ゲンロン SF創作講座(4期)を通して
こんにちは。
宇露倫(ウツユ・リン)です。
これを書いている時点で、私の通っているSF創作講座は最終実作の締め切りを迎え、COVID-19の影響により一年を大きく越えた講座は、最終講評を残すのみとなりました。
長いようであっという間だった講座を振り返り、締めくくりとして本記事を書いています。
私が小説を書き始めたのは7年ほど前で、「読むのが好きだから」という理由でスタートした記憶があります。ただ、「見ると聞くとは大違い」もとい、「読むと書くとは大違い」で指南書も読まずに書いていった訳ですから、出来はメチャクチャでした。若干、舐めていた訳ですね。
そこから自分なりに勉強していきましたが、思うに、「人に見せる」ことを最初から腹を括るべきだったのです。推敲を重ねたところで、読み手の反応を得られなければ作品は停滞します。それもそのはず、読まれてこその小説です。
ようやく腹を括り、創作講座の門を叩きました。
創作講座は課題を“公表”しなければ始まりません。先生方に講評をいただくよりもなにもまず、パブリックに晒す。この点が私には大変な刺激でした。プライドなんていうものは偉く(デビュー)なってから持て、と思い知ったのです。
そしてせっかく日本のクラリオンへ志願したのですから、限界を超えるまで自分を磨こうと決意し、毎月の実作提出に挑みました。が、これが予想以上の困難でした。枚数内に収める、という基本が身についていなかったおかげで、物語を無理やり詰め込み、非常に読みづらい作品が積み重なっていったからです。
その経験から、まずは分量の感覚をつかみ、プロットを構築する心掛けをするようになりました。
何より、講座を通して「自分は何を小説にしたいのか」と向き合うことで、道標を得たのが最大の収穫です。道標があれば、迷ったときにも不安にならずにいられます。講座の後半は道標の甲斐あって、正直に書けた気がします。
私が思うに、書いている作者の感情というのは作品を通して読者に伝わります。執筆活動は楽しいことばかりではないものの、作者の苦しんで書いた作品は、少なくとも自分は読んでいてつらかったです。
だから、自分に正直になれない作品は、書かないようにしました。物語の種として仕舞っておいて、いつか見直したとき、スッと筆が進むなら書き時です。
講座での出会いも、大きな収穫でした。あまり社会的ではない私に、みなさんとても優しくしていただきました。名高い講座の受講生は気難しい、という私の先入観もすぐに吹っ飛んだものです。
これから先、困難が待ち受けていたとしても、私は恐れない自信があります。だって、日本のクラリオンで猛者たちと切磋琢磨したのですから、たいていのことなら腹を括れます。道標も見つけましたし、本当に充実した一年間でした。
最後に謝辞を。
講師の先生方にはプロの目線から指摘をいただき、貴重なアドバイスと励みをいただきました。特に、主任講師のO先生には受講にあたり、許可をいただけたことがすべての始まりです。感謝いたします。
講座の主催者であるゲンロンのみなさまにもお礼申し上げます。受講前からの相談、受講中のサポートに感謝を。クイズ王のT氏には毎月、お手数をおかけしました。またお話できる日を楽しみにしています。
受講生のみなさま。Twitterの使い方から執筆活動の励ましまで、みなさまの応援なしに最後までやり遂げることは不可能でした。特に、毎月のコメントと講座で話しかけていただいたU氏、E氏(T.Y.氏だったらごめんなさい)、人生初の「ファンです!」と言ってくださったA氏に心から感謝を。チキンな私にとって、これほど嬉しい交流はありません。ありがとう。
これからもみなさま、よろしくお願いします。
……まるで辞世の言葉のようになっていますが、noteには今後もいろいろ書いていきますので、お付き合いください。終わりは始まりです。
宇露