のソーシャルグラフを示しているので、とても良いリファレンスチェックツールになります。

イケてる人を探す上でもう一つおススメなやり方はLinkedinを活用することです。いろんな起業家とお話する中で気づいたのですが、起業家って驚く程Linkedin使わないんですよね 笑 一方で、感度が高いプロフェッショナル人材は必ずと言ってよいほどLinkedinに登録してます。そこからイケてそうな会社を入力するとそこで働いてるイケてる人達を見つけることができます!

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また、Linkedinに登録している感度の高い人材はプロフィールを詳しく書く傾向があります。今まで、どの会社で、どのようなポジションで、何をやってきたか、何年働き、いつ転職したか、、点々としたその人の情報が一気に線として繋がります。弊社CTO胡さんのLinkedInプロフィールも何度もチェックしました 笑 FBやLinkedInは共通点探しにも使いやすく、ちゃんとチェックすると初回お会いする際でも話が盛り上がります。

③徹底的に巻きこみ、口説く:当然ですがトップレベルで優秀な方はキャリアの選択に困りません。なので本当に「一緒に働きたい!」と心から思える方に対しては積極的に会いに行き、とことんビジョン、ミッション、世界観を語りまくる必要があります。また、会社の状況を包み隠さず全て話すことをお勧めします。そのためには会社の現状、良い所、悪い所、将来の計画等を素直に伝えましょう。悪い点を伝えることに対して躊躇する起業家もいますが、会社の問題点は特に明確に話すべきです。それでダメだったらご縁が無い、というだけのことです。因みに、マネジメントクラスの人材は今まで色々と経験してきているので、高い確率で何とも思わない可能性があります。逆に素直に話すことで信頼関係が深まります。

また、事業計画をベースに議論に巻き込むことを強くお勧めします。起業家は事業計画が甘いとよく言われますが、理由の一つに「現実味が無い」があると思っています。本当にマネジメント経験が豊富でバリバリ現場で事業を推進してきた優秀な経営層の人材は、事業計画の甘さを指摘するだけでなく、一緒に一つ一つの数字のロジックや現実味、実現可能性を考えてくれます。例えば、事業計画の売上部分だけを見せ、これを達成するためにはどのような人的リソースが必要で、どれくらいの広告宣伝費をかけ、どのチャネルに投下するか?等を聞けばその人の実力や経験がある程度把握できます。それはプロダクトサイドでも同じです。優秀なマネジメントレベルの人材を事業ベースで議論に巻き込んだ際、驚く程事業の解像度が上がったりします。そうすると全員がワクワクし、ジョインしてくれる可能性も格段に上がると感じました。

④形式に拘らない:フルコミットと正社員になる事は違います。なので必ずしも最初から正社員として参画してもらう必要は無く、事業フェーズに一番適した働き方を選択すれば良いと思っています。マネジメント層に求められる能力はゴールまでの道筋を示し、達成するために必要な仕組み(資金面、事業面、組織面)を作ることです。それさえ出来れば別に毎日8時間オフィスに座ってる必要はありません。世の中の働き方がより自由度高く、多様化してきている中、初期から統一された固定的な働き方に拘る必要はないと感じてます。

入社後が肝心

期待値上げず、すぐに役員にしない:過去の失敗経験からすると、採用するときから役員前提で採用してしまい、ストレッチをかけすぎた結果負荷が大きくなり耐えきれなくなって辞められたことがありました。なので、能力値的に経営層として活躍できそうな人でも、最初は期待値をコントロールし、敢えて役員にせず、実際の成果をベースに評価するようにしました。また、成果を残した際に役員に上げた方が周りの社員も納得します。本当に能力値が高く、できる人は自分に自信があるため、役職に拘りません。

しっかりコミュニケーションを取る:以前組織が崩壊しそうになった際、数ある反省点の一つにコミュニケーション不足がありました。すれ違いは本当に怖くて、悪い意味で乗数効果が出てしまいます。90%納得のコミュニケーションを二回するだけで、全体の納得感は81%まで下がります。Lincの経営陣はまず「100%納得するまで議論する」ことをルールにしています。

これは経営陣だけでなくメンバーにも言えることですが、100%納得すると顔つきが変わります。また、納得の上で仕事に取り組めるので、常に全力投球が可能になります。そして100%納得するまでコミュニケーションを取ることで、結束力がよ高まると感じます。

密度の高いコミュニケーションを高頻度で取ることも大事だと感じました。今では少なくと経営陣三人では週一で長時間のランチMTGをし、週一でがっつり時間を取って集中的に議論するようにしてます。また、CSOのフェさんとは毎週金曜日の朝8時半からDenny'sで399円の朝食(ドリンクバー付き!)で朝活してます 笑 一週間の総括をしたり、最近読んだ本を共有したり、悩みを相談したり、事業に直接関係ない話も多くしてますが、そういった話も信頼関係の構築に非常に大切であると感じます。

強いマネジメントチームを得て何が変わったのか

当初は日々のエグゼキューションに追われることを理由に、中々本気で経営層の採用に取り組まなかったのですが、今は「なんでもっと早くやらなかったのか」と本当に悔やんでます。本来は目先の定量的な目標や手元のタスクを一旦止めてでも組織創りに本気で取り組むべきです。なぜなら、強い経営チームはその後、何倍もスピードアップして事業を推進することができるからです。

権限委譲によって、CEOはCEOがやるべき仕事に集中できます。今はビジネスサイドの事業推進はCSOのフェさんに任せており、プロダクトサイドはCTOの胡さんに任せてます。当初は任せっぱなしだと申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、二人から「仲さんは仲さんがやるべきことに集中してください」と言われ、本当に救われました。

また、メンバーとのコミュニケーションを重視し、フラットかつオープンな組織作りを心掛けた結果、オフィスの雰囲気がガラッと変わりました。そして、マネジメントが上手な二人のおかげで、メンバーも生き生き働くようになり、オフィスが一気に明るくなりました。

採用積極募集中

本の数か月前まで組織が崩壊し、二人の共同創業者だけになってしまった会社は、今ではインターン生含めて35名程までに成長しています。

それでも私達が目指している「日本に来て良かったを最大化させ、多様性と包容力溢れる社会を実現する」というビジョンを達成するためには全てのポジションで圧倒的に人が足りてません。。。

私たちは来るべく「大労働力不足時代」を見据え、圧倒的に増えるであろう外国人材の日本における留学、就職、生活を支えるライフイベント支援プラットフォームになることを目指しています。

優秀な経営陣の基、一緒に社会的意義の大きい産業づくりを共に目指せる仲間を絶賛募集しております。少しでも興味を持った方はまずお茶からでもお願いします!




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