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kan__ma
【SS】感想文部|#毎週ショートショートnote
僕の通う学校には、ユニークな部活がたくさんある。読書の好きな僕は『感想文部』に体験入部してみた。
先輩たちは、体験入部の僕のために「この本をちょっと読んで!」と一冊の本を渡した。すぐに感想を聞きたいらしい。速読には自信があるし、知っている本なら尚のこと。
本のタイトルは『走れメロス』だった。教科書にも載っていたし、何度か読んだことがある。ひと通り読み終えて本を置くと、先輩が質問をしてきた。
「君は、メロスは真剣に走っていたと思うかい?」
「えっ?真剣ではないんですか?親友の命がかかっているから濁流を泳いで渡ったり、山賊を倒したり…確かに一度は諦めたけれど、最後まで諦めず走って…」
「メロスはほとんど歩いていたという説があるのだよ。」
メロスの村と城との距離を、時間経過と照らし合わせると、走る速度は徒歩と変わりがないらしい。全くそんなこと考えもしなかった。
僕は『空想科学研究部』に入部した。
[407字] 博士出番無し
数年前、どこかの中学生が読書感想文で「走れメロスは走っていなかった」とかいう題で発表し、大いに話題になったことを思い出して書きました。
これとは別に、メロスはマッハの速さで走っていた説もあるのを知っています。
っていうか、これは感想文か???