ついに古文書の新発見!
どこの町にもあると思いますが、私の町、鳥取県日野町にも多くの古文書が保存されています。
でも、具体的にどのような内容のものがあるのか、定かではありませんでした。
そこで、どんな文書があるのかリストアップしようとする試みが静かに行われています。
記載年月、記載者、記載内容などをカードにします。
全部整理が終わったら、パソコン入力してデータ化します。
今回、私は明治8年頃の文書を担当していました。
10冊目くらいに「〇〇村建物控」という文書にあたります。
「この村は、沢山のたたらがあった村ではないかいな?」
と秘かに思いました。
たたらとは、日本独自の製鉄法です。
弥生時代に始まったとされますが、同じ方法は世界で類を見ません。
興味本位でこの文書をぱらぱらとめくって行きました。
魔が差したのかもしれません。
神様のお告げかもしれません。
20ページほどめくったところで、製鉄所の文字に出くわしました。
長屋がたくさんあるのは、住み込みの職人が多くいたのでしょう。
通いの職人も多かったはずです。
雪隠(トイレ)が多くあるのは、職人が多くいた証拠にもなります。
さらに、神様は私の行いを暖かく支援してくださいました。
隣で調査していた人が、絵図を発見したのです。
しかも私が調べている村の絵図です。
あらまあ、なんという偶然。
村全体を描いた地図の、あちこちにたたら製鉄関連の地名が付いています。
さらに、拡大図も見つかりました。
番地から行くと、高殿(工場)があったのは、冒頭に掲載した絵図周辺になります。
じつはこのたたら場は結構有名なので、伝承を辿って10年前に現地調査したことがあります。でも、道路工事などで地形も変わっていて、現場を発見するに至りませんでした。
さらに伝承では、明治18年に創業し、すぐに閉鎖したことになっています。
もし詳しいことがわかれば、従来の学説は覆されることになります。
ひょっとしたら、私はすごい発見をしてしまったかもしれません。
まあ、たたらというマイナーな世界の話ではありますが、10年越しの努力が報われた感じです。