【SS】クリスマスカラス③栗・酢・升・空・巣の物語|#毎週ショートショートnote
昔々ある所に、太郎と花という仲の良い夫婦が住んでいた。
年の瀬だが、貧しい二人の家にはご馳走がない。罠を仕掛け、猪でも…と思ったが、何故かそこにはカラスが一羽。カラスも食い物に苦労しているんだな…と思い、逃してやった。
太郎は山でわずかばかりの栗を拾ってきた。花も、結婚祝いでもらった酒を出してみたが、長い年月でお酢のようになっていた。それでも二人は、酢のような酒を升に注ぎ栗をつまみ、とても幸せな気分だった。
年が明けた。
窓の外がまぶしい。何かが朝日に照らされ輝いている。少し遠くの木の枝辺り。太郎はその木に登ると、空の巣に山のような小判が。カラスがそばで舞っていた。
「くれるのか?」「カー!」
いつか助けたカラスだろう。太郎はお礼を言い家に戻った。
家では花が吐き気をもよおしていた。昨夜のお酢みたいな酒のせいだろうか。
「花、大丈夫か?」
「えぇ、多分赤ちゃんが…」
[397字] 博士出番無し
これは、kazeさんが前作のコメントにつぶやかれたものに応える… なんて書くとおこがましいですが、ささやかな感謝な気持ちが一番で、あとは悪ノリ精神で書いたものです。
クリスマスというか年の瀬のカラスの恩返しみたいな似非日本昔話です。
しかし、今週は忙しくて、全然皆さんの作品が読めない😭
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