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古文書整理のだいご味

日野町主催の古文書整理に行きました。

このところ、フォーラムや遺跡調査のお手伝いをしていて古文書関係の会合に参加できていませんでした。
それに、人流抑制のため、密になる集まりをしないように通達もあります。

しかし、地元に多く残された古文書は、いまだに整理されないまま放置されています。
まあ、数百年も経ったものが、いまさら大急ぎで対応しないといけないと言うものでもないでしょうが、人間側の都合というものもあります。
担当者のかたがたは、仕事がはかどらないと、焦っておいでです。

そんな都合もあってからのことか、日曜に地元民の暇人でいくらかでも古文書整理をしようということになりました。

私が担当したのは、江戸時代末期。文久あたりの租税関係の資料です。
作成年、作成者、宛名、表題、形態、保存状況について記録し、データにして残す作業をしました。

昔の人は達筆で、さらさらと流れるように筆を使っておいでです。
そのため崩し方が難しく、読めない字もあり、辞書を片手に悪戦苦闘。
最初は戸惑っていましたが、数をこなすと同じような文字が多く出てくるので、だんだんとペースが上がってきます。
たとえば、毛荒○○という表記。
なんだか意味が通じないぞと悩みました。
そして最終的に「毛」という文字を辞書で調べたら、作物の実りぐあいを表す言葉だということを知りました。
つまり、作物の出来が悪いので、年貢を減免してくれというような訴状が、あちこちの村の見分人から中庄屋に対して出されていたのです。
なかなか面白そうな表題なのですが、中身をじっくり読んでいるような時間的余裕もないので、今日は仕事と割り切って次の文献に移ります。


こんな感じで今日は2時間作業をして、15冊ほど処理をしました。
うちのご先祖様も庄屋をしていたようなので、どこかで名前が出てくるかもしれません。
爺さまはどんな顔をして訴状を受け取っていたのでしょう。
暗いイメージのある古文書整理ですが、やってみるとけっこう面白いものです。


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