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LimoPiece515〜心の細胞〜制作風景

ハリウッド帰りのヘアメイクアーティストであり、元手術室看護師というユニークな経歴を持つLimo。
鮮やかで透明な樹脂を組み合わせた独自の作品は、
不可思議でスタイリッシュであると同時に、生命の持つエネルギーを内包しているかのような躍動感と儚さが入り混じっている。
 またデジタルやパフォーマーとの今までにない新しいコラボレーション作品を展開し活躍の場を国内外に広げている。
http://www.limopiece.com

今回はそんなLimoが作り出す
ワイヤーと樹脂から生み出されるオリジナルのピースをフレームと組み合わた作品。LimoPiece515〜心の細胞〜ができるまでをお伝えします。

①LimoPiece515 作品の工程

①さまざまなワイヤーの種類から選んで、カタチを作る。

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こちらアトリエにあるワイヤーのほんの一部です。色や素材、太さ、しなやかさ、作るピースに最適なワイヤーを選びます。

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こねるようにカタチを作っていきます。


②ワイヤーに合成樹脂を浸す。

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ワイヤーとワイヤーのスキマに膜が張ります。合成樹脂の粘度が低すぎると膜ができません。逆に粘度が高すぎると合成樹脂の抵抗に負けて、ワイヤーの形が変わってしまいます。あと、ワイヤーのカタチによっても、上手く膜が張らない場合があります。このあたりは今までの経験と勘を頼りに制作しています。 

 そして、揮発性の溶剤になるので、作業するときには防臭マスクが必須です。

③膜が固定するまで、乾かします。

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季節やワイヤーのカタチ、大きさによって時間は違いますが、15分から1時間くらいは待ちます。

④色付け

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実は色つけの方法もタイミングもいろいろあります。

LimoPiece515の場合はこのタイミングで色つけをしています。

ピースのそれぞれの場所で色がどんどん混じっていくので、計算外の面白味と楽しさがあります。重力と時間の魅力が詰め込まれる大切な工程なので、楽しくも緊張する瞬間です。

⑤コーディングする。

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乾かす→コーティング→乾かす→コーティングの繰り返しです。

ピースによって、コーティングの素材や回数を変えています。

ある程度、乾いてもベトつきは長い間残ります。完全にベタつき感がなくなるのは数ヶ月から1年以上かかります。

こうして、いろいろなピースを作って置いています。

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⑥ピースを選んで、組み合わせていく。

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⑦アクリル板の上に接着するピースを決めて、接着していく。

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変化する事がコンセプトの一つでもあるので、あえて、全てのピースはアクリル版に固定はせずに、自由なピースを残したり、作品によっては、ほとんどのピースを固定しない場合もあります。

⑧数作品が出来上がったら、まとめて撮影をします。

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反射の関係で、自分で撮影するのは困難を極めます。

プロに撮影を頼むとこんなに美しい写真になります。

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 この作品は展示、販売のみでなく、百貨店のディスプレーとコラボレーションしたりもしました。

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②コンセプト

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 人の眼は見えるものにとらわれてしまいます。ですが何も存在していないと思い込んでいる透明な背景にこそ、何か大切な現象がうごめいている。顕微鏡から覗いた心の細胞をイメージした作品。フレームの中では固定されているピースと流動的なピースが混在しているので、流動的なピースが動くことによって変化する作品です。

 ピースが存在している場所以上に、ピースが存在していない空白の部分に本当の意味があるんではないか?自分では気づくことのできない深層心理などを、この作品が持つ、透明感、浮遊感、光があたった時に映る影など、を通して感じていただけると、作家冥利につきます。


1. Limoさんの作品の色使いについて:ヘアメイクの現場では、モデルさんの顔の作りや肌の色、イメージ、照明など、いろいろな要素から、使う色を決めなくてはなりません。なので、アート作品では、できる限り計算的な思考は入れないように、自分の閃きや感覚にフォーカスをおいて、使う色を決めています。 

 このシリーズは、心の色と形、意識と無意識をコンセプトに、インタビュー結果を元にも作られているので、私以外の他の人が感じている心の色やカタチをキーワードとして意識し、ざっくりした色の方向性を決めたりもしています。


2.作品が思いついた経緯(その作風にいきついた経緯):もともとはマスクの素材の一つで使っていたこのピース。それ単体にも凄く魅力があると、ずっと感じていました。これで壁掛けのアートを作りたい!さまざまなハードルをクリアーして、1年模索した末、2018年年末にやっとフレーム作品として世に発表できました。

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③制作現場について

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1. 制作現場はどんな場所か:広めの戸建てを借りて、その2階部分をアトリエとして使っています。なので、アトリエ兼自宅です。

2. その制作現場を選んだ理由:まだ娘を育てながらの制作なので、自宅がアトリエになるようにと選びました。10畳以上あるフリーリングなので、広さ、床ともに、理想的でした。

3. その制作現場で気に入っている点:西向きの2階なので、日当たりが良く、カラッとしていて、とても気持ちがいいです。窓から見えるちょっとした植物が好きです。

4. その制作現場で困っている点:エアコンがないので、夏は暑く、冬は寒い点です。そもそも揮発性溶剤を使っているので、換気しながら作業をする必要があるので、エアコンがあったとしても、窓全開なので意味ないんですがね。

5. その制作現場でこだわっていること:ちょこちょこ整理整頓を心がけています。制作に没頭すると、すぐにモノで溢れてしまうので、作業効率が落ちないように気を付けています。

⑤材料について

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1. 材料の中で気に入っている点:透明でキラキラしている点。
2. 材料について困っている点:とにかく臭い。防臭マスクなしでは体に有害なこと。
3. 材料についてこだわっていること:強いて言えば、粘度ですかね。すぐに固まって使い物にならなくなるのですが、逆に薄いと膜が貼らないので、粘度のコントロールはこだわらないと、作品が全く作れなくなります。

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なかなか根気のいる作業ですが、いつも気をつけている事は、メリハリです。新しい作品が作りたくってワクワクしているキモチが強い時に、制作をするように心がけています。そんなキモチが伝わるのか?作品をご購入していただいた方より、

『元気がもらえる』

『今までの人生で幸せと感じた瞬間を思い出させてくれる』

『これから向かうべき方向性を導いてくれている感覚』

などなど、メールをもらえることもあり、とてもとても嬉しいです。

これからも、このシリーズを続けていきます。

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