その後の王様|#完成された物語
裸の王様は考えた。己の愚かさを学ばせてもらう良い機会だったとは思うが、あの詐欺師二人は懲らしめてやりたいものだ。
二人は刑場へ連れて行かれた。
「ここには馬鹿者にだけ見ることができるという刑具があるそうだが、君たちは当然見えないのだろうね?」
「王様!そして皆さま、大変な無礼を行い申し訳ございませんでした。私たちは愚か者でございます。ハッキリとギロチンが見えます。もう決して人を欺くことなどいたしませんと申し上げても許してはくださらないと思いますが…」
「なんと、見えるのか。長い間使うことがなく、その名前も存在も忘れられたものであったのだが。確かに罪の意識のある者、君たちにしか見えないものかもしれないな。では、使い方も思い出させてもらおうか。」
「お許しください。本当にもう二度と人を騙すことはいたしません!」
二人は馬鹿者には見えない服を着て、その王国の片隅で慎ましく暮らしましたとさ。
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また、性懲りも無く迷作劇場を展開しました。本当の話だと詐欺師は逃げ延びているのですが、そうすると第二、第三の被害者?が出るかもしれないじゃないですか。なんとか反省して欲しいな… なんていう願いも込めて創作しました。『君たち』になってしまいましたが…