オイシックス新潟アルビレックスBC25年新戦力まとめ
始めに
12月3日アルビレックスBCは新入団選手15名を発表、4日には元DeNAの髙田琢登投手を獲得発表するなどここまで16名を精力的に獲得している。ここまでの動きを整理するためにいったん選手を一人一人見て行き来季の展望を考えていきたい。
ファーム成績はぼーのの日記さんのものとNPB公式のものを使わせていただきます。ぼーのさんいつもありがとうございます!!
https://bo-no05.hatenadiary.org/entry/2024/04/21/171159
(記載の選手年齢は2025年1月1日時点での年齢)
現状戦力の確認・新入団選手の経歴など
昨シーズンは合計46名の選手が所属し、このうち4月10日に捕手の谷元が自主退団、8月1日に吉田投手が台湾の台鋼ホークスに移籍した。そのほかの選手はシーズン終了まで在籍しており、シーズン終了後に10月25日に下川投手がヤクルト育成3位指名を受け退団、その後9選手が引退、5選手が自由契約となった。ということで46選手中ここまで17選手が抜け残り29選手となっている。
抜けた選手でチーム的に痛い選手で投手では投手チームTOPのWAR1.4を記録した下川、tRA2.62と非常に好調な投球でIP36.7にもかかわらずWAR0.6をたたき出した吉田。野手ではホームと後半戦に強く最終的にWAR1.0を記録した小池外野手であろうか。
現状の問題点としては下川が今季全体IPの10.2%を一人で食っており、全体で見ても20.8%分が抜けたためしっかり投げられる先発などで埋められるかどうかが一番大きいか。
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次に新入団選手の一覧をザックリ見る。
ここまでの内訳は投手7名、捕手2名、内野手2名、外野手5名。元NPB・独立の実力者から地元の高校生まで幅広く獲得している。
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投手
高野 結羽
出身:福島県 経歴:聖光学院高 24秋野球太郎600名リスト入り
最速145キロの真っすぐと130キロ台の高速スライダーが持ち味の右腕。甲子園には23年にはリリーフ、24年には先発と2度出場。実力は確かなものだと思うのでゆっくり長い目で育てていきたい。本人も入団会見で「1年目は体作りも含めてスケールアップして、2年目で勝負出来れば」と話す通り2年目から勝負していきたい。
評価:2年目から勝負!!1年目は体を!!
参考動画:24年夏の甲子園1回線鶴岡東戦での先発登板
高橋 駿臥
出身:新潟県長岡市 経歴:中越高 24秋野球太郎600名リスト入り
最速142キロを誇る地元出身の右腕。今夏は怪我に苦しんだという情報も。コントロールにやや不安があるもののしっかり2年目を見据えてレベルアップしていきたい。
評価:2年目から勝負!!
参考動画:24年夏の新潟大会準々決勝佐渡戦での先発登板
今井 亮太
出身:東京都 経歴:広島新庄高-東京国際大
東京新大学野球連盟1部に所属する東京国際大の先発投手。球歴.comによると大学4年の秋の大会では5試合で5先発、防御率1.67という成績を残したようだ。4年の春は1試合しか投げていないが3年の春秋も防御率1点台と完成度の高さがうかがえる。球種はストレート・スライダー・フォーク・カーブ?しっかり見ていないが真っすぐと変化球をバランスよく使えていてまとまりがある?とりあえずはローテーション候補であろう。
評価:開幕ローテ候補
参考動画:9月22日創価戦での先発登板
南波 秀
出身:新潟県新潟市西区 経歴:東京学館新潟高-松本大
関甲新野球連盟1部に所属する松本大では先発を任されていた投手。4年生次には13試合で8先発、防御率は春が6.39、秋が5.19だった。四球をあまり出さず秋のBB%は7%と大きく乱れない。球種はストレート・カットボール・スライダー・フォーク?気になるの部分が防御率が悪い理由である。このリーグの強豪である上武大に今季2回、山梨学院大に1回先発しているのだがどれもKOされており強いチームには通用していない。ただここでも四球は少なくなっている。多少ボコボコに打たれても打球がスタンドに入らなければ一定確率でアウトにはなるのでロングリリーフや先発などで試合をこなしていく役割を期待したい。
評価:とりあえず安城や笠原と先発で競争、その後ローテかロングリリーフかどちらかへ?
参考動画:9月16日秋季リーグ新潟大学戦での先発動画
山下 一馬
出身:東京都 経歴:中央学院高-立正大
東都大野球連盟2部に属するチームに所属する右腕。最近の登板は3年の秋に1度リリーフで登板しただけ、21年1年生の時には6試合に登板したようだ。
評価:投げていないので不明だが投げられないぐらいのレベルなのでとりあえずはビバインドのリリーフから
参考動画:21年秋の拓殖大戦での先発登板のまとめ動画
日渡 柊太
出身:岐阜県 経歴:市立岐阜商業高-中部大-富山GRN 24秋野球太郎ドラフト候補カラー111名入り
今シーズン日本海リーグの目玉だった投手。150キロ以上の真っすぐとキレのいいスライダー・フォーク・カットボールを操る。リーグでは無双し、28試合,29IP,K%26.1,BB%7.9,FIP3.69,FIP-85.9と他を寄せ付けない投球。堂々の抑え候補でもう一度2軍という舞台で12球団入りを目指す。
評価:上村投手と抑えを巡る戦い、まずはダブル抑えで。
参考動画:今期のオリックスとの交流戦での投球
髙田 琢登
出身:静岡県 経歴:静岡商業高-横浜DeNA
高卒プロ4年でDeNAを戦力外になり、ハヤテのトライアウトを合格もアルビレックスへ入団。4年間の内で1軍の登板はゼロ。4年間で64登板,13先発,0勝10敗。髙田の大きな問題がフォアボールが非常に多いことだ。今期はWAR-0.3,tRA5.75と悪い成績でK%が9.7%に対しBB%が14.6%と四球の方が多い。これは3シーズン四球の方が多く制球がままならない状態である。球種はストレートにスライダー・チェンジアップ・カーブ・フォーク・ツーシームである。この中でピッチバリューがプラスなのはチェンジアップのみである。ストレートは平均140キロ。正直元NPB組だからとはいえ成績が非常に悪いため率先して使っていきたいというわけではない。とりあえずローテの5・6番目を安城や笠原、南波と争う形になるだろう。
評価:ローテの5・6番手争い
参考動画:8月22日アルビレックス戦7回のリリーフ登板
捕手
中澤 英明
出身:東京都 経歴:八戸学院光星高-創価大
創価大で主将、東京新大学野球連盟で今秋最高殊勲選手とベストナインを獲得するほどの実力を持った捕手。秋のリーグ戦では32打席14安打、打率.438を記録する猛打っぷりで最終的に明治神宮大会では5番捕手を任せられ決勝まで勝ち進んだ。明治神宮大会では17打数4安打、打率.235を記録。あとは守備の面でどうか。
評価:堂々の正捕手候補、まずは片山捕手と競争
参考動画:11月24日明治神宮大会環太平洋大戦 1回裏にタイムリーヒット
山田 和
出身:神奈川県 経歴:日大三高-東京国際大
東京国際大の正捕手。ハヤテの山田門の兄にあたる。今秋は31打数6安打,打率.194。主に2番を打っていた。しっかり出場できているのは評価が高い。まずは控え捕手から。
評価:まずは控え捕手
参考動画: 9月22日創価戦で2番捕手でスタメン、この試合2安打(今井と同じ動画)
内野手
岸川 和広
出身:東京都 経歴:東海大付属静岡翔洋高
高卒の内野手。試合に出始めたのは2年生から。まずは厳しい2軍の環境になれるために体づくりを。
評価:1年目はしっかりと体づくりを
参考動画: 7月21日 夏の地方予選3回戦 沼津東戦で3番ショートスタメンで2安打
佐藤 圭
出身:新潟県新潟市中央区 経歴:北越高-新潟医療福祉大
新潟医療福祉大の正ショート。今秋の大会は不調で31打数でスラッシュラインが.097/.263/.226と成績が全く振るわなかった。春も34打数で.265/.342/.412とこのリーグからすれば別に優れているわけではない成績。守備も秋も9試合39守備機会で4エラー、守備率.897と悪い。大卒だが長い目で。
評価:このままでは2軍では厳しい。1からコツコツと。
参考動画:9月17日の秋のリーグ戦の新潟大戦、5番ショートでスタメン2安打、4回裏にタイムリー、7回の表に送球エラー
外野手
上原 裕樹
出身:大阪府 経歴:関西創価高-創価大
主にライトを守る外野手。大学3年時に春は打率.357、秋は.280と好調だったが今秋は26打数.154と不調に。今秋の明治神宮大会にはスタメンから外され代打へ。外野手は陽・中山・高山・大川と守備に不安がある選手が多いため守備で差別化できればいいが…。
評価:とりあえずは守備でアピール?守備固めで
参考動画:9月29日秋のリーグ共栄大戦、8番ライトでスタメン2四球
浅井 玲於
出身:大阪府 経歴:東海大付属甲府高-星城大-愛媛MP 24秋野球太郎600名リスト入り
四国の大砲。今四国ILシーズンwRAA29.5は徳島の寺岡23.1を大きく抜き1位。wOBAは.433と無双。本塁打9本は寺岡と並ぶリーグタイトップ、まさに大砲。ただし問題がある。それは左に顕著に弱いのである。持っているデータでは対右がwOBA.463、対左wOBA.334と1割以上差がある。ただ左のスライダーに弱いわけではなく左の真っすぐの真ん中から高めが打てないようだ。守備ではDHが一番多く次にレフト、ライトがまずまずみたいな感じである。一応エラーはなし。対左と守備がどうなるか。ちなみにハヤテのトライアウトも受けていた。
評価:とりあえずは対右のプラトーン要員でクリーンナップ、守備はほか両翼が壊滅的なので守らせながら考える
参考動画:IPBL公式のまとめ動画
漆原 幻汰
出身:愛知県 経歴:豊川高-愛媛MP 24秋野球太郎600名リスト入り
外野手登録であるが今季はセカンドの出場の方が多かった選手。今期四国ILのwRAAで10位、wOBA.362と非常に好調。三振少なく四球が多く267打席でK%12.7,BB%13.9と四球の方が多い。ボールゾーンのスイングが少なく四国ILレベルの選手のボールならしっかり見極められているようだ。また空振りも少ない。セカンドでは今期エラー5つ、セカンドの守備はうまい方ではないかもしれない。外野はライトが中心でセンターも守る。アルビはチーム事情的に現状セカンドが田中俊、サードが藤原っぽい感じなのでライトセカンドをその辺とミックスする感じか。
評価:レギュラーでしっかり出場することを目指す?セカンドと外野をミックスしながら
参考動画: 独立リーグ Movie Fileさんのまとめ動画
坂口 大輔
出身:長崎県 経歴:長崎商業高-近畿大 産業理工学部-ジェイプロジェクト-高知FD 24秋野球太郎600名リスト入り
今季四国ILでwRAA13位の8.1、wOBA.343の好成績を残した外野手。今期はセンターを任せられていた。長打力というよりかは出塁というタイプの選手でK%14.0,BB%11.2、IsoP+85.7とどちらかと言えば出塁の選手。坂口も浅井と同じように右に強く左に弱いという性質があり、右wOBA.388に対し左.255と1割以上差がある。とりあえずは対右のプラトーンとして使いながら守備で稼げそうなら対左でも使う感じになりそうか。ちなみに浅井と同じくハヤテのトライアウトも受けていた。
評価: とりあえずは対右のプラトーン要員、守備にも期待
参考動画:9月10日愛媛MP戦、1番センターで出場、先頭打者初球HRを記録
大川 陽大
出身:三重県 経歴:三重高-名城大-信濃グランセローズ-信越硬式野球クラブ
1年ぶりにプロの世界に帰ってくるBCが誇る長距離砲。23シーズンは現SBの大泉に次いでwRAA2位とかなり優れた成績だった。23年シーズンはHRがリーグ2位タイの13HRと長打力を見せつけ、さらにK%10.9,BB%14.9と四球の方が多く確実性も併せ持っていた。守備ではレフトを主に守り、少しファーストも守った経験がある。ただ昨年は1塁・外野合計で81守備機会3エラー、守備率.963と外野ではまずい成績が並ぶ。ただ陽・高山・中山の外野守備が壊滅的なのでまだ試す価値はある。とりあえず外野手陣は対左に弱い打者が多いのでそこのプラトーン要員として活用したい。1年のブランクがどうなるか。ちなみにハヤテのトライアウトは2年連続受けている。
評価:とりあえず対左のプラトーン要員でスタート
参考動画: 独立リーグ Movie Fileさんのまとめ動画
来季スタメンとローテを考える
最初にスタメンだがぼーのの日記さんを確認してもらいたいのだが野手WARでプラスだったのが知念・田中俊・小池・高・高山・藤原・松尾の7名しかおらず、このうち小池と松尾は退団した。なので基本的には知念・田中俊・高・高山・藤原の5人を軸に考えていきたい。
まず捕手は現状片山・片野の既存組に中澤と山田和が加入することになる。基本的には中澤が正捕手で片山も使いながらという感じになるか。
内野手はショートは高で固定。セカンドが田中、サードが藤原のような感じになるか。ただ漆原のセカンドも見たい?のでセカンド漆原、サード田中、ライト藤原の夫人も使っていきたい。問題がファーストで現状これといった選手がいない。陽が20年少しファーストをやっていたのでできるようになると嬉しいが…、また外野の守備がおぼつかない高山もファーストに挑戦してくれるとありがたい?現状は中山がファースト最有力か。対右の時はファースト田中、セカンド漆原、サード藤原で外野を2つ開けるのもあり。
外野は左右でうまく使い分けていきたい。まずセンターは知念で固定。VS右の時には浅井と坂口、陽を、VS左の時は大川とだれかを使っていく感じにはなりそう。
DHは守備が壊滅的だがバッティングが非常に良い高山、あとは陽を入れていく感じになるか。
なんとなく作った左右別オーダー。左打者が多く今シーズンは対左に泣きそう。
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投手ローテーションはエース牧野を中心に藪田・目黒・今井に笠原・髙田・安城・南波あたりで5と6枚目を争う形?能登と鈴木が先発に行くかどうかも注目。
終わりに
野手に感じては役者がそろった雰囲気があるが投手はまだ物足りない。まだNPB組と外国人を獲得するようなので勝率4割へ向けてどれだけ前進できるか。
おまけ
アルビに加入するという噂のある選手をちょろっとレビュー(入団確定ではないので注意!!)
瀧本 将生
出身:千葉県 経歴:市立松戸高-ソフトバンク
ソフトバンクに3年在籍したが2軍出場はゼロ。公式HPの非公式戦成績では11試合に登板し15.3IP、防御率2.35、奪三振が20、与四球が8となっている。どうやらリリーフ登板が主だったようだ。平均ストレート球速が143キロとそこまで速くはない。まだ2003年生まれと若くじっくり育てていきたいので中10の先発で回すとよい?
評価:じっくり育てるイメージで、中10の先発など負担の少ないところから
参考資料
NPB公式サイト
ぼーのの日記
オイシックス新潟アルビレックスBC公式サイト
スポーツナビ
球歴.com
1球速報.com
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