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take_kuroki
【SS】月夜の寝ぐせ｜＃毎週ショートショートnote
久しぶりに徹夜で植物観察をした。以前から植物の生育には太陽光だけではなく、月光も関係があるのではないかと議論されていた。植物学者の木下と助手の井上は、フィールド調査に出かけたのだ。
「夜空の下での観察も、たまには気が引き締まって良いものだな。井上」
「そうですね。天気も崩れず良い月夜に恵まれ、計測データも十分取ることができ満足です。博士」
満月の明るさはマイナス12.7等星で、太陽のマイナス26.7等星には及ばない。しかし月明かりの下、僅かながらも光合成を行なっていると確認した植物をいくつか採取できた。昼間の光合成でのデータと比較する楽しみができた。
「博士！髪の毛が草だらけでグシャグシャです」
「井上も似たようなもんだろう」
研究所に戻り、仮眠をとってさっそくデータ検証を始めた。
「別な種類の草や木のデータも欲しいな」
「また行きますか？」
満月の度に外へ出て回り、毎回髪の毛をくしゃくしゃにして帰るようになった二人だった。
［409字］
多分、人工衛星とかで月光による光合成のデータとか計測しているんじゃないか…と思いながらも、昔ながらの方法で研究している姿を描いてみました。
地球温暖化で地上で農作物とか作れなくなったら宇宙で…って考えは飛躍してるかな😅