ザ・ベスト・オブ・ベストな最高級台湾茶、新竹峨眉の東方美人。
ご存知かもしれませんが、東方美人茶は、台湾茶の中で一番値段の高いお茶であります。
夏は特に虫の繁殖が多く、虫害が多かった時期で伝統製法の烏龍茶に向いていなく、ほとんど休耕でしたが、ウンカという虫に噛まれ茶葉のキズから発酵が進みながら、不思議な甘い香りが出てきます。その甘い香りは実は、茶ノ木から発信するヘルプの象徴です。甘い香りは、ウンカを取って食べるクモを引き付け、自分の身を守って欲しいと、不思議な行動であります。今は夏の代表的な台湾茶であります。また、セカンドフラッシュの最高級ダージリン茶も同じくウンカの仕組みで上品な味わいで人気を集めているため、欧米でも台湾の東方美人に注目を集めています。
東方美人茶が他の種類の台湾茶よりも高価な原因は、
①ウンカが必要とされ、農薬が使えなく、生産量がとても少ない。
②ウンカの量、ウンカが噛む葉っぱの量がコントロールできない。
③より多くの新芽を使うこと。一芯二葉よりも小さな葉、一芯一葉が最高級で、量が極少ない。最高級の東方美人の場合、600gの茶葉ができるまで5万枚の芯が必要。
④一芯一葉を取るため、茶葉採り作業だけでも沢山の経験を持つ作業員が必要。機械ではなく、全て手で摘むこと。
⑤傷んだ茶葉を使って製茶するため、製造が難しく、最高級の東方美人が作れる職人さんは極めて少ない。
⑥最高級東方美人は青心大冇という品種で作られる。これは台湾の北西部、桃園、新竹、苗栗エリアでしか栽培されていません。
以上の原因で東方美人茶の平均値段は毎年ますます高騰している。最高記録は、2005年に一斤(600g)の茶葉が101万元で落札された幻の最高級台湾烏龍茶。
東方美人茶の産地の中でも、新竹の「峨眉」という産地の東方美人が最高級だというのは一般的な認識。東方美人の希少性より、オークションで高く売れるため、人口の少ない小さな町の中、半分以上の人が製茶業。未来性があって若者も家の事業を継ぐために田舎な故郷に帰った人が少なくない。このエリアで作られる東方美人茶は、もはや飲む用ではなく、賞を取るために作られています。食品ではなく芸術品のような存在とも言われています。
今回使っている東方美人茶は、新竹の「峨眉」において、東方美人茶を長年一筋製茶している楊隆茶園の楊瑞隆さんの作品。台湾のトップな製茶師の一人として、峨眉エリアではまたもう一人有名な製茶師徐耀良さんという方と、毎年特等奨争うトップの人たちの一人であります。
楊瑞隆先生は1957年に生まれ、新竹県東方美人茶コンテストで頻繁に優勝する存在です。茶の町で育った彼は幼少期から父と兄に師事し、製茶の手法を学んできました。しかし、本格的に茶に理解を深め、茶業に身を投じたのは25歳の後であり、名だたる師から製茶の要領を学ぶために訪ね歩きました。そして2004年(民国93年)末に自身の茶園ブランド「楊隆茶園」を立ち上げました。彼は2010年、2013年、2015年、2019年に新竹県東方美人茶コンテストで特等賞を受賞し、高い入賞率と多数の受賞歴を誇っています。
この珍しいチャンスを見逃さなく、是非一度試してみて欲しい東方美人茶です。
香り&味わい|ライチ、マンゴー、蜂蜜
作り方|萎凋、釜炒り(炒青)、靜置回潤(布で包み2次発酵を進ませる)、乾燥
産地|新竹峨眉
農園|楊隆茶園
品種|青心大冇
標高|150m
発酵|70%
焙煎|10%
生産時期|5月~9月
・台湾茶|楊隆茶園の東方美人茶
新竹エリアにおける東方美人茶の名製茶師、楊瑞隆さんの作品。毎年のコンテストにて特等賞を取り、さらにオークションにて驚愕な金額で落される。名製茶師の東方美人茶を一度飲んでみると今までの東方美人茶との違いがよく分かります。
・伝統茶菓子|薬膳スイーツ桂圓乾
桂圓とは、焚き火で乾燥して燻製の香りもした龍眼と言う果物の加工品。龍眼は、ライチの仲間であり、外側に硬めの皮があり、中には糖度の高い実が入っており、真ん中に硬い種があります。桂圓は、補血効果があり冷え性に良いと言われており、台湾ではスーパーのみならず漢方薬屋さんでも売られている薬膳スイーツの一種。甘くてよくスイーツに入れられるのですが、甘いおこわにもよく使われています。デザートスープにする時は、なつめ(紅棗)、白キクラゲなどと一緒に煮込みます。
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