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わたしと建築とフランス

最初の投稿に引き続き、この記事はポンピドゥーセンター内の図書館で書いています。

少々話し声が聞こえるのと、パソコンのカチカチ音や本をめくる音が混ざっていい感じのザワザワ感です。

1Fには本屋、お土産屋、ホワイエ、案内所などがあります。
図書館、美術館へは写真奥のエスカレーターを登ってアクセスします。
入り口入ってすぐのB1Fへつながる吹き抜け。
B1Fには映画館、ホール、フォトギャラリーなどがあるらしい。

ポンピドゥーセンターはポンピドゥー大統領がパリの中心部に造形芸術、デザイン、音楽、映画関連の施設および図書館を含む近現代芸術拠点を設ける構想を発表したことからその名前がつけられました。(wikipediaより)

ほとんどの建築学生が知っているであろうこの建物はリチャード・ロジャースとレンゾ・ピアノによって設計された建物です。
ポンピドゥーセンターの時はあまり知られていない建築家でしたが、この建物の設計を機に名前が知れ渡りました。その後はそれぞれ単独で活躍していて、どちらも「建築界のノーベル賞」と言われるプリツカー賞を受賞しています。

今では名建築でありパリの一大観光名所となったこの施設ですが、完成当時は批判殺到でした。
普通であれば隠れている配管設備を剥き出しにしたこの建物は、歴史的な建物が多く残るパリではあまりに斬新すぎて当初は受け入れられなかったようです。

しかし時を経るにつれて周辺には画廊、商店、レストランなどが進出し、パリの人々に受け入れられるようになっていきました。
建築がその周辺に文化を発信していったことで、地域も変化していき、今の生き生きとした街が出来上がっていきました。
名建築は見た目だけじゃなくて街や人を変化させる力があるから名建築なんだなあと思います。

今日は別の用事もあって施設全体は巡れていないので、またゆっくり来て、建築そのものの記事を書きたいと思います。


ポンピドゥーセンターの横から一本入った通り


前半が長くなってしまいましたが、今回は「なんでフランスを選んだのか?」についてです。
まず、交換留学は海外の協定を結んでいる学校から選択をしなければならないので、世界中の大学が選び放題というわけではありません。元々様々な場所に行って建築を見ることができ、仕事だけでなくて暮らしも大事にしているイメージのあったヨーロッパに行きたいとは思っていたのですが、その中でフランスを選んだ理由を紹介します。

まず一つ目は、名建築がたくさん見られるから。
近代建築の父、ル・コルビュジエはフランスで活躍した建築家です。
フランス国内にはサヴォワ邸、ユニテ・ダビタシオン、ロンシャンの教会など彼の作品が多く残ります。
他にもジャン・ヌーヴェル、ドミニク・ペローなどフランスは多くの有名建築家を輩出してきました。歴史的建築だけでなく、近代建築もたくさんあるのがフランスの魅力です。

もちろん、フランスをはじめヨーロッパの国には歴史的な建物がたくさん残っています。それらを今まで保存するのには色んな努力があっただろうし、未だに活用されているのも使い手の使い方が上手だったからなのではと思います。
古い建物を保存、活用している様子を間近で見てみたいと思ったのも留学先の決め手になりました。

話が長くて申し訳ないので、この日に食べたクレープの写真を。

そして二つ目は、フランス流の生き方を体験してみたかったから。
日本(特に建築業界)はワーカホリックだと思います。
わたしも学部2年生ごろまでは目を輝かせて設計の授業に参加していました。
でもその頃から何徹もして、食事の時間も惜しんで、家にも帰らず完璧な設計作品を作り上げている子たちを見て「これは私にはできないな」と気づいてしまいました。
日本だと命を削っている人じゃないと建築家になれないような気がします。
そんな「仕事のために生きている」日本の環境を離れて、「生きるために仕事をしている」フランスに行けば、建築との上手な関わり方が見えてくるのではないかと思いました。

フランスの建築家たちも勿論ものすごい努力があって建築家になれているのだとは思います。でも仕事も楽しみつつ生活も犠牲にしない生き方はこっちの人の方が上手だと思い、フランスへの留学を決意しました。

今は正直建築があんまり好きじゃなくなっています。
でもこの1年間豊かに建築を学んで、豊かに暮らして、
大学に入りたての頃のようにまた建築を好きになるのが
この留学の中での目標の一つです。

学校とかの志望理由書には流石に書いていないけど、これが一番の目標。

長くなってしまいましたが、建築学生は共感してくれる人が多いんじゃないかな。
お堅い感じになってしまったので次回は何か食べ物とかそんな感じのことを書こう
と思います。

あびあんとー!(またね!)


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